たぱぞうの米国株投資

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バフェット指数に基づいて売買するのはありか、なしか。

よく使われるバフェット指数とは何?

 株式投資について、参考にする指数は数々あります。荒れた市況であれば、VIX指数などが取り上げられますし、有名なものではS&P500などのインデックスがあります。それぞれ、それに連動したETFがあります。

バフェット指数を考案したバフェット氏近影

バフェット指数を考案したバフェット氏近影

 その中でも、著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が考案した、「バフェット指数」と呼ばれるものがあります。以下の式で表されます。

 

「株式市場の時価総額÷その国のGDP×100」

 

 米国であれば、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場する株式の時価総額になります。日本であれば東証などが対象となります。目新しい指標ではなく、私の記憶する限り20年以上前からありますね。

バフェット指数、米国株式市場時価総額とGDP

バフェット指数、米国株式市場時価総額とGDP

 「株式市場の時価総額÷その国のGDP×100」という式からわかるように、高ければ割高、低ければ割安と判断されるものです。

 

 2003年ごろに日本株が非常に割安でした。その頃も日本のGDPと時価総額を比べて割安であると論じる記事は多くありました。

 

 一般的にバフェット指数は成長性のある国は高く出て、成長に乏しい国は低く出る傾向にあります。これは、GDPも時価総額も将来を織り込んでくるからです。例えば、米国のような絶好調な国は非常に高く出ますし、日本やヨーロッパのような安定した国は低く出ます。

 

 さて、今日はバフェット指数についてのご質問を頂戴しています。

 バフェット指数に基づいて、買い判断と売り判断を的確に行いたい

たぱぞう様

 

 お世話になります。投資スタンスについてコメント頂けないかと思い書き込ませていただきました。

 

 私は相場に一括でお金を入れるのはどうしても怖く、細々と分散してhdv等を買っております。

 

 一方、機会損失を続けるのも辛く、次を実施しようかと思っています。金額は1000万程度です。

  • 目的 分散購入以前に浮いている資金の活用
  • 購入するもの VTI

手法

  • バフェット指数150以上でキャッシュポジ90%
  • バフェット指数50でキャッシュポジ10%

 その間を均等、一度の投資を買いは差額の10%、売りは全額として、バランスを取っていこうかと考えています。

目論見

  • 極力リスクを抑えつつも、投入資金を決める指標を作りたい

 バフェット指数自体が当てにならなかった時期もありますが、下落リスクを避ける意味では良かったのではないか、とも思っています。

 

 私としては大怪我はしないやり方ではないかと思ってはいるのですが、たぱぞう様から見て、落とし穴があったりヤケドするやり方だよ、やめておいた方が良い等ございましたら、アドバイス頂けませんでしょうか。

 

 よろしくお願い致します。

バフェット指数は株式市場の過熱感を知るには1つの目安になる

 バフェット指数は確かに株式市場の過熱感を知るには1つの目安になりますね。特に、インデックス投資ではそうです。長期のパフォーマンスに影響するケースがあります。

 

 目安は、以下のように示されていますね。これは、米国目線です。

 

比率=時価総額/ GDP 評価
比率<50% 大幅に過小評価
50%<比率<75% やや過小評価
75%<比率<90% 公正な評価
90%<比率<115% やや過大評価
比率> 115% 著しく過大評価

 

 実際には、おっしゃる買い目線の10以下となると、ほとんどそういう機会は歴史上ありません。100以下も21世紀に入ってから、特にリーマンショック以後はほとんどないですね。

 

 リーマンショック時でおおよそ52%というものがありましたが、かなり特殊な例です。それ以後は、チャイナショック時で105%、2018年末、コロナショックの直近で120%近辺です。

 

 これは、金融緩和とGAFAMを中心とした好業績企業による期待値が、恒常的な株高を作り出しているからです。仮に、せめて100%と見ても、ほとんど買う機会がなかったということになります。

 

 日本は、2003年ごろ、それから2010年ごろが大変買い場でした。それぞれ、金融危機があり、東日本大震災があったころです。

 

日本のバフェット指数の推移

日本のバフェット指数の推移

 その後は、ご存じの通りアベノミクスという名の金融緩和があり、株式市場も随分と目線が変わりました。

 

 コロナショックの各国対応を見ても、通貨の価値が下落する流れ、この流れは止まらないように見えます。そう考えるとバフェット指数も柔軟に目線を変えて、どこかで割り切って投資をしていかないと機会損失となりますね。

 

 従来通り、株式市場の過熱感を図る1つの目安としての活用をしつつ、買われやすい米国の状況と、金融緩和の流れを踏まえて判断していくのが良いでしょう。

 

 MSCIコクサイにおける米国株の割合が7割を超えるという、未曽有の時代になりました。過去を踏まえつつ、世界の株式市場は新たなフェーズに入ったことを加味して判断するということですね。

 

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