ローコストNASDAQ100連動ETF【2840】を解剖
NASDAQ100は2010年代後半以降に日本で最も知名度が上がった米国株インデックスではないでしょうか。
かつてはNASDAQの株式指数と言えばNASDAQ総合指数でした。今でも日本のニュースで米国株の市況を伝える際にはNASDAQ総合指数が使われることが多いです。
しかし、商品はNASDAQ100が多く、実際買われる商品としてはNASDAQ100の方が普及しました。
NASDAQとNASDAQ100とは
NASDAQは世界最大の新興企業向け市場です。とはいえ、かつての新興企業も年月と共に成熟し、結果として米国株の著名な企業の多くがNASDAQに上場しています。
例えば、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ、アマゾンはすべてNASDAQに上場しています。ハイテクでなくとも例えばスターバックスやペプシもNASDAQに上場しています。
NASDAQ100はNASDAQに上場している金融セクターを除く銘柄の時価総額上位100社の株式で構成されます。非常にシンプルなルールです。NASDAQの代表企業を集めた株式指数と理解すればいいでしょう。
NASDAQとNASDAQ100のチャート
こちらは2015年以降のNASDAQ100とS&P500(ピンク)を比較したチャートです。
そのパフォーマンスは10年余りで2倍程度の差があります。このパフォーマンスの良さがNASDAQ100の魅力の一つでしょう。一方、100銘柄で構成されるので、分散効果はオルカンやS&P500ほどではありません。そのため、値動きは大きく、2022年は象徴的な下落となりました。
やや余談ですが、NASDAQ100が知名度を上げたのは2020年以降の急上昇時に人気が出たレバレッジがかかったNASDAQ100連動商品、いわゆる「レバナス」が寄与している部分もあります。
インデックスの上昇時には「レバナス」によって大きな上昇を得て資産が増えた方が多かったです。一方、2022年の下落時には下落にもレバレッジがかかる故、含み損を抱えて悩んだ方が少なくなかったでしょう。
とはいえ、成長市場の上位100銘柄を集めたインデックスですから、再び上昇し始めた2023年からは勢いをつけて上昇し、史上最高値を更新しました。「待てば海路の日よりあり」とはよく言ったものです。
【2840】はNASDAQ100連動東証ETFとして最適解の1つ
数年前までであれば、NASDAQ100に投資したいと考えた時に現実的な手段は米国ETFでしたが、近年円建て商品が次々設定されています。
ご紹介するのは2022年2月に上場した東証ETF、iFree ETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)、銘柄コード【2840】です。大和アセットマネジメントが運用しています。
大和アセットのNASDAQ100と言えば「レバナス」を思い起こす方もいらっしゃるかもしれませんが、レバレッジがかかっていない投信も運用しています。また、東証ETFもあるということでバラエティに富みます。
NASDAQ100連動東証ETFはほかにもありますが、【2840】は特にローコストです。2024年12月に約款変更を実施し、信託報酬率が年率税込み0.11%になりました。
出典:大和アセットマネジメント website
信託報酬率の引き下げと同時に受益権分割も実施し、それ以前は30,000円程度単位の取引であったものが2,000円以下になり、少額で試しやすくなりました。NISAは成長投資枠で取引可能です。
東証ETFの良さは「機動力」と貸株
NASDAQ100連動商品に限らず外国資産が入った投資信託を取引する場合、約定は注文の翌営業日になります。投資信託はブラインド方式と呼ばれ、注文するときに約定価額がわかりません。
一方東証ETFは指値注文が可能ですし、成行であっても板を見ればおおよそのプライスを把握して取引が可能です。この特徴を活かす投資としては、大きく調整した局面での打診買いやうねりを取れた後の利益確定になるでしょう。
1万円きっかり、みたいな取引は難しいですが、市場が開いている時間帯なら約定するという特徴をうまく使う戦略です。
売買高が前述した受益権分割によって大きく向上しました。加えてマーケットメイカーが存在する銘柄です。流動性もまずまずです。
頻繁な取引をせずとも、貸株で0.1%ほど取れますから、殆ど信託報酬率などの経費率と相殺できるの東証上場ETFのメリットですね。
東証上場ETFですので、日本株のように買えます。当然ながら、SBI証券、 楽天証券、 マネックス証券、 松井証券、auカブコム証券、ネット証券トップ5社も取り扱っています。
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