CVSヘルス【CVS】はアメリカを代表するドラッグストアチェーン
CVSヘルス【CVS】は米国最大のドラッグストアです。GEと入れ替わりでダウ30種入りしたウォルグリーン・ブーツと米国ドラッグストア2強状態になっています。店舗数、薬剤師の数が圧倒的です。下記のデータは2010年でちょっと古いのですが、2強の構図は変わりません。
Rank | Pharmacy Chains | City | State | Pharmacists | Store(s) |
1 | C V S Corporation | Woonsocket | RI | 24,000 | 9,700 |
2 | Walgreens | Deerfield | IL | 10,578 | 8,232 |
3 | Walmart Stores Inc | Bentonville | AR | 6,358 | 3,646 |
4 | Rite Aid Corporation | Camp Hill | PA | 5,523 | 4,608 |
5 | Kroger Company | Cincinnati | OH | 1,866 | 1,156 |
6 | Target Corporation | Minneapolis | MN | 1,436 | 1,672 |
7 | Kaiser Permanente (HMO) | Oakland | CA | 1,298 | 290 |
8 | Sears Holdings Corporation | Hoffman Estates | IL | 1,169 | 1,002 |
9 | Medicine Shoppe International | Earth City | MO | 943 | 564 |
10 | Dominick's Finer Foods | Pleasanton | CA | 888 | 719 |
Pharmacies in the United States - Wikipediaより作表
創業は1914年です。その規模は小売業界においてウォルマートに次ぐ売上高を誇ります。全業種含む売上高でも6位、ゼネラルモータースやシェブロンに匹敵します。従業員は25万人に上ります。
※CVSヘルスのページから
事業ポートフォリオは、処方せん事業、医薬品小売事業、法人事業の3部門です。祖業を素直に広げてきた印象を受けます。
日本もそうですが、アメリカでもCVSヘルスのような専門店の売り上げが小売業の中では好調です。反面、百貨店や衣料品も扱うような総合スーパーは奮いません。モータリゼーションが成熟し、幹線道路沿いの大きな駐車場を持つ大きな専門店が強い集客力を持ちます。
ちなみに、時価総額もウォルマートに次ぐ2位です。
CVSヘルス【CVS】の株価チャート
2006年 株価33ドル 配当 0.03875ドル
2016年 株価83ドル 配当 0.425ドル
2018年 株価79ドル 配当 0.5ドル
株価はこの10年で二倍強です。2015年には110ドルを超える株価を記録しており、高い成長率と相まって右肩上がりの株価成長ストーリーを想像させました。しかし、そんな投資家の期待とは裏腹に2016年以降は調整局面を迎えています。
CVSヘルス【CVS】の基礎データ
それでは基礎データを見てみましょう。
ティッカー:CVS
本社:アメリカ・ロードアイランド州
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
CVSヘルスの売り上げと利益
CVSヘルスは小売り大手のターゲット【TGT】の薬局部門を2015年に買収しています。ターゲット【TGT】の薬局部門は上述のドラッグストアランキングでは6位に位置しており、CVSヘルスのおよそ十分の一規模でした。
また、同じ2015年に高齢者生活支援施設や介護施設向けのPBM(薬剤給付管理)のオムニケアを127億ドルで買収しています。2位のウォルグリーン・ブーツはPBM(薬剤給付管理)からは撤退しているので、2強の経営戦略は違いが鮮明になっています。
2017年末には医療保険会社であるエトナの買収を発表しています。金額は約690億ドルです。このため、2018年の配当は2ドル据え置き、自社株買いもしません。しかし、自社株買いは今までかなりのペースで行ってきました。
CVSヘルス【CVS】はこのように自社のリブランド化だけではなく、M&Aで収益をさらに拡大する手法を採用しています。売り上げが成長を続けているのはそういうことです。もっとも、祖業であるドラッグストア自体も米国の高齢者人口が増える中で、処方箋含む業績が向上することが見込まれています。
営業利益率の低さは専門店のホームデポなどと比べると見劣りします。しかし、小売業自体あまり利益率は高くない業態ですね。
CVSヘルスの配当と配当性向
配当はこの10年でおよそ8倍になっています。以前はあまり配当に熱心ではありませんでしたが、成熟してきたということですね。配当性向も同時に上昇しており、このペースは鈍化が見込まれます。
CVSヘルスのBPSとEPS
EPS(一株利益)はおよそ3倍になっています。売り上げの伸び以上に一株利益が増しているのは良いですね。自社株買いに大変熱心で、この10年に2/3まで減らしています。これは米国企業の中でも多いほうですね。
CVSのキャッシュフロー
キャッシュフローはおおむね右肩上がりですが、小売りだけあって投資CFもそれなりですね。今後も中小ドラッグストアや医薬販売業をM&Aしつつ拡大路線を取っていくことが予想されますが、業績への寄与を見極めたいところです。
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