生活費を抑えればFIREは近づく
支出と収入のコントロールができれば生活は成り立ちます。
完全にFI(経済的自立)を達成するには時間がかかります。新卒からコツコツ投資をしても、殆どの人は30年近く、あるいはそれ以上かかるのではないでしょうか。一方で、RE(早期退職)は魅力ですが収入がゼロになると不安が募ります。
FIREを希望する人はこのバランスで迷うことが多いです。SNSは生存バイアスのようなものがかかっており、潤沢な資金と豊かな独立後の収入で生活する人が目立ちます。しかし、地に足着けて自分の支出と収入を見極め、無理なく生活することでFIREは意外に簡単に達成できるのも事実です。

簡単に1億、2億も作れるものではないし、副収入を作れるものでもないのです。普通の人が普通の生活をしてFIREをする、そのような目線も同時に大切にしたいですね。さて今回は、生活費13万円に収めつつ、持続可能な投資術を確認されたい、という方からのご質問です。
生活費を13万円に抑えつつ、投資を続けて行きたい
たぱぞう様
おはようございます。
いつもブログやYouTubeを楽しく拝見させていただいています。
皆さんのように大きな資産ではなく恥ずかしいですが,今の私の状況でアドバイスをいただきたくメールを差し上げました。よろしくお願いします。
夫婦2人暮らし(子ども無し)
地方暮らし(公営の団地暮らし)
生活費:毎月13万弱
●夫47歳(私)
自営業(家庭教師,電気工事手伝い)
収入:年間120-150万
【旧NISA(2020-2023年)】
評価額:170万(含み益:90万)
日本株,新興国,全米株,S&P連動などの複数のインデックスの投資信託
【新NISA(2024年〜)】
・つみたて枠:eMAXISSlim米国株(S&P500)
評価額:137万(含み益:24万)
・成長投資枠:eMAXISSlim米国株(S&P500)
評価額:今年から始めたばかりで7万投資して少しマイナスです。
【iDeCo(2023年〜)】
・SBI全世界株式インデックスファンド
評価額:36万(含み益:6万)
【個別株(日本)特定口座】
銀行株,通信株,商社,外食産業など‥
評価額:210万(含み益:61万)
【個別株(米国)特定口座】
VYMとNVDAとVZは10株,それ以外に1,2株単位で配当株(KO,XOMなど)
評価額:85万(含み益:13万)
【現金】
650万(生活防衛費を含む)
(私が去年末に大口のかんぽ生命保険を解約した返戻金)
●妻46歳
派遣(不定期に仕事)
収入:年間60万前後
【旧NISA(2023年)】
eMAXISSlim全世界株式(オルカン)
評価額:13万(含み益:6万弱)
【新NISA(2024年〜)】
・つみたて枠:eMAXISSlim全世界株式(オルカン)
評価額:16万(含み益:3万強)
2人とも20歳から国民年金を支払ってきていて,私は31歳から国民年金基金,妻は38歳から付加年金を追加で払っていて今に至り,65歳からは夫婦で年金として月16万弱もらえる予定です。
私は今年2月からNISAのつみたて枠で毎月10万,成長投資枠で毎月5万の投資。妻はNISAのつみたて枠で月5,000円を投資しています。
◯質問◯
私の方は手元にある現金のポジションを調整するために,そこを原資として投資に回しています。今後はこの現金を200万まで減らすまで投資に回し,それ以降は日本の個別株と米国の個別株を売って原資に回そうと考えています。
つまり現金が残り200万に近づいてきたら特定口座にある個別株を売却してNISAの原資にしていく形を考えています。この方向性でよろしいでしょうか?(現金のポジションが大きいのは去年の年末にかんぽ生命保険を解約したからです)
旧NISAについて無知な時期だったので色んなファンドを購入してしまって,このままでもいいのかなと少し不安です。
また私の投資方針としては,まずはNISAの枠(つみたて枠と成長投資枠)をeMAXISSlim米国株式(S&P500)で埋めていくことですが,これも方向性として大丈夫でしょうか?個人的にオルカンよりアメリカ株が好きなところがあるので‥。
