たぱぞうの米国株投資

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個人年金保険の積み立て商品はすべていらないのか

生命保険会社の個人年金保険商品とは

 生命保険会社による個人年金積立商品というものがあります。月々保険料を積み立てで支払い、60歳以後に受け取れるようにするという商品です。期間が非常に長いものが多く、30年40年単位のものがあります。

 

 個人年金保険料控除が受けられるというメリットがありますが、今の商品は基本的には返戻率、利回りが低いために以前ほどの魅力はありません。さて、今回はこの個人年金保険に関してご質問を頂いています。

20年前の個人年金保険を止めるか、続けるか

たぱぞう様
 大変有益な情報をいつも参考にさせていただいております。ありがとうございます。私は現在会社員で現在49才になります。

 

 日本の生命保険会社に個人年金として19年毎月積み立てていた、およそ一万円の保険を米国株ETFなどに変えて運用した方が良いのではと、思いました。

 

 もし出来ましたら,たばぞう様からアドバイスをいただければ幸いと思い、ご質問をさせていただきます。

 

年金保険の内容は


10,997円の払込 40年満期 合計5,278,560円 で 
10年確定年金


年金額 735,600円 (7,356,000円) 
満期まで残り21年 10,977円 × 12ヶ月 (2,766,204円)

 

もし他の運用でお薦め出来る物がありましたら、解約して払い戻される、おおよそ2,600,000円を元本に毎月11,000円を積み立てて行く予定です。

何卒よろしくお願い申し上げます。

個人年金保険のカンタンな仕組み

 保険はよく返戻率で計算されますが、ここは投資家目線で利回りで見てみましょう。40年の払い込みがおよそ530万です。

 

 受取額がおよそ735万です。毎月1万円ちょっとの払い込みを続けて運用したと考えた場合、おおよそ年率利回りが1.6%になります。リスクがほとんどないことを考えると、まずまずの利回りですね。今はもう、このような利回りは出せないでしょう。計算式はこのようになります。

 

金額 = 積立額 × 年金終価係数

 

年金終価係数 =

((1 + 年利率)^年数)ー 1)÷ 年利率

 

こういう手計算が面倒な場合は例によってシミュレータを使うのが良いです。

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パチッと数字を出すことができます。

個人年金保険の税金

 個人年金の受け取りには税金がかかります。退職金のように、一括か分割か選べますので、それぞれの税金を見てみましょう。

一括で受け取る場合は所得税扱いになる

 一括で受け取る場合は一時所得、つまり所得税扱いになります。

 

総収入金額-必要経費-50万円(特別控除)

7,356,000-5,278,560-500,000=157,7440

  おおよそ157万円の所得ということです。

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 国税庁の速算表です。もし他に所得が無ければ5%の所得税が引かれることになります。 

分割で受け取る場合は雑所得になる

 分割で受け取る場合は雑所得扱いになります。

 総収入金額-必要経費となります。必要経費の計算は以下の通りです。

年金(年額)×払込保険料合計額/年金受取合計額

735,600×5,278,560/735,6000=527856

735,600-527856=207744

  20万円以下の雑所得ならば申告不要で国税分が非課税でしたが、おしいですね。総合課税になりますので、所得税速算表を見て同じ5%がかかってきます。

 

 いずれにしても、退職金のような控除は受け取り時にはありません。

昔の個人年金保険はまずまず良いものもある

 保険というのは、契約時の金利がそのまま生かされます。近年はほとんどゼロ金利で推移していますが、かつては銀行定期預金でもそれなりの金利でした。ほんの10年前でもネット銀行のキャンペーン金利で1%を超えることは珍しくなかったのです。

 

 今は違います。そういう意味でも海外投資をせざるを得ない状況と言えるでしょう。しかし、先の金利計算でおよそ年利1.6%、このまま続けても悪くないでしょう。あくまで収入次第、所得税率次第ですが、利回りをそれなりに押し上げる効果があります。

 

 ちなみにその控除額は平成23年以前の契約で、なおかつ年間10万円を超えていますので、所得税で4万円、住民税分で2.8万円になります。合計で6.8万円の控除が効くことになります。

 

 もちろん、利回りとしては株式のほうが高かったのがこの10年です。しかし、これは今後の10年を保証するものではないですね。債券的な意味合いで持っても悪くないですね。

 

 法人だと経費を使って所得を圧縮します。サラリーマンはささやかですが、生命保険などの控除を使って所得を圧縮することが可能です。

 

 たぱぞうは「保険で資産運用をする必要はない」という主張に立っています。しかし、この例は数少ない継続をおすすめする例ということになります。昔の利回りがそこそこの生命保険、医療保険、年金保険は控除と掛け金によってはこのような結果になることがあるということですね。

 

 関連記事です。

  こちらはドル建ての終身保険についてですね。こちらも基本的には不要な商品です。最初の10年での拘束など、デメリットが大きいです。

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  似ていますが、ドル建ての積立保険に関してです。同じようにドル建てで積み立てるならば、投資信託やETFを選びたいところです。保険はあくまで保険ですので、貯蓄性や資産運用というのは他の商品で良いでしょう。

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  生命保険に関する基本的な考え方です。保険と運用の役割分担をしっかりしていくという考えに立つと、掛け捨てという結論になります。さらに控除枠を踏まえ、その枠内での掛け金、活用というのがポイントです。そのコツが書いてある記事です。

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