不動産投資はローンが大事!?
不動産投資というと、まず物件選びから入ります。例えば、利回りが良いか、立地はどうか、と物件のスペックに目が行きがちです。しかし、実はそれと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な視点があるのですね。それがローンの存在です。
良い物件とは、将来売りやすい物件でもある
物件購入における最低限の条件とは、次に買う人のローンが付く物件とも言えます。今現在の自分が買いやすいだけでなく、将来売却する際にも次の買い手がローンを組みやすいと物件、ということです。
つまり、売りやすい物件でもあるというわけですね。出口戦略を考えるうえで非常に重要なポイントになります。これだけでも、築古が不利なのが分かると思います。
現金でしか買えない物件はIRRがどうしても落ちますから、昨今の市況でしたら「株のほうが良い」という判断になってもおかしくありません。実際、現金で買って、リターンで株を上回る物件は多くありません。
それを乗り越えるのが、どうしてもそこに住みたいという実需や、相続税対策で資産を圧縮したい、あるいは償却を取りたい、という投資+αの理由がある場合ですね。
インフレ時代にローンを組むメリット
ローンを使うと、少ない自己資金で大きな資産を購入できるレバレッジ効果聞きます。これは、売却まで含めたIRRやインカムで判断するCCRで説明されます。
ただし、売却を考慮したIRRはその時の市況もありますから、厳密に計算するのは微妙なところもあります。CCRは直近の目安になりますから、手元の家賃査定などでシンプルに計算できますね。
もう一つ、前提として現在の日本がインフレ傾向にあることも無視できません。
今は物価が上昇し、それに伴ってお金の価値は相対的に下がっていく状況です。貯金をしておくだけでは、資産の価値が実質的に目減りしていく可能性があるわけです。
しかし、ローン、つまり借金も同じようにお金の価値同様にその価値が下がっていきます。つまり、長く借りるほど、インフレによってローンの負担が圧縮されていく効果が期待できるのですね。
とはいえ現在は、金利が上昇局面にありますね。その点の注意は必要になります。
インフレに負けない物件、言い換えるとインフレ以上に物件価格の上昇が期待できる物件を、ローンを使って購入する。これが基本となります。
「ローンの付く物件」を見極める視点
では、ローンの付くまともな物件はどのように見極めたらよいのでしょうか。これには、不動産を土地や街、建物、そして管理という4つの要素に分けて考えると分かりやすいでしょう。
まず土地と街で大切なのは、やはり人気のあるエリアかどうかという点です。例えば都心23区の中心地でターミナル駅から近いといった物件は、担保評価が高いです。ただし、売買価格が高すぎて担保価値が届かないケースも当然あります。このバランスが今は以前より難しくなっています。
加えて、近年では土地の境界がはっきりしていることも重要視されますね。古い物件などでは隣の土地との境目が曖昧なことがあり、将来的なトラブルのリスクから融資に慎重になる金融機関もあります。
次に建物に目を向けると、築年数が重要なポイントになります。金融機関はローンの年数を考える際に、建物の法定耐用年数から築年数を引いた年数を一つの目安とします。
例えば鉄筋コンクリート造のマンションであれば、銀行によっては法定耐用年数に少し上乗せして見てくれることもありますが、基本的にはこの考え方を把握しておくと、物件選びの際に役立つでしょう。ただし、これも金融機関によっては木造でも耐用年数以上の30年見てくれたり、劣化等級があればさらに、というケースもあります。

そして、土地や建物といったハード面だけでなく、管理というソフト面も大切です。例えばマンションの場合、修繕積立金が計画的に積み立てられているかといった管理状況は、将来的な出費や資産価値に直結します。基本ですが、金融機関も見るポイントと言えます。
物件だけでなく「ローンの付く人」の特徴も重要
ここまで物件についてさらっと触れました。一方で、最終的にローンは個人の信用で組む部分も大きいですね。
金融機関の審査では、物件のリスクだけでなく、借りる方の支払い能力や信用も厳しく見られます。主に注目されるのは「職業」「勤め先」「信用情報」でしょう。
やはり弁護士や会計士、司法書士といった士業、高度な国家独占業務資格の方や、業績の良い上場企業の会社員や公務員など収入が安定していると見なされる職業はローンを組みやすいです。
プロパーローンと違い、アパマンローンなどは物件よりも個人属性のほうが影響が大きいです。ただし、昨今の物件上昇でサラリーマンへの融資難易度は一段階上がった感があります。物件が高く、金利も高い、このような状況だからですね。
また、過去にクレジットカードの支払いを滞納したことがあるといった信用情報の傷は、審査に強くネガティブな影響を与えますので注意が必要ですね。何千万、何億という融資を引くのに、月々の数万数十万で傷があると貸す側は疑義が生じるのは無理からぬところです。よく知られるCICなどで自分の個人信用はある程度確認できます。
まずはどのくらいのローンが組めるのか知りたいという方は、一度客観的な評価を受けてみても良いでしょう。良く紹介しているINVASE Pro(PR)を使うとアプリで簡単に不動産投資ローンの借入可能額を判定してくれます。
目安を持っておくと、物件を探す時に役立ちます。
不動産投資で成功するために押さえておきたいこと
今回は、不動産投資におけるローンと物件の基礎基本についてお話ししてきました。
不動産賃貸業はローンを前提とするケースが多いですが、ローンが付きやすい物件は、多くの人が買いやすい、つまり流動性が高い物件であり、資産としての価値も安定しやすいということですね。
ただし、特定の不動産会社が特定の銀行と組んで特別に融資するような普遍性のない物件はいくらローンがついてもダメです。これは、過去にも多々ありましたね。
物件を選ぶ際には、利回りといった表面的な数字だけでなく、土地の境界や建物の耐用年数、管理状態といった、金融機関が評価するであろうポイントを意識することが大切です。
そして、物件と同じくらい、ご自身の信用情報も重要になってきます。不動産投資は、物件と個人の両方の信用力で成り立っているというわけですね。まずはご自身の客観的な資金力を把握することから始めてみるのが、成功への第一歩と言えるでしょう。
関連記事です。