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VHTは暴落や調整に強い、サテライトとして静かな人気

暴落や調整に強いと言われる、サテライト投資で静かな人気のVHT

 真夏になって気温だけでなくマーケットも暴れています。S&P500は史上最高値を付けた後、約半月で1割程度下落、その後殆ど戻しています。


 とはいえ、これを調整とみるか、下落局面の始まりと解釈するべきなのか、決めつけるのは尚早と言えそうです。

VHTのチャート

VHTのチャート

 これはVHTのドル建ての推移です。同じ期間にドル円レートも円高方向に動きました。日本で海外資産に投資なさっている方は、短期間にそれなりの資産の減少に直面したことでしょう。

 

 とはいえ、昨年10月末に直近の底をつけてから直近の高値まではドル建てで約30%上昇しています。


 日本では2024年1月1日から現行のNISA制度がスタートしました。そのスタートとともに投資を始めた方がたくさんいらっしゃることでしょう。そのような方はS&P500に投資していれば順調に資産が増えていたはずです。2024年7月以降の下落は、なかなかに厳しく感じたかもしれません。

 

 調整や暴落は投資をしている人であれば誰もが必ず通る道です。長く続ければ、何度も必ず通る道です。通過点にすぎません。


 2024年の年初から定期的に積み立てている方であれば、今まで通りのことを続けるのがよいでしょう。

 

 とはいえ、マーケット全体が大きく下落した局面で相対的に強く推移するものを保険で持っておきたいと実感された方もいらっしゃるでしょう。


 そのような方に向いていると思われるのが、Vanguarad Health Care Index Fund ETF Shares、ティッカー【VHT】です。

VHTはヘルスケア業界銘柄を集めたETF

 【VHT】はその名の通り、400以上のヘルスケアセクター銘柄を集めたETFです。このセクターの特徴は、その事業に対する需要が景気変動に左右されないことです。米国とて、高齢化は無関係ではありません。


 高齢化と医療費の関係は高い相関があるとされ、今後も医薬品等の利用は増え続けると予測されます。【VHT】は2004年1月から運用されています。


 リーマンショックは2008年夏に始まり、マーケットは長期間にわたり低迷しました。【VHT】はこのリーマンショック時でも最大の下落がマイナス23%でした。構成銘柄は景気変動を受けにくいヘルスケア企業です。そのため、ディフェンシブなETFとして知られています。経費率も年0.10%と低い水準です。

VHTの構成銘柄を確認

 VHTの構成銘柄を確認しましょう。

VHTの構成銘柄

出典: Vanguard Website

 ウエイト1位のイーライ・リリー、ティッカー【LLY】は2023年春から株価が急上昇している銘柄です。肥満症治療薬の需要拡大を背景にした好調な業績が株価をサポートしています。

 

 2位のユナイテッドヘルス・グループ、ティッカー【UNH】は米国医療保険最大手企業です。米国には日本のようなすべての国民が加入する公的な医療保険制度がありません。そのため、医療保障を民間の保険会社が担っています。

 

 米国の医療費は日本の約6倍の規模です。人口は日本の約2.6倍であることを加味しても、米国のヘルスケア市場の規模の大きさが理解できます。この巨大な市場での主要なプレイヤーがユナイテッドヘルス・グループです。

 

 3位のアッヴィ、ティッカー【ABBV】は医薬品大手のアボット・ラボラトリーズ、ティッカー【ABT】から、研究開発型の製薬事業がスピンアウトされた企業です。

 

 4位のジョンソン・エンド・ジョンソン、ティッカー【JNJ】は連続増配銘柄として知られ、日本の米国株投資家に人気がありました。最近は以前ほどではないですね。

 

 構成銘柄数が多い、セクターETFですが上位5銘柄でウエイトの3割以上を占めます。

VHTのチャートとパフォーマンスを確認する

 では、【VHT】がマーケット全体の下落時に耐性があるのかを確認します。S&P500と3か月で比較してみました。水色が【VHT】、緑がS&P500です。

 

VHTとS&P500の比較チャート

VHTとS&P500の比較チャート

出典: US版 Yahoo Finance

 2024年7月中旬まではS&P500 が圧倒的に優位に推移していました。このような状況下では【VHT】は霞みます。


 しかしながら、7月の中旬から【VHT】が盛り返し、7月の下旬以降はS&P500よりも優位に推移しています。8月に入ってからのS&P500の下落と比較すると、【VHT】はマイルドな下げにとどまっているといっていいでしょう。

 

 マーケット全体が軟調な時は、底堅い銘柄に資金が入る傾向があり、【VHT】はその資金流入先の一つとなることが多いです。守りを重視したいポートフォリオを目指すのであれば、サテライトでの保有に向いているETFです。

 

【VHT】は、SBI証券松井証券楽天証券マネックス証券auカブコム証券、ネット証券トップ5社が取り扱っています。日本で取引しやすいETFです。

 

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