日本で販売される生命保険は基本的にあまり良いものが無い
日本で販売される生命保険は基本的にあまり良いものがありません。かつて日本が成長国だったころには運用益も良かったので、投資の一環として保険を買うというのが有効でした。
1989年を境に日本の株式市場、TOPIXや日経平均といった指数では利益が取れなくなってきています。かといって、アクティブの難しさは言うに及ばずです。これは個人のみならず、保険会社などの大手運用機関も含めてそうです。
また、日本国債が大量に発行されていますが、日本の保険会社はこれを大量に買っています。あるいは買わされています。そのため低金利な投資に縛られ、なかなか効率的な運用ができなくなっています。ただ、資金力があり、日本人の保険好きな国民性も相まって、資金量は豊富です。
しかし、運用にかかる手数料分が不透明で、おそらくこれを開示したら投資信託がかわいく思えるぐらいなのでしょう。生命保険業というのは、基本的には利益の上がる業態であり、だからこそ似たような業態でそれだけ会社が多いとも言えます。
また、日本の場合は厚生年金・国民年金が非常に充実しています。これらは障害年金や遺族年金といった形で保険的な機能を併せ持っています。そういうことから、「民間の保険会社に無理して入ることはない」というのがたぱぞうのスタンスです。
ただ、節税とセットで考えることも大事です。「生命保険控除」というものがあります。これは活用しない手はありません。そう考えると、この枠ギリギリを狙い、掛け捨てで控除額上限の8万円の払い込みというのは理にかなっています。
昨今では外資系生命保険会社の進出もあって、商品の多様性という意味ではかつてない選択肢ともいえるでしょう。しかし、基本は同じで、投資と保険をきっちり分けるという発想が大事です。
関連記事に超基本ということで保険の記事を載せていますので、併せて見ていただければと思います。さて、こうしたことを踏まえてご質問を紹介します。
では、ドル建て終身・ドル建て終身αは買いなのか
いつも大変興味深く見させてもらっています。さて、最近の記事で保険商品のお話をされていました。
私(32歳、妻子1人。子はもう1人欲しい。公務員。3世代同居。富山県在住)も現在、大学の友人が生命保険会社に勤めている関係で、1年前にドル建て終身、ドル建て終身α(学資のようなもの。18歳まで私が多めに支払って、残りを息子が少額払っていくというもの)、医療保険に入りました。3つ併せて、月々円換算で38000円程度支払っております。
先月、たぱぞう様の記事に奇跡的にたどり着き、今月からつみたてNISAでひふみ50%、楽天VTI50%を毎日満額購入しています。今後、公務員なのでイデコで大和NYダウを月々12000円、妻名義のつみたてNISAで楽天VTI100%を毎日満額購入予定です。
あと、インフォシスを1000ドル程と、ギャンブルでKTOSを10000ドルほど保有しています。(現在、1200ドル程マイナスです泣 早めに売ったほうがいいですか??本家VTIを買ってみたい気持ちもあるのですが、種銭が小さいのでキャピタルゲインを狙って、リスクを背負う覚悟もあります。KTOSは、軍事企業ですが米国の軍事費増大やトランプ大統領の絡み、北朝鮮リスク、次世代兵器、歴史的に戦争はなくならない等々の考えから、買ってみました。)
上記の内容で収入と合わせると、月収に占めるキャッシュポジションがゼロになってしまいます。今すぐ保険商品を解約して、安い医療保険、生命保険に加入し、学資目的の資金はその余った資金で特定預り楽天VTIで運用した方がいいのではないかと考えています。月々の私の生活費は、ボーナスを切り崩すことでやりくりし、年間25万円程貯金できればと考えています。
そこで質問です。
- 上記の考え方について、どうお考えになりますか?
- 医療保険、生命保険について、何か良い商品がおありであればご教授願えますか?
以上、2点です。
お忙しいとは存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
ドル建て終身保険は不要と考えます
まず、お考えの通り生命保険への支払いが手厚いですね。基本的に私はあまりこの「ドル建て保険」があまり好みではないですね。理由があります。
- すぐに解約できるようなものではなく、資金拘束が長い
- 手数料と運用が見えにくい
- 押しなべて返戻率、利回りが低い
- 販売時に相手国通貨のインフレを加味した説明がほとんどない
こういう理由ですね。もともと保険ですので「返戻率あるいは利回りでみるのは違う、保険は元本が割れないじゃないか」というご意見もあります。
ただ、貯蓄性の高いものであるならば、投資信託などと商品の性質はある程度近似してくるので、どうでしょうね。やはり私は掛け捨て以外の保険は要らないと思いますよ。
資金拘束が無いならば、保険への支払い金額を減らすことに妥当性を見出します。
保険で資産運用を考えるならば、日本ではなく海外口座で直接買うという手口もありますね。これはこれで面白い商品がありますが、資産規模が大きくなってから検討に値するというところですね。とりあえずの結論です。
資産運用目的のドル建て終身保険は不要
前段で書いたように、「私は」こういう結論になります。もちろん、保険に妥当性を見出すならば違う結論になるのでしょう。ご質問ありがとうございました。
追伸 インフォシスは成長性が魅力ですが、株価との連動性に昔から課題がありますね。おそらく今後もそれは変わらないと思われます。自社株買いも熱心ではないですね。
KTOSは軍事のテーマ株ですが、売り上げがガチャガチャと落ち着かない傾向にあり、不安定さを併せ持っていますね。本業の利益率の低さがそれを物語っています。両方ともややクセありです。
それが面白い、妙味であると思うかどうかですね。
関連記事です。
ドル建ての積立保険はどうかというご質問です。まあ、これも要らないですね。
保険も投資も自分の中に基本となる柱を持っておくとブレません。保険に関してはこちらの記事を見ていただければと思います。
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