たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

S&P500の150年チャートとPER推移

S&P500の150年チャート

 1871年から2020年までのS&P500の150年チャートをご紹介します。正確には149年ですが、およそということですね。1941年から1943年における平均指数を10として算出されているのがこのS&P500です。

S&P500の150年チャート

S&P500の150年チャート


以下、http://www.multpl.com/から引用

 1871年に4ptちょっとだったS&P500ですが、2020年には3300ptを突破し、過去最高を更新しています。アナリスト予想では2020年の上値予想は3400pt前後が多かったですが、早くも更新しそうな勢いです。

S&P500の150年PER推移

 S&P500のPER推移も見てみましょう。実績ベースです。

S&P500のPEレシオ推移

S&P500のPEレシオ推移

 ITバブルの2000年前後、それからリーマンショック後の2009年前後に40倍を超える数字が記録されています。

 

 過去平均はPER17倍程度と言われますが、2000年以降は17倍程度に落ち着くことは少なくなっています。実際に今も実績だと25倍ということになっています。

 

 世界的な金融緩和が目線を変えています。

 

 もしかすると、数十年後には20倍から25倍程度が妥当という評価を下されているかもしれませんね。PERは株価を決める重要な要素ではありますが、決定的な材料にはなりえません。とはいえ、過去の例を見ても分かるように高すぎる水準の後にはリセッションが起きています。

S&P500の150年EPS推移

 S&P500のEPS推移です。EPSとは一株あたりの利益のことを言います。2018年時点では111.90ドルでしたが、わずか2年で20ドル以上伸びています

 

 米国株式は自社株買いが盛んです。10年で1割程度の自社株買いをしているところが多く、中にはそれ以上、というところも珍しくありません。利益を出しつつ株主に還元するという好循環が生まれています。

S&P500の150年EPS推移

S&P500の150年EPS推移

 見ての通りEPSは右肩上がりになっています。米国は基本的にはインフレの国です。2000年代以降は年率2%ほどインフレが進んでいます。そのため、EPSが右肩上がりになるのは評価されていいところですが、インフレ以上にEPS成長が無いと実質的にはEPSはマイナス成長ということになります。

 

 リーマンショックがいかに大きなリセッションだったのかが分かる推移になっていますね。

S&P500の良いところ

 S&P500はインデックス投資の王道の1つと言ってよく、実際に非常に人気があります。

 S&P500連動ETF

ETF運用会社大手3社も連動ETFを出しています。

  • SPY
  • IVV
  • VOO 

 スパイダーのSPYは世界一の運用額を誇ります。

 ブラックロックのIVVは数あるブラックロック商品の中で1位の運用規模です。

 バンガードはVTIが最も運用額が多いですが、S&P500連動ETFであるVOOは、同社で2番目に多い運用額です。

S&P500連動投資信託

 S&P500連動の投資信託も出ています。著名な3本をご紹介します。( )内は信託報酬です。円によるS&P500へのシンプルな投資であれば投資信託のほうが良いでしょう。

  • eMaxis Slim米国株式(0.0968%)
  • SBIバンガードS&P500(0.0938%)
  • ifree S&P500インデックス(0.2475%)

 この3本が王道ですね。三菱系のeMaxis Slimシリーズは他の投資信託でも安く設定されており、安心できるクオリティになっています。三菱UFJ国際投信さんはmattocoという口座サービスを立ち上げていますね。 これは、直販することで販管費をさげることを狙ったものです。

 

 流動性でも運用総額でも非常に広い支持を得ています。

ずいぶんメジャーになった米国株投資

 このブログを始めた当初に、「S&P500って何?そんなにいいなら自分で買えばいいじゃん!?」という趣旨の書き込みを頂きました。発言の趣旨としては、おそらく他の情報商材や怪しい投信と同列に扱われたのだと思います。

 

 私ははてなブログを使っていますので、普通の投資に親しみの無いブロガーさんや、はてなブックマークに誘われてきた方も弊ブログを見に来られます。そういう意味では、日本における世間一般のS&P500に対する見方というのはそういうものなんだなぁと思ったのを覚えています。

 

 株式投資に限らず、投資に対する世間の認識というのは、まだまだそういうものでしょう。それは、どうしようもない商品を買わされたり、はめ込まれたりといった、よくない金融商品が氾濫してきたからとも言えます。

 

 それからおよそ4年過ぎたわけですが、TOPIXや日経平均だけでなく、NYダウやさらに分散性に優れたS&P500やVTIをご紹介し続けてきました。その間、相場環境が良かったこともあり、それなりの実績が付いてきたのは良かったと思っています。

 

 S&P500を取り巻く環境も変化をしており、今までのような順風満帆が続くとは限りませんが、「良いものに 続けて長く 投資する」ことで資産形成ができるということを示していきたいと思います。

 

 とにかく退場しないこと。S&P500の長期チャートは私たちにそんな投資の要諦を伝えてくれているように思います。

 

 日本の金融市場も、個人投資家が報われるような市場になり、優れた金融商品が増えて欲しいと願っています。

 

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