【SARK】は【ARKK】の逆張りETF、ARKKと逆の値動きを示す
米国ARK Investment Management LLC(以下:ARK社)が運用するARK Innovation ETFという米国ETF、ティッカー【ARKK】を以前当ブログでご紹介しました。
ARK社の投資テーマは「破壊的イノベーション」です。
その定義は、「劇的に生産性の向上をもたらす」、「大きくコストを減らせる」、「他のイノベーションを生み出せる下地であること」です。いわゆるアクティブETFを組成運用しています。
【ARKK】は特にセクターを問わず、イノベーションを起こせそうと判断できれば投資対象にしています。そのため、ARKKの投資対象はどこの国の企業かは問いません。米国企業と銘打っているS&P500などとは異なる設計思想ですね。
2020年の高パフォーマンスはテスラ【TSLA】、テラドック【TDOC】などの、いわゆるハイテクグロース株によってもたらされました。グロース株の落ち着きに伴い、リターンも落ちています。
とはいえ、一世を風靡した感があり、そのボラタイルな値動きは中小型株を得意とするアクティブファンドの特徴的なものとなっています。同様に、日本の中小型株アクティブファンドも値動きは大変激しかったですね。
一様に、今は落ち着いています。米国に限らず、グロースからバリューへの調整というのは世界的に確認されますね。話題になると資金が集中し、さらに上昇します。しかし、その上昇を維持するのはなかなか難しいですね。
特にアクティブの場合は規模が大きくなるとインデックスと大差なくなる傾向にあります。そうなるとどうしても信託報酬面で劣後するため、運用判断がより難しくなりますね。
とはいえ、インデックスとはまた違ったニーズを埋められるのは事実で、多様性という意味においては頑張ってほしいところです。さて、いささか話がずれましたが、ARKKとSARKのチャートを見てみましょう。
Short ARKK ETFという名称だったSARK
【ARKK】は2020年夏以降、驚異的な高パフォーマンスを示しましたが、足元はその勢いが風前の灯火状態です。
一時期飛ぶ鳥を落とす勢いだった【ARKK】の逆張りを謳うETFがあります。それが今回ご紹介するTuttle Capital Short Innovation ETF、ティッカー【SARK】です。
2021年11月9日に設定され、マーケットはNASDAQです。米国のTuttle Capital Managementが運用しています。2012年に創立されたテーマ型のアクティブETFを得意とする運用会社です。
このETFは運用開始前から話題になりました。当初の名称が”Short ARKK ETF”、つまり「ARKKをショートするETF」というそのものずばりだったからです。運用開始前に現在の名称に変更されたという経緯があります。
【ARKK】に対する逆張りの機会をETFという現物で用意するのは何とも米国らしいとでも申しましょうか。経費率も【ARKK】と同じ0.75%にしているのがまた面白いところです。
【SARK】はスワップを活用したシンプルな運用できれいに逆張り
逆張りポジションは、日次の収益を金融機関と交換するスワップ契約で実現しています。よって、ポジションは現金とスワップ契約のみです。
つまり、【ARKK】が+1%の日は【SARK】はスワップ契約の相手に1%を払います。よって【SARK】は-1%になります。
【ARKK】が-1%の日は【SARK】はスワップ契約の相手から1%を受け取ります。よって【SARK】は+1%になります。
日々、そのパフォーマンスの交換をしているだけです。 結果、【SARK】設定来のパフォーマンスを【ARKK】と比較するときれいに逆張りになっています。赤が【SARK】、水色が【ARKK】です。
設定されてから日が浅いためまだ分配実績はありませんが、【SARK】のコンセプトを考慮すると分配を期待すべきETFでもないでしょう。
SARK日本では取引できない
非常に面白いコンセプトのETFですが、残念ながら2022年2月時点で【SARK】を大手オンライン証券で取引することはできません。
しかしながら【SARK】を取引できないのは幸いかもしれません。いつなのかはわかりませんが、いわゆるハイテクグロースに資金が戻る日がくるでしょう。
その暁には【SARK】が現在の【ARKK】のような状態になるわけです。裏の裏は表とでも言いましょうか。
取引できなくて残念だなぁと思いつつ、値動きを眺めるぐらいでちょうどいいのではないでしょうか。ARKKの逆張りを企図するならば、CFDで売る、というのが現実的かもしれませんね。
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