資産運用で初心者が陥りがちな間違いとは
資産運用の要諦は何でしょうか。これはシンプルでズバリ1つです。間違った商品を買わない、ということにつきます。
しかし、少なくない人が余計なものに手を出して資産形成のスピードを鈍化させますね。多くの質問を頂戴する中で、多いものは以下になります。下に行くほど状況は激しく、厳しくなります。
私が相談を受けた中で多いものを列挙してみましょう。
1,保険
保険の買いすぎはよく見られます。日本の場合はFPが保険販売と結びついているため、このルートが非常に強いです。特徴的なのは養老、年金など資産運用と保険の組み合わせ販売です。運用部分の手数料が不明なうえ高く、どうしても資産運用が遅れます。
保険と運用を分けるのが鉄則です。シンプルな原理原則ですが、ここの結論に達しない人が非常に多いです。FPだからプロ、保険販売員だから金融に精通している、このような思い込みを払底できないのです。比較して考える習慣を身につけたいところです。
良い商品ももちろんありますが、例外のない定義なしということです。定義を押さえたほうがシンプルです。
2,不動産
不動産はワンルームマンションが良く知られていますが、相場が良いため問題が顕在化していません。逆に言うと今の時点でキャピタルロスがあるような物件、残債割れしているような物件はよほど問題があります。銀行も融資を本人属性で付けてしまうため、買い手が勘違いしています。
最近では入会金を支払ったうえで築古戸建てや築古区分を現金で買わせ、仲介手数料のみならずエンドレス修繕でサブスク化しているようなケースもあります。業界そのものが不透明でどんぶり勘定なところがあり、初心者が引っ掛かりやすい素地があります。
入会金というイニシャルコストと、エンドレス修繕というラーニングコストで全く儲からない沼にはまっている人も少なくないです。修繕は相見積をせめて取ればよいのですが、取れない、取らないケースが殆どです。
3,マルチなどの投資詐欺
投資慣れしている人には信じられない話かもしれませんが、これもよくあります。ポンジスキームのように会員を誘って親になれば自分も儲かる、エクシアのように実体のない配当分配、著名な人にお金を預ければ月利何%、などです。
自分で分からないものは複数の人に相談すればよいのですが、相談をするのも能力です。自分で悩み、自分で答えを出して間違えるというケースがたくさんあります。
公的機関に相談しても、民事不介入の原則が生きており相手にしてもらえないことが多いです。
いずれにしても、自らの資産運用を省みて、修正すればよいのです。しかし、過去の自分を否定することになるので正当化するケースも少なくありません。「これはこういういい面があった」「その時はこれが必要だった」などというパターンです。
いずれにしても、生きていく中で全て正しい選択ができる人はいません。間違うことがいけないのではなく、間違えて修正できないことがいけないのですね。かなり話がズレましたが、ご質問を紹介します。
FPに資産運用の相談をしたが、間違っている気がします。
はじめまして。
投資初心者の私にとって勉強になることが多くブログ読ませていただいております。
この度はご意見頂戴したくご相談させていただきました。
夫婦で資産が2000万あり、子供の教育資金、住宅ローン返済、老後資金に向けて資産形成を加速していきたくFPに相談したところ、下記アドバイスを受けました。
◎貯蓄運用
預金 500万
保険会社の米国債(一時払終身) 500万
保険会社の豪国債 500万
◎月投資
○NISA
s&p500/オルカン 5万
新興国インデックス/インド株アクティブ 3万
︎変動保険
先進国アクティブ 4万
︎個人年金
米国債 3万
現在は月5万s&p500/オルカンに投資しているのみで分散投資していかないととは思ってはいたものの、ここまで分散していいか知識が足りず迷っています。
①貯蓄運用については、FPは保険マージンがある旨理解しているのでSBI証券の10年保有米国債の購入を検討していますが、円安の今買うのはタイミングとして良いのでしょうか?
また、ゼロクーポン債or利付債どちらかおすすめありますか?2000万の保有割合についてご相談させて頂きたいです。豪国債については保険商品以外の情報が拾えず悩んでいます。
②月々の投資先について、s&p500/オルカンにだけでは少々偏りすぎな気がしますが、保険商品等に分散するよりもs&p500/オルカンに集中的に金額を増やした方がリスクは低いでしょうか?
◎夫婦属性
夫 40歳 妻32歳 子0歳(第二子検討中)
2年前中古マンションを4500万フルローンで購入
答え辛いざっくりとしたご相談で申し訳ありません。どうぞよろしくお願いします。
資産運用はまずNISAで埋めるのが王道、国債や保険で分散の必要はゼロ
月々の投資額が15万ですね。ご夫婦だと7.5万ずつでしょうか。NISAの積み立て枠をS&P500やオルカンで埋めるのが先です。
資産が2千万おありならば、これもNISA成長枠を活用したほうがいいです。
保険は掛け捨ての都道府県共済などと比較してみるといいでしょう。月々の掛け金の違いに驚くはずです。投資や貯蓄部分が無いから当然ですね。しかし、投資は投資、貯蓄は貯蓄、保険は保険と分けるのが王道です。保険による運用は経費率でインデックスに勝てません。
私の知人でも保険に大量に加入し、資産形成が大きく遅れた方がいます。金融庁が整備したNISAをまず埋める、それに勝る資産運用はありません。
多岐にわたるポートフォリオが優れるわけではありませんから、一旦冷静になりよりシンプルにできないか検討されるといいですよ。
債券は保険やIFAと相性が良く、売りやすいのです。手数料を乗せやすいからです。資産フェーズとして債券はまだ検討されなくてよいでしょう。
やや尖った発言をします。リスクが高いためお勧めするわけではありませんので、参考までに。
以前は1000万を目安に分散投資の必要なしと説いてきました。しかし、昨今のインフレを見るに1億程度までは株のみで良いのではないかと思います。リスク許容度が高いならば暗号資産の分散もありでしょう。
とにかく、保険や国債で迷わないことですよ。
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