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何かを得るということは何かを手放すこと。50代夫婦のFIREと資産取り崩しの考え方2588

お金や仕事から、健康、時間、家族へ

 40代、50代というのは一つの分岐点かもしれません。若いころは無理がききますから、仕事やお金に全振りして生きていくということも可能でしょう。いつまでも走り続ける人もいますし、大事なことが変容する人もいます。

 

 だいたい、多くの人は50歳が1つの境目でしょうか。お金や仕事といった価値観から、健康、時間、家族へ重点を置き始めますね。

 

 さて、今回は50代でのFIREということでご相談を頂いています。

何かを得るということは何かを手放すこと。

 いつもブログ、Xを楽しく拝見し勉強させていただいております。


 ブログで何度か何かを得るということは何かを失うことというたぱぞう様のフレーズを拝見し勇気をいただき、また自分の人生を照らし合わせてみて強く共感する一方で今一度その失うリスクにおびえ勇気が出せずにおります。

 

 3年程度で繰り返される転勤、理不尽な異動に疲れ果ててしまったこと、体がいうことをきくうちに老後の生活基盤(社会的なつながり)を落ち着いた生活をすることで築きたいことから、退職、FIREを考えておりその可能性と出口戦略について質問をさせていただきます。


 現状の資産でFIRE可能でしょうか。


 賃貸で生計を維持できるでしょうか。

(持ち家でないことに不安があります。地方の県庁所在地で15万円/月程度の家賃を想定います。)


 どの資産から取り崩していくべきでしょうか。

(他の方の相談の中では、現金から日本株とご回答されておりましたが、現金や配当がなくなることに精神的に抵抗感があるのですが)

 

 本人、妻ともに退職後の収入は趣味の延長のようなものなのですが、体力をかなり使うものとなるため3年間程度が限度かと思っております。その後はバイト程度で夫婦で15万円/月程度の労働をしながら趣味のスポーツをしていければと思っております。

 

家族構成

本人 53歳 会社員
妻 49歳 個人事業主
子供無し

 

資産(夫婦合算)

現金 2,000万円
日本株 個別株:特定口座9,400万円、NISA200万円
投信:特定口座1,200万円
米国株 個別株:特定口座500万円
投信(S&P500)、ETF(VOO):特定口座7,500万円 NISA2,800万円 iDeCo200万円
債権(国債、先進国債権投信) 300万円
不動産:無し(持家なし)

 

収入

現状
私:1,200万円/年(額面)
妻:600万円/年(額面)
配当:2百万円/年(税後)

 

退職した場合

本人:退職金7百万円(中途入社のため)、副業2百万円/年(額面、56歳まで)
妻:600万円/年(額面、52歳まで)
年金:本人120万円/年(60歳から繰上げ受給見込み額)、妻90万円/年(65歳から受給)

 

支出
60万円/月(家賃含む)

 

お手数をおかけしまして大変恐縮ですがご回答いただけますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。

現状の資産でのFIRE達成可能性について

 3年程度で繰り返される転勤や理不尽な異動に疲れ果ててしまったこと、そして体がいうことをきくうちに老後の生活基盤を落ち着いた環境で築きたいということ、そのお気持ちはよくわかります。これまで本当に第一線で頑張ってこられたのですね。

 

 お金より時間や健康に比重を置いた生活を意識するようになるのは自然なことと思います。

 

 これからの人生の可能性と出口戦略についてですね。

 

 まず、現状の資産でFIRE可能でしょうかという点ですが、結論から申し上げますとご夫婦の現在の資産規模であれば十分に可能です。

 

 現金や株式、投資信託などを合わせた金融資産が約2億4千万円あり、さらに退職金も加わります。仮に退職後完全に無収入となり、想定されている月額60万円、年間720万円の支出を全額資産から賄ったとしても、資産に対する取り崩し率は3パーセント未満に収まる計算です。

 

 さらに退職後数年間はご夫婦で一定の収入があり、その後もアルバイト等で月15万円程度の労働を想定されているため、実際の取り崩し額はより小さくなり、極めて安全性の高い盤石な状態と言えます。

 

 そもそも、日本人の生涯平均所得が2億円前後です。このレベルの資産で生活できないとなると、殆どの日本人の生活が破綻していることになる。そういうレベル感です。

賃貸での生計維持と持ち家への不安について

 次に、賃貸で生計を維持できるでしょうか、持ち家でないことに不安がありますというお悩みについてです。

 

 地方の県庁所在地で15万円程度の家賃であれば、現在の資産背景から見て経済的に困窮することはまず考えられません。むしろ、これまで転勤が多かったということであれば、定住の地を見極めるまでは環境の変化に柔軟に対応できる賃貸のほうが適している時期かもしれません。

何かを得るということは何かを手放すこと。50代夫婦のFIREと資産取り崩しの考え方

何かを得るということは何かを手放すこと。50代夫婦のFIREと資産取り崩しの考え方

 将来的に本当に気に入った土地が見つかり、ご自身のライフスタイルが完全に定まった段階で、豊富な手元資金から現金でご自宅を購入するという選択肢も残されていますので、持ち家がないことを今すぐ不安に感じる必要はありません。

 

 私も持ち家はいったん売却しており、どこで住宅ローンカードを切るか見極めているところです。

どの資産から取り崩していくべきか

そして、どの資産から取り崩していくべきでしょうかというご質問についてです。

 

 現金や配当がなくなることに精神的な抵抗感があるというお気持ちは、多くの方がFIRE移行期に直面する気持ちであり、とても自然なことです。とはいえ、無理に現金や高配当株から手をつける必要はありません。

 

 ご夫婦のポートフォリオを拝見しますと、日本株の個別株が特定口座で9400万円と、全体の資産に対してやや比重が大きくなっています。まずはこの日本株の中で、特定の銘柄に集中しすぎているものや、ご自身の投資シナリオから外れてきた銘柄から少しずつ利益を確定し、生活費に充てていくのもひとつの方法です。

 

 精神的な安心感を重視するのであれば、大きく成長している米国株の投資信託やETFから定率で少しずつ取り崩していく仕組みを作るのも、現在の現金や配当を減らさずに生活を維持するための有効な手段でしょう。

 

 配当金はあこがれがちではありますが、利確タイミングを自分でコントロールできるという意味において投資信託は実は優れます。

新しい人生の切符はすでに手に入れている

 何かを得るということは何かを失うということ。これは間違いないところです。これまで長年にわたり築き上げてきたご自身の社会的なキャリアや信用が、それだけ大きく価値のあるものだったという何よりの証拠です。

 

 しかし、これだけの立派な資産を築き上げ、ご夫婦でのビジョンもしっかりとお持ちなのですから、すでに新しい人生の切符は手に入れています。これから得られる穏やかな時間や新しいつながりに目を向けて、安心して次の一歩を踏み出してよいと思いますよ。

 

 迷って出した結論に間違いなし。

 

 繰り返しますが、お金と労働に軸足を置いた生活から、時間や健康あるいは家族に比重を移していく時期です。

 

 共に実現しましょう。

 

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