もっと働いてお金を稼げば投資に回せるお金を増やせるのでそれが一番いいのかもしれませんが,自営で職種的に依頼がないとできない仕事ゆえに,今のスタンス(働き方)となっています。また私の方が親から生前贈与や相続である程度人並み以上に恵まれている環境で,下世話な話ですがこちらにも少し期待しているところもあります。
いずれにしても夫婦として贅沢な生活は望んでなく,2人の時間や趣味など自分たちのための時間を大切にしていきたいと考えています。お忙しいところ恐縮ですが,ご教授いただけると助かります。よろしくお願いします。
目指している方向に間違いなし、収支のコントロールが大事ですね
お問合せを拝読しました。日頃からブログや動画をご覧いただき、ありがとうございます。
さて、ご夫婦の現在の資産状況を拝見しますと、ご主人が1295万円、奥様が29万円で、合計1324万円の資産を築かれています。
ご夫婦で堅実な生活を送られながら、しっかりと将来を見据えて資産運用を実践されている証ですね。SNSなどは大きな額が目立ちますが、日常の世間ではかなりレアケースも多いので気にされなくてよいと思います。好きな仕事と時間を大切に、ある意味ではFIRE状態にありますね。
さて、お手元の現金を投資に回し、生活防衛資金を200万円とする方向性についてです。こちらは非常に良いご判断だと思います。
一般的に生活防衛資金は生活費の半年分が目安と言われていますので、毎月の生活費が13万円弱という現在の環境を踏まえますと、200万円あれば十分に安心できる水準です。
そして、手元の現金が200万円に近づいた段階で、特定口座の日米の個別株を売却して新NISAの原資に充てていくというお考えも理にかなっています。現在の積立額が日々の生活の負担になっていなければ、ぜひそのまま継続されるとよいでしょう。
次に、旧NISAで様々なファンドを購入されて不安を感じていらっしゃる点についてです。投資を始めた当初に手探りで購入され、結果的に複数のファンドが混在してしまうのはよくあることです。
現在持っていて心地よいものとそうでないものに分かれているのではないでしょうか。
もしご自身の中で納得感の薄いものがあれば、一度売却し、新NISAの枠でスッキリと買い直すことをお勧めします。口座の管理がシンプルかつ効率的になるメリットは大きいです。現状で枠が余っていますから、新NISAをまず埋める方向で良いでしょう。
また、新NISAの枠を米国株式、具体的にはS&P500で埋めていく方針も全く問題ありません。全世界株式を選ぶか米国株式を選ぶかは、最終的には好みの問題に近いです。
ご自身が米国株により魅力を感じていらっしゃるのであれば、ご自身の感覚を信じて投資を続けるのが、長くモチベーションを維持する一番の秘訣になります。
最後に、今後の働き方や将来の見通しについてです。
現在の生活費のコンパクトさが、ご夫婦にとって最大の強みになっています。65歳になられて月16万円の年金を受け取れるようになれば、それだけで日々の生活費を賄える計算になりますから、その段階で仕事のペースをさらに自由に調整できるようになります。
ご実家からの生前贈与や相続など、ある程度恵まれた環境がおありとのことですので、無理に収入を増やすために働き方を変える必要はないと考えます。
そういった環境全てを含んで考えるのは大事なことです。無理をし過ぎなくて済みます。なんでもかんでも独力で乗り越える、自主自立である、そういう時代は過ぎ去っています。
今はある意味では関わる皆さん、親族の力を結集して共に乗り越えていく時代とも言えます。日本は突出した豊かな国から、普通の国になりつつあるということです。高齢化社会、成熟社会とはそういうことです。
ご夫婦での時間や趣味を大切にしながら、今の無理のないスタンスで持続可能な生活を営んでいかれるのが最もよい選択だと思います。
これからも、ご夫婦で豊かな時間を過ごされることを応援しております。共に頑張りましょうね。
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