サービスナウ【NOW】の銘柄分析
サービスナウ【NOW】のシンプル銘柄分析です
企業向けサービスマネジメントクラウドをグローバルで提供している SaaS (ソフトウェア・アズ・ア・サービス) 、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)プロバイダです。
インシデント管理、問題・変更管理、リリース管理、システム設定管理、資産管理、ソフトウェア開発ライフサイクル管理、コスト管理、ベンダーのパフォーマンス管理などを実現するITサービス自動化アプリケーションのほか、HRサービス自動化アプリケーションを提供しています。
いわゆる「働き方改革」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に関わる多くの製品・サービスプロバイダです。
2003 年に、Peregrine SystemsとRemedy Corporationの CTO (最高技術責任者) であったフレッド・ルディによって創立されました。2018年には、米ビジネス誌『Forbes』が毎年発表している「世界で最も革新的な企業ランキング」で1位となっています。
2019年、独SAPの最高経営責任者からの退任が発表されていたビル・マクダーモットが、CEOに就任しました。
競合企業にはsalesforce(セールスフォース)やAtlassian/アトラシアン【TEAM】などがあります。サービスナウは大企業に強く、アトラシアン【TEAM】は中小企業に強いという図式と言えそうです。
2012年にNYSEに上場しており、S&P500に採用されています。
サービスナウ【NOW】の株価チャートと配当
2020年3月に大きな下落があります。コロナショックの影響を受けたものです。それを差し引いても、5年で株価は約6倍になりましたし、約1年で2倍になりました。世界的なDX推進の追い風を受けている企業と言えそうです。
現時点では無配企業です。
<サービスナウ【NOW】の基礎データ>
- 本社:アメリカ カリフォルニア州サンタクララ
- ティッカー:NOW
- NYSE上場
- 決算期:12月31日
<サービスナウ【NOW】の売上高と利益>
グラフが示す通り、売上高は順調に成長しています。現時点では無配企業です。最終利益が黒字化したのは2019年からであり、まだまだ成長、未来への投資を選択したほうがよい企業といえそうです。
SECに提出された10-Kフォームに掲載されているサービス別売上高の推移をみるとサブスクリプションサービスが収益の大半を占めています。
一方コストを比較すると、プロフェッショナルサービスなどは事業として赤字になっていることがわかります。サブスクリプションサービスのコストの伸びは、売り上げの伸びを下回っており、サブスクリプションサービスの売上総利益は80%超とその収益性は驚異的です。
<サービスナウ【NOW】のBPSとEPS>
2018年までEPSはマイナスでしたが、その間もBPSは増加傾向にありました。
赤字決算期間が長かったにも関わらずBPSが増えているには理由があります。”Additional Paid-in Capital”が年々増加していることによります。
10-Kフォームの株主資本等変動計算書を確認すると、”Stock-based compensation”が大きく増加しています。
従業員や役員に株式で報酬を支払っているとみられます。この点はワークデイ【WDAY】とよく似ています。
売上高の伸びに呼応して営業CFが近年増加しており、その結果としてフリーCFも近年増加しています。
サービスナウ【NOW】のトピック
サービスナウ【NOW】はM&Aにも積極的です。2013年以降ソリューションベンダー、AIによるバーチャルエージェント技術、自然言語検索、リスク管理技術、機械学習ソリューションベンダー、RPAスタートアップ、運用向け人工知能などの企業を次々に買収しています。
結果、のれんが年々増加しています。
現時点では、のれんの増加以上に売上高が成長しているので、M&Aはまずまずうまくいっていると判断してよいでしょう。
当初はIPOで得た資金がM&Aの原資でしたが、近年は借入金も増えており、財務レバレッジを掛けながらM&Aを行っているようにも見えます。M&Aは人材と製品・サービスを手っ取り早く手に入れる手段です。当面は将来を見据えながら製品群とサービスを増やすためのM&Aを行っていくものと思われます。
一方、直近の決算発表時には、新型コロナウィルスのワクチン開発からワクチン接種への移行を手助けする、世界で最も重視されているワークフロー課題への取り組みに注力し、初のワクチン管理ソリューションを発表していることを発表。加えて売上高100億ドルを誇るエンタープライズ・ソフトウェア企業になるという目標に向かって力強く前進していることも発表しています。
成長企業でありながら、社会貢献も視野に入れている企業と言えそうです。
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基礎資料は弊ブログ提携先のストレイナーさんのものを活用しています。
ワークデイの銘柄分析です。
こちらはVEEVの分析になります。