ワークデイ【WDAY】の銘柄分析
ワークデイ【WDAY】のシンプル銘柄分析です。
ワークデイ【WDAY】は、企業向けに人事と財務関連のクラウドアプリケーションを提供する米国企業です。主要製品は、以下になります。
- 人事管理システム「ワークデイ・ヒューマン・キャピタル・マネージメント」
- 給与管理システム「ワークデイ・ペイロール」
- 財務管理システム「ワークデイ・ファイナンシャル・マネージメント」
- 分析システム「ワークデイ・ビッグ・データ・アナリティクス」
Oracle(オラクル)は、それまで統合基幹業務システムを行ってきた”PeopleSoft”を敵対的に買収しました。2005年3月のことです。
その後、被買収企業の”PeopleSoft”の創設者で前CEOであった、デイビッド・ダフィールドと元PeopleSoftのチーフストラテジストであったアニール・ブースリが起業します。それが、ワークデイ【WDAY】です。順調に成長し、2012年10月にNYSEに上場しています。
創業以来、顧客数を急速に伸ばし、今や全世界で8000以上の組織が「ワークデイ」を採用しています。さらに、フォーチュン50の60%、フォーチュン500の40%以上が、人事基盤に「ワークデイ」を選んでいます。
日本でのビジネスはやや課題があるという話も聞きますが、業界横断的に採用が広がっています。米フォーブス誌が毎年発表する「世界で最も革新的な企業ランキング」2018年版で2位に選出されました。
ワークデイ【WDAY】の株価チャートと配当
2020年3月に大きな下落があります。コロナショックよるものです。その後は上げ下げを繰り返しながら上昇傾向にあります。上場から約10年経過していますが、現時点では無配企業です。
ワークデイ【WDAY】の基礎データ
- 本社: アメリカ カリフォルニア州ストーンリッジ
- ティッカー: WDAY
- NYSE上場
- 決算期:1月31日
ワークデイ【WDAY】の売上高と利益
グラフが示す通り、上場以来赤字決算が続いています。投資を積極的に行っており、そのための赤字です。成長企業が配当を出さず、事業投資をするというお決まりの流れですね。
しかしながら、売上高の伸びに伴い、業績もついてきています。今後いずれは黒字決算が期待できるでしょう。
SECに提出された10-Kフォームに掲載されているサービス別売上高の推移をみるとサブスクリプションサービスが成長していることがわかります。一方、顧客の要望に応じた形のサービスであるプロフェッショナルサービスの売上高は直近2年度横ばいです。COVID-19の影響を受けて、プロフェッショナルサービスの営業やサポートをしづらくなっていたこともあります。
一方コストを比較すると、プロフェッショナルサービスの採算が悪化していることがわかります。相対的に小さな売り上げのサービスに多くのコストが発生している現実と既存顧客のサービスへの天秤を考慮すると、例えばプロフェッショナルサービスの顧客をサブスクリプションサービスに移行させるとかいった方針転換が必要にも思えます。
ワークデイ【WDAY】のBPSとEPS
赤字決算が続いている故、EPSは毎年度マイナスですがBPSは増加傾向にあります。
赤字決算でありながらBPSが増えている理由は、”Additional Paid-in Capital”、つまり株式払込剰余金が年々増加していることによります。
10-Kフォームの株主資本等変動計算書によると、”Share-based compensation”が大きく増加していることが確認できます。
従業員や役員に株式で報酬を支払っている可能性がありますね。クラウドサービスは人が資産のようなものですから、従業員への報酬を手厚くしているということでしょう。
ワークデイ【WDAY】のキャッシュフロー
売上高の伸びに呼応して営業CFが着々と増加しています。アーリーステージの企業としてはいい傾向で推移しています。
ワークデイ【WDAY】が発表した新サービス「VIBE Central」、「VIBE Index」は、昨今の人事戦略で無視できない”Belonging and Diversity”(B&D)への取り組み促進をアシストするものです。
また、「VIBE」とは「Value Inclusion, Belonging, and Equity(インクルージョン、ビロンギング、公平性の重視)」を指します。
企業のダイバーシティ(多様性)やインクルージョンに関するデータやベストプラクティスのコンテンツ、レポートを整理するダッシュボードや、従業員の自然減やリーダーシップ、雇用のギャップなどを確認できるツールになるということですね。
多分に漏れずやや割高な値付けですが、ビジネスモデルとしては面白いものがあります。
関連記事です。
諸データは提携先のストレイナーさんのものを活用しています。
こちらはVEEVの銘柄分析です。
投資家に大人気のAAPLの記事です。