iシェアーズ【314A】 ゴールドETFを徹底解説
「金」といえば、金貨、金の延べ棒、ネックレスなどの装飾品が思い浮かびますが、実は、「金」は投資対象にもなりえます。金は現物があるので、世界共通の資産としての価値があります。
そのため戦争や紛争、急激な景気後退など、世界が混乱するとリアルに保有できる金の人気が高まります。これを称して「有事の金」といわれます。金自体は利子などを産みません。
ですから、銀行預金の金利などが高い時は投資家にとっての魅力が減ります。一方、他の金融資産は軒並み値下がりする有事には、逆相関性がある金の人気は高くなり、プライスが上昇する傾向があります。
このような特徴から金への投資は、キャピタルゲインの追求よりも資産が目減りするリスクを抑える役目に魅力があると言われてきました。
しかし、こちらのチャートをご覧いただくと印象が変わるかもしれません。こちらのチャートは、ドル建てのNY金の約49年の推移です。
後半の約20年、上げ下げしつつも値上がりしていることがわかります。近年では立て続けに史上最高値を更新しています。
この値動きを見ると、資産を守る役割だけではなく、増やす役割としても貢献しそうです。金へ投資する代表的な手法には、「現物購入」「純金積立」「投資信託やETF」があります。
現物には金の延べ棒などの金地金や金貨があります。手元に置いて眺める楽しみがありますが、管理や保管の手間がかかり盗難のリスクもあります。
純金積立は、毎月一定額の金を購入し続けるものです。毎月1,000円からなど比較的手頃な金額ではじめられるのが魅力です。一定の量に達すると金貨などの現物にすることもできます。
現物を保有せずに金価格上昇の恩恵を受けられるのが、投資信託やETFです。ロンドンの金価格に連動するもの、金鉱企業の株式に投資するものなどがあります。他の投資信託と一緒に特定口座などで管理ができます。
ご紹介するiシェアーズ【314A】 ゴールドETFは低コストです。本ETFの登場により、GLDMなど米ドルで金を購入する意味は薄れたと言ってよいでしょう。
投資信託では下記のようにさらにコストが低い商品もありますが、証券会社によっては取り扱いが無い場合もあります。誰もが購入できる東証上場ETFでの低コストETFはそういう意味でも価値があります。
金の投資信託 信託報酬は%
- SBIゴールドファンド(為替ヘッジなし):0.154%
- SBI・iシェアーズ・ゴールド:0.242%
- Smart-i ゴールドファンド:0.275%
- 日興AM ゴールドファンド:0.407 %
- iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド:0.5085%
金の投資信託だとSBIゴールドファンド(為替ヘッジなし)が目を引きますね。
iシェアーズ【314A】 ゴールドETFとは
東証には金関連ETFが4本上場されています。
出典: JPX website
blogで取り上げるのはiシェアーズ ゴールド ETF、銘柄コード【314A】です。ブラックロックが運用しています。2025年1月16日に設定されました。
表のとおり、既存の3本と比較して信託報酬率が低いことが特徴です。なお、図中の信託報酬率には税が入っていません。税込みでは年率0.22%になります。米ドル最安水準のGLDMが0.15%であることを考慮すると、円建ての最適解の1つと言っても良いでしょう。
東証ETFはたいていの証券会社で取引が可能ですから、ローコストで金価格上昇の恩恵を受けたい方にアクセスしやすい商品です。
取引単位は10口単位です。1口210円程度ですので、2,100円程度から取引できます。決算は年2回ですが、利子などを産むアセットではありません。分配金は出ないと想定した方がいいでしょう。
iシェアーズで低コスト東証ETFバランスポートフォリオを組成可能
ブラックロックのiシェアーズシリーズは、国内株、国内債券、外国株、外国債券のそれぞれのアセットについて東証ETFがあり、非常に低コストです。【314A】を加えて5資産のバランスポートフォリオを持つなんてことも可能です。
信託報酬率はどれも0.1%を切っています。もちろん、【1655】と【314A】だけのシンプルな組み合わせもありですね。ローコストで様々な資産に投資できるいい時代が来ました。
すでに十分な流動性もある
【314A】はマーケットに流動性を提供する役割であるマーケットメイカーが存在している銘柄です。
上場間もない【314A】ですが、1日当たりの売買高が安定的に6~7桁あります。東証ETFとしては十分な水準と言っていいでしょう。純資産残高が15億円程度とまだ小さいですが、上場から日が浅いので致し方ないところです。
ちなみにNISAは成長投資枠で取引可能です。
東証上場ETFですので、日本株のように買えます。当然ながら、SBI証券、 楽天証券、 マネックス証券、 松井証券、 auカブコム証券、ネット証券トップ5社が取り扱っています。
関連記事です。