ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】とは
ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】はEDA(Electronic Design Automation:電子設計自動化)ツール開発・販売の世界3大大手の1社です。他の2社はシノプシス【SNPS】、メンター(シーメンス傘下、非上場)です。
ちなみにメンターは、かつてケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】に敵対的買収を仕掛けられましたが、ホワイトナイトとして現れたシーメンスに買収された経緯があります。
EDAは電気系の設計作業の自動化を支援・補助するためのソフトウェア・ハードウェアです。ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の主な顧客はシノプシス【SNPS】と同様に半導体製造企業です。
1988年にSDAシステムズ社とECAD社が合併して誕生しました。ECAD社は1987年にNASDAQに上場しています。合併後M&Aを30回以上行って事業を拡大してきています。
S&P500採用企業です。
ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の株価チャートと配当
S&P500(水色)と競業のシノプシス【SNPS】(紫)と比較した5年チャートです。
水色のS&P500を大きくアウトパフォームしています。足元はシノプシスの方がややパフォーマンスが良好です。無配銘柄です。
出典: US版 Yahoo Finance
ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の基礎データ
- 本社:カリフォルニア州サンノゼ
- ティッカー:CDNS
- NASDAQ上場
- 決算期: 12月末
ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の売上高と利益
綺麗な右肩上がりです。売上高、営業利益とも、規模はシノプシス【SNPS】より小さいですが、営業利益率は高いです。
ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】のEPSとBPS
過去5期ぐらいの業績が好調ですね。
ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】のキャッシュフロー
シノプシス【SNPS】は2015年まで、キャッシュマネジメントに苦労していたことがうかがえる経緯でしたが、ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】はフリーCFに苦労している感じがしません。
そのフリーCFはM&Aの原資になっていることでしょう。
日本とも縁が深いケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】
ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】は日本に縁があります。
日本の理化学研究所が運用しているスーパーコンピュータ「富岳」の開発に富士通【6702】が採用したのがケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の製品でした。2016年10月に発表されています。
日本の半導体大手ルネサスエレクトロニクス【6723】もケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】のユーザーです。
2023年3月にはデザインバグのデバッグにおける生産性を大幅に改善し、車載アプリケーション向け最新デザインの開発期間を短縮できるツールをルネサスエレクトロニクスが採用しました。
シノプシス【SNPS】かケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】か
競合するシノプシス【SNPS】とケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】、
投資するならどちらがいいのでしょうか。ちょっと考察してみましょう。
指標はかなり似通っていて甲乙つけがたいです。ROEはケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】に軍配が上がる、ぐらいの違いです。ちなみにシノプシス【SNPS】も無配銘柄です。ですから、配当の差もありません。
出典:たぱぞう作成 2023/8/7現在
EDAベンダーの生命線は研究開発です。研究開発の規模が利益と相関があるかといえば、必ずしもそうではないでしょう。とはいえ、研究開発を捨てられる業界ではありません。
営業利益率とともに、売上高研究開発費を過去5期分比較してみました。実はケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の方がどちらもやや高いです。しかし、極端な違いというわけではないですね。
単純ですが、ケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の株価はシノプシス【SNPS】の約半分です。試しに買ってみるなら現時点ではケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の方が手出ししやすいのは事実です。
前述した業績の推移もケイデンス・デザイン・システムズ【CDNS】の方が安定感を感じます。裏を返すと、その程度の違いしか感じられず、好みの問題かもしれません。
SBI証券、 松井証券、 楽天証券、 マネックス証券、 auカブコム証券、ネット証券トップ5社も取り扱っています。
関連記事です。