仮想通貨でFIREをするメリットデメリット
仮想通貨で大きく資産を伸ばした人が少なくありません。とはいえ、保有している人は総人口でいうと500万人程度、人口比で5%に満たない数ということですね。初期から持っていた人はまさに現代の金鉱脈を掘り当てたということになるでしょう。
私の義弟も初期から持っており、一時期海外移住をしていました。
さて、今回は海外駐在中に仮想通貨保有額が2億円を超えたという方からのご質問です。
仮想通貨は海外では税金がかからない
たばぞう様
常日ごろ拝読させていただいております。読むだけでもとても勉強になっているのですが本日はFIREの先輩にご相談があり筆を執らせていただきました。
現在、海外駐在しており、2、3年以内に帰国する予定です。仕事の都合で個別株への投資に制限があり、これまで目立った投資を行ってきませんでした。しかし、職場環境に対して精神的に疲れつつあることや、まとまった時間でやりたいことがあるため、キャッシュを生む資産に換えて先輩方に比べると若造の分際ではありますがFIREを考えています。
円の将来に悲観的であるため、Bitcoinだけはコツコツ積み立ててきましたが、上記の理由により投資経験に乏しいため、助言をいただけると嬉しいです。
私のプロフィールは以下の通りです:
年齢:未婚30代前半(結婚予定ありですが、相手は継続して勤務予定、子供は予定していません)
資産(合計2億2400万円程):
現金 - 日本円500万円、外貨300万円
IDECO - 600万円(米国株インデックス70%・日本株インデックス30%)
Bitcoin - 21,000万円
負債:
住宅ローン - 60歳まで毎月13万円
支出:
日本在住時 - 700万円
海外在住時 - 1000万円
FIRE後の生活スタイル:
- 現在の生活基準を維持したい
- 早々に元本が毀損するストレスに耐えられそうにないので、可能な限り元本を維持したい
- 必要に応じてアルバイト等で収入を得る
想定しているシミュレーションは以下の通りです:
- 帰国が決定した時点でBitcoinを全て売却(居住国は売却益に対して非課税)
- 3000万円程度をBitcoinに再投資
- 1億8000万円を6%で運用し、税引き後800万円強の配当が得られるように配分
- 与信を利用して住居を買い替え
- 配当と支出のバランスを見て、帰国後1年を目処に退職
上記のシミュレーションでFIREを目指していますが、以下の点に懸念があります:
- 運用はバンガード米国高配当等の高配当ETFをコアに、キャピタルゲインも狙ってeMAXIS Slim全世界や米国等にも資金を分散すべきと考えているがそれでも6%の成績は楽観視しすぎではないか
- インデックスに資金投入する場合、毎年一部売却することになるが、パフォーマンスの悪い年は売却ではなく現金やビットコインの売却で凌ぎたい、保険として現金を保持する期間は1年分では短すぎないか
- 逃げ切り計算機で6%運用、2%のインフレ率で計算したところ91歳までは資金が持つとなったが、運用がうまくいかなかった場合やインフレ率が予想を上回った場合を考慮すると、2億円強でのFIREは現実的ではないのではないか
長文になりましたが、基本的にはあとどれくらい資産を築けば安心してFIREできるのか、ならびに資産配分について懸念しております。FIREの先輩としてアドバイスをいただけますと幸いです。
仮想通貨と各国の税制の理解は必須と言って良い
綿密に計算されていますね。6%の利回りでの運用は現実的です。たとえばS&P500は平均で6.7%、この60年では10%で回っています。この10年だと14%です。この流れは変わらないでしょう。もっとも、インフレもあるからですね。
参考までにこの10年でのBTCは年率150%、破格です。
とはいえ、インカム重視のPFだけで6%を得るのは難しいです。VYMなど高配当系はインカムのみだとせいぜい3-4%程度、債券でもハイリスクなものになります。オーソドックスな米株インデックスにして、取り崩せば十分視野に入る、という話です。
ちなみに退職すると、BTCの総合課税は逆に有利に働きます。税率が低くなるからです。非課税国で売却後、分散でBTCを買い直し、取り崩して生活するのも手でしょう。
とはいえ最大の欠点は、言わずもがなですがボラタイルなことですね。その比率には気を付けたいところです。
FIREをする場合はどうしてもインカムが気になります。それは私もそうでした。しかし、実際には成長性あるインデックスなどを取り崩して生活するほうが効率的です。
課税タイミングを自分でコントロールでき、なおかつアセットのリターンにも優れるからです。BTCの値動きに慣れているならば、米株インデックスなどは止まって見えるのではないでしょうか。
現在の評価額である2.24億円はふつうのサラリーマンの生涯所得を超えます。つまり、ふつうに生活するならば問題ないレベルです。
その資産額であれば、私ならばFIREします。私は40前半でFIREしましたが、もっと早くて良かったと思いました。時間と若さは有限です。働くことはいつでもできます。今の仕事に疑問があるなら、おそらく今の人生にも疑問があるはずです。人生に占める仕事の割合が大きいのが一般的だからです。
資産運用で成功されたわけですから、疑問の無い人生を選ばれると良いですよ。着々と準備されることですね。
共に頑張りましょう。
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