たぱぞうの米国株投資

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退職金が多く、老後の収入も多い場合はiDeCoが税金面で不利になるケースがある

イデコiDeCoは所得控除と退職控除が大きな魅力だが・・・

 イデコiDeCoは積み立て中の所得控除と退職控除が大きな魅力です。しかし、退職金で退職控除枠を使い切り、その後の年金も潤沢な場合、イデコiDeCoのメリットが活かせない可能性があります。

 

 もっと簡単に言うと、退職金+老後の収入が十分な人はデメリットになる可能性さえあえるということです。関連してご質問を紹介します。

退職金が多く退職控除を使い切りそうなので、iDeCoの税金が気になる

たぱぞうさま

 いつもブログで勉強させていただいております。

 

 たぱぞう様の記事の影響で、VTIやS&P500などのETFや楽天VTIなどの投資信託への投資が、長期的な資産運用に最も効率がよく思えます。理系出身で会社の決算報告の読めない自分でも続けられるのではないかと考えるからです。これからも継続していきたいと思っております。

 

さて、私の背景は以下のとおりです

  • 40歳 既婚
  • 家族 妻、3歳、1歳
  • 投資歴10年くらい
  • 資金 現在 、日本株や米株、ETFを500万程度(タイミングをみて徐々にVTIや楽天VTIに切り替えています)
  • 他は定期預金や学資保険
  • つみたてNISA  夫婦で全額続ける予定
  • ジュニアNISAは、無理のない程度にVTIを購入

 質問は以下のとおりです。

 転職したのですが、転職先で企業の確定拠出年金があることを知り、こちらはVTIやS&P500、なければ先進国株式など、近いものを選択したいと思っています。

 

 たぱぞう様が、つみたてNISA よりもオススメされているイデコについても、これを機会に、SBIか楽天で手続きしようと思っているのですが、本やネットで調べるほど、イデコのメリットについて疑問をもつようになったので質問させてください。

 

 イデコ積立時の所得控除や、投資の利益が全額非課税であることは非常に魅力的に思ったのですが、問題は退職所得控除です。

 

 退職所得控除の金額は、仮に私が今の会社で65歳定年となった場合、勤続年数が25年なので、40万x20年+70万x5年=1150万になります。

 

 イデコの受給形式は、年金形式だと雑所得になる上、もらった年金に加算されて税金が高くなるので、一時金でもらう人が多いと本にありました。仮に私の将来の退職金が上記の1150万円だった場合、退職所得控除はイデコには使えなくなってしまいます。

 

 そうすると、確定拠出年金の半分に所得税と住民税がかかってしまうので、結構な税金を取られると思います。


 また、退職所得控除は一度使うとすぐには使えないということも知りました。(例えば65歳で退職金をもらって66歳でイデコを一時金でもらうと退職所得控除はイデコには使えない)

 

 投資の利益だけならともかく、自分が積み立てた元金までゴッソリと税金がかかるなんて、自営業の人と退職金が少ない人以外、メリットなんてないのではないかと思ってしまうのですが、つみたてNISA よりもイデコを優先させたほうがいいのでしょうか。

 

 拙い文章で申し訳ありません。お時間あるときにご教授いただけますと幸いです。
まだまだ寒い日が続きますが、どうぞご自愛ください。


 日々のブログ、楽しみにしてます。

老後の収入が多く退職金も多い人は、iDeCoの魅力は半減します。 

 イデコ自体が厚労省所管ということからもわかるように、国民の安定した老後の設計のために作られた制度です。もっというと、かつての共済年金や十分な厚生年金を受けられる人たちの制度というよりは、老後の年金の安定しない人たちが役立てられるように基本は設計されています。

 

 そのため、自営業者は月々6.8万円という積み立て費用を経費として処理できるようになっています。また、公務員が一律1.2万円というのもそういうことです。

 

 大手企業や公務員の場合は、退職金が潤沢なことがあり、定年いっぱいまで勤めると、退職控除の枠を自分の退職金で埋めることになります。

 

 また、退職控除が使えないとなると年金として払い出すことになります。しかし、これも非課税控除枠が決まっています。この枠を公的年金等控除といいますが、厚生年金が恵まれている場合は、控除枠を超過します。超えた分は、公的年金等に係る雑所得とされます。

公的年金等控除額 - 高精度計算サイト

 こちらのサイトで簡易的に計算することができます。同時にねんきんネットで自らの受取年金を調べ、シミュレートしてみるとよいですね。

ねんきんネット

ねんきんネット

 一時金で受け取らない場合は年金という形で分割して受け取ります。そのため、その時の収入が多ければ、収入に応じた税金がかかるというわけです。ここで注意しなくてはいけないのは、おっしゃるようにイデコの払い出し全体が収入とみなされるということです。

 

 つまり、元本も利益も関係ありません。そのため、退職金が多く、老後の厚生年金も多額であるという場合は、イデコのメリットは現役時代の所得控除がほとんどということになります。場合によっては、払い出しにかかる課税のほうが大きいということも起こりかねません。税金は累進課税だからです。

 

 年金にして給付する場合は、5年から20年の有期年金として分割できます。20年で薄めても収入が大きくなってしまう場合は、課税対象である雑所得分が大きくなることになります。

 

 この雑所得分があまりに大きい場合はメリットがデメリットを上回る可能性がありますから、イデコは適さないということになりますね。

 

 ケースバイケースですが、万人が利用できるのがつみたてNISAで、収入や職種によって大きなメリットがあるのがiDeCoという棲み分けになりますね。

 

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