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キーサイト・テクノロジー【KEYS】の銘柄分析。電気・電子計測機器の世界最大級メーカー

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の銘柄分析

 キーサイト・テクノロジー【KEYS】のシンプル銘柄分析です。

 

 カリフォルニア州サンタ・ローザに本社を置く電気・電子計測機器の世界最大級メーカーです。無線通信、航空、宇宙、防衛、半導体の市場に、電子計測機やシステム及び、関連ソフトウエア、ソフトウエア設計ツール、電子機器を提供しています。

 

 計測器とは温度・ひずみ・加速度・電圧・電流・回転数(パルス)など、人間の目には見えないデータを取得し、そのデータを変換または演算などして計測や記録する装置のことです。


 目的に応じてデータを計測する際の、速さ・緻密さ・記録する期間、そして、データの種類や数、異種混在したデータの計測をします。研究開発や生産現場での目的・用途に応じて使い分けます。オシロスコープやメモリハイコーダ、データロガーなどが代表的な製品です。

 

 キーサイト・テクノロジー【KEYS】の前身は、現在コンピュータ・メーカーであるヒューレット・パッカードです。


 1937年、ビル・ヒューレット、デイブ・パッカード、ノエル・”エド”・ポーターが、電子計測会社の設立計画を立て、2年後の1939年1月1日、ビル・ヒューレットとデイブ・パッカードが共同経営を始めたのがヒューレット・パッカードです。

 

 その後エンジニアや科学者に、電子計測製品が広く認められるようになりました。第2次世界大戦時に米国政府から電子計測器の注文が急激に増え、成長軌道に乗りました。

 

 1961年にNYSEに上場し、翌年にはFortune500に初めて選ばれました。計測器ビジネスは、1999年にヒューレット・パッカードから独立します。コンピュータとプリンタ事業以外を営む「アジレント・テクノロジー」という社名になり、同社は1999年にIPOしています。

 

 「アジレント・テクノロジー」は2000年代に、事業のスピンアウトと買収をしながら成長していきます。

 

 2013年、「アジレント・テクノロジー」は電子計測事業とライフサイエンス事業に分けられ、電子計測事業を営む「キーサイト・テクノロジー」が誕生しました。2014年11月にNYSEに上場し、2018年11月にS&P500に採用されています。

 

 事業セグメントは世界中の商用通信および航空宇宙、防衛、政府をマーケット対象とした”Communications Solutions Group(CSG)”と、製造業のテスト、測定ソリューション、関連サービスを手掛ける” Electronic Industrial Solutions Group(EISG)”の2つで、FY2020は収益の約3/4をCSGが占めています。

セグメント別、地域別の売り上げ構成比

セグメント別、地域別の売り上げ構成比

 米国企業らしくキーサイト・テクノロジー【KEYS】もM&Aに積極的です。2015年に2社、2017、2019、2020年に1社、2021年に入ってからもすでに2社をM&Aしています。約1700の特許を保有するなど、パテント関係の強みも持っています。

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の株価チャートと配当

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の株価チャートと配当

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の株価チャートと配当

 株価は5年で3倍強になりました。現時点では無配企業です。

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の基礎データ

  • 本社: アメリカ カリフォルニア州サンタ・ローザ
  • ティッカー: KEYS
  • NYSE上場
  • 決算期:10月31日

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の売上高と利益

 前述したようにキーサイト・テクノロジー【KEYS】は2013年にアジレント・テクノロジーから独立しているため、業績等は2013年以降で考察します。 

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の売上高と利益

キーサイト・テクノロジー【KEYS】の売上高と利益

 FY2017~FY2018は営業利益が振るいませんでしたが、その後は回復基調です。ちなみに日本の代表的な同業者はアンリツです。キーサイト・テクノロジー【KEYS】の売上高はアンリツの4倍強です。

キーサイト・テクノロジー【KEYS】のBPSとEPS

キーサイト・テクノロジー【KEYS】のBPSとEPS

キーサイト・テクノロジー【KEYS】のBPSとEPS

 EPSは売上、営業利益の変化をそのまま反映した形になっています。BPSが成長し続けているのはM&Aの数字の反映もあります。

キーサイト・テクノロジー【KEYS】のキャッシュフロー

キーサイト・テクノロジー【KEYS】のキャッシュフロー

キーサイト・テクノロジー【KEYS】のキャッシュフロー

 凸凹こそありますが、フリーCFを安定的に得られる事業構造と評価してよいでしょう。潤沢なフリーCFはM&Aの原資になっています。 

キーサイト・テクノロジー【KEYS】のトピック

  5Gは商用使用がスタートしたものの、COVID-19の影響を受けてか、現時点で従来想定されていたほど基地局は普及していません。

 

 この状況はキーサイト・テクノロジー【KEYS】には追い風になる可能性があります。


 近年キーサイト・テクノロジー【KEYS】が買収したAniteやPrismaは5G関連企業とされています。特に2019年に買収したPrismaがキーサイト・テクノロジー【KEYS】の業績に本格的にプラス寄与してくるのはこれからでしょう。


 5Gの基地局市場は2025年ぐらいまで拡大が見込まれており、それに伴う設備投資需要で今後2,3年はキーサイト・テクノロジー【KEYS】の業績見通しはポジティブ、上値余地はありそうです。

 

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