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投資信託の目論見書とは?読み方を徹底解説【保存版】

投資信託の大事なことは「目論見書」の最後の方に掲載されている

 投資家が投資信託を購入する際には目論見書を必ず受け取らなければいけないことになっています。


 この「目論見書」の読み方のコツのようなものを少しご紹介しようと思います。

大事なことは最後の方に掲載されている

 読み方をご紹介するために、具体的な商品を使った方がわかりやすいと思います。
多くの方になじみがある、三菱UFJ国際投信株式会社が運用しているeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の目論見書を例に用いてみましょう。

投資信託の目論見書とは?読み方を徹底解説

投資信託の目論見書とは?読み方を徹底解説

 目論見書は表紙と背表紙、メモ欄として用意されているページを除くと8ページで構成されています。

 

 勿論1ページから読んでもかまいませんが、まず読みたいのが6ページからの「手続・手数料等」です。投資信託であれば、どの目論見書でもたいてい最後の方に掲載されています。目論見書は字が多くて嫌になりがちです。

投資信託の目論見書は、手続き・手数料を押さえる

投資信託の目論見書は、手続き・手数料を押さえる

 しかし、知っておいていただきたいルールがここに集約されています。そのため、是非最初に読んで理解しておきたいですね。

投資信託の「購入」と「換金」のタイミング

 最初は「購入時」と「換金時」です。「購入時」で重要なのは「購入価額」の欄です。


 「購入申込受付日の翌営業日の基準価額」とは何でしょうか。それは、注文の締め切り時間が午後3時の投資信託を、営業日の午後3時までに買う注文を出した場合、翌営業日の基準価額で取引されるということです。

 

 簡単に言うと、海外に投資する投資信託の注文は翌日の価格で決まるということです。タイムラグがあるのです。

換金時と購入時の購入価額

換金時と購入時の購入価額

出典: emaxis.jp

 実はこの欄に記載されていることは、日本株や日本の債券を投資対象とする投資信託の場合異なります。例としてeMAXIS Slim TOPIXの目論見書を確認しましょう。


 こちらは「購入申込受付日の基準価額」ですので、注文の締め切り時間が午後3時の投資信託を営業日の午後3時までに買う注文を出した場合、当日の基準価額で取引されます。

TOPIX投資信託の基準価額

TOPIX投資信託の基準価額

出典: emaxis.jp

 この辺りは「約定」と「受渡」でも触れましたね。換金時には換金代金の入金がいつになるか、目論見書で確認しておきたいものです。

投資信託における取引の申し込み

 次は「申込について」です。ここで大事なことは「取引できない日がある」ことです。「申込不可日」がそれです。

 

 日本の金融機関が営業していても、米国の証券取引所がクローズしているときは取引できません。オンラインでの注文はできることもありますが、1営業日後ろ倒しで扱われることになります。

 

 ちなみにこの申込不可日は、投資対象国が増えれば増えるほど増えていきます。
 いわゆる全世界株式を対象としたeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)の目論見書の同じ欄は、S&P500のそれとは違うことがわかります。

積み立て時に注意が必要な申込不可日

積み立て時に注意が必要な申込不可日

 これらを意識したほうがいいのは、例えばNISA枠を使い切りたい人が毎月同じ日に積み立てているような場合です。12月の下旬の海外には休日が多いからです。


 NISA枠の消化は受渡で判定されますので、日本の12月最終営業日までにうけわたされるよう、できれば中旬ぐらいまでに取引しておきたいものです。「申込について」には、たいていの投資信託で記載されています。

 

 いわゆる休みの日以外、マーケットは動くと思いがちですが、実はそうではないことですね。例えば、ロシアのウクライナ侵攻により、モスクワ証券取引所が取引を停止した結果、取引できないETFや投資信託が日本でもありました。


 このような可能性は、ゼロではなく、戦争やテロ以外の理由でも発生します。


 目論見書にも掲載されていますが、当該投資信託の資産が大きく変化するような状況下では、取引所や銀行が動いていても、投資家が取引できなくなることがあることを覚えておきたいものです。

「その他」が実はかなり大事である

 次に「その他」を確認しましょう。「その他」ですが、ここには非常に重要なことがいくつも掲載されています。

目論見書はその他が実はかなり大事

目論見書はその他が実はかなり大事

 まず「信託期間」です。これはいつまで投資できるかを示しています。投資信託の場合は出来ればこの目論見書のように「無期限」のものを選びたいです。

 

 しかし、信託期間が無期限であっても、資金を運用してくれなくなることがあります。それが次に掲載されている「繰上償還」です。


 ここに記載されている条件に当てはまると、運用会社が投資家の意思に関係なく運用を辞める決定をして、投資家にお金を返金します。これを「繰上償還」と言います。

 

 日本にはどんな投資家でも取引できる「公募」に分類される投資信託が約6000本あります。これだけあると数は目立ちませんが、実は毎年約6%~7%程度が償還されています。


 どんな投資信託であれ償還される可能性は意識しておきたいところです。

 

 次に「信託金の限度額」は一応知っておきたいところです。eMAXIS Slim S&P500の場合は10兆円を限度としています。以前は2兆円でしたが、上方に修正をしましたね。

 

 投資信託は「信託金の限度額」に近づくと募集をストップするとあらかじめ知らせます。ただし、投資市場が十分に大きく、運用に問題ない場合は、事前に上限を広げます。


 資産の規模があまりにも大きすぎるようになると、運用が難しくなることがありますので、このような規定をあらかじめ設けてあることは決して珍しくありません。

投資信託における費用と税金とは

 7ページの「費用」と8ページの「税金」については、もっとも馴染みがある部分かもしれませんね。

 

 今は海外投資の投資信託は0.1%の信託報酬を切る、切らないというのが目安になっていますね。

投資信託の費用と税金

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 今日は目論見書の読み方、基礎の基礎として手続きと費用を確認する方法をご紹介しました。

 

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