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マイクロン・テクノロジー【MU】の銘柄分析。半導体設計、製造、販売企業

マイクロン・テクノロジー【MU】のシンプル銘柄分析

 マイクロン・テクノロジー【MU】はデニス・ウィルソン、ダグ・ピットマン、ジョー・パーキンソンの3人のエンジニアと弁護士のウォード・パーキンソンの4人によって1978年10月に創業された半導体企業です。

 

 創業時は設計会社で、アイダホ州ボイシ市の歯科医院の地下室がオフィスでした。1980年に初の工場をオープンし、1981年には初めて64KのDRAMを出荷しました。
1984年に株式をNASDAQにIPOしています。

 

 1998年にテキサス・インスツルメンツからDRAMを中心とした半導体メモリ事業を買収しました。それ以来、得意としているのはメモリです。


 DRAM、NAND型、NOR型といった製品に集中しています。よって、パソコンやデータセンター需要に業績が左右されやすい特徴を持ちます。現在は、半導体の設計から製造、販売までを自社で一貫して行うメーカーです。


 韓国のサムスン電子、SKハイニックス、日本のキオクシア(元東芝のメモリ部門)などが競業です。

 

 日本とのかかわりが多い企業です。代表的なところをいくつか挙げましょう。


 2013年にエルピーダメモリを買収しています。これは、現在のマイクロン・テクノロジー【MU】広島工場です。2023年5月には日本政府による支援を前提に広島工場で次世代DRAM生産を目指すと発表しました。

 
 広島工場をはじめとして、日本には3つの拠点があります。

マイクロン・テクノロジー【MU】の株価チャートと配当

 水色のS&P500と比較すると、株価のボラティリティの高さがよくわかります。
パソコン、データセンター向け需要の低迷で、2023年8月期の業績悪化が予想されており、2022年夏からは冴えない展開です。


 2022年8月期はわずかに配当を出していますが、それまでは無配が続いていました。

マイクロン・テクノロジー【MU】の株価チャートと配当

マイクロン・テクノロジー【MU】の株価チャートと配当

出典: US版 Yahoo Finance

マイクロン・テクノロジー【MU】の基礎データ

・本社: アイダホ州ボイシ
・ティッカー: MU
・NASDAQ上場
・決算期: 8月末

マイクロン・テクノロジー【MU】の売上高と利益

マイクロン・テクノロジー【MU】の売上高と利益

マイクロン・テクノロジー【MU】の売上高と利益

 3年周期ぐらいで業績に波があります。単純にこの周期通りなら、次の1~2年の業績があまり芳しくない可能性がありますが、どうでしょうか。半導体市況は需給次第なところがあるので読みにくい業界の1つですね。

マイクロン・テクノロジー【MU】のEPSとBPS

マイクロン・テクノロジー【MU】のEPSとBPS

マイクロン・テクノロジー【MU】のEPSとBPS

 EPSは業績の波を受けますから、売上高や営業利益同様3年サイクルぐらいで上げ下げしています。BPSは一貫して右肩上がりです。EPSが右肩上がりだと好ましいですが、業界の情勢がそれを許しません。

マイクロン・テクノロジー【MU】のキャッシュフロー

マイクロン・テクノロジー【MU】のキャッシュフロー

マイクロン・テクノロジー【MU】のキャッシュフロー

 生産設備を有するマイクロン・テクノロジー【MU】は、ファブレス企業と違い設備投資もしっかり行わなければいけません。その分、フリーCFがコンスタントに高い水準にはならない構造です。

マイクロン・テクノロジー【MU】のまとめと現況

 スマートフォン向け、PC向け、データセンター向けの製品は半導体需要の6割を占めると言われます。


 世界半導体市場統計(WSTS)が2023年6月に発表した23年の市場予測は前年比10%減で、4年ぶりにマイナスが見込まれています。製品別ではマイクロン・テクノロジー【MU】がプレイヤーであるメモリが35%減と落ち込みが大きいです。

 

 メモリは汎用品のため価格がぶれやすく、他社製品との差別化の余地も少ないレッドオーシャンマーケットです。一方、工場の建設費などは高騰しており、メモリ事業の環境が視界不透明です。

 

 2023年の株式市場の一大テーマはエヌビディア【NVDA】に代表されるAIです。マイクロン・テクノロジー【MU】も手をこまねいているわけではありません。

 

 2023年7月にサンプル出荷を開始したHBM3 Gen2メモリは人工知能(AI)向けデータセンター向けです。全世代製品と比較した性能が大きく向上したことで、大規模言語モデル(LLM)の学習時間を短縮させる製品です。


 これはマイクロン・テクノロジー【MU】に関するポジティブな要素です。

 

 一方で、「中国リスク」も抱えています。2023年5月、中国のインターネット規制を所管する国家インターネット情報弁公室はマイクロン・テクノロジー【MU】の製品にサイバーセキュリティー上の深刻な問題があることが判明したとして、同社に対するサイバーセキュリティー審査を不合格にしたと明らかにしました。

 

 中国本土および香港に本社を置く顧客からの売り上げはマイクロンの総売上高の4分の1を占めており、その約半分が影響を受ける可能性があります。言うまでもなくネガティブな要素です。

 

ポジティブもネガティブも想定される今後は、株価が「材料」に反応しやすくなるでしょう。当面はボラティリティが高くなりそうです。上級者向けの銘柄と言って良いですね。

 

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