シンタス【CTAS】の銘柄分析。ユニフォームレンタル企業。
北米で最大シェアのユニフォーム(制服)の製造、レンタル、販売等を営む企業です。S&P500、NASDAQ100に採用されています。
1968年にリチャードT.ファーマーによって設立されました。他に無い新しい生地を用いた制服ビジネスをスタートします。1970年代初頭に工業用ランドリー事業を買収し、以降事業領域を拡張してきました。
現在では北米、南米、ヨーロッパ、アジアのトータル100万以上の事業所がシンタス【CTAS】のサービスを利用しています。
シンタス【CTAS】の事業は主要3部門で構成されています。制服レンタル・付属品部門は制服、清掃用モップ、タオルのレンタルサービスを米国とカナダで展開するほか、エントランスマットのレンタル、設備等の除菌・清掃サービス、清掃・トイレ用品の供給を行っています。
制服販売部門はその名の通り制服や関連製品を販売ビジネスです。Annual Reportでは、事業セグメントとして上記2つは合算されています。
もう一つはAED(自動体外式除細動器)などの応急処置・安全・防火サービス部門です。売り上げベースでは全体の8割を制服レンタル等が占めています。
制服レンタル事業は、毎週、シンタスの担当者が事業所等に来て、前回の訪問以降に着用した衣服を受け取り、次の週に各労働者の清潔なユニフォームをおろします。従業員の変動等に応じて制服の提供数も変えます。
人々の体型は様々ですから、多様なサイズの制服を自前で用意するのではなく、シンタス【CTAS】にアウトソーシングしたほうが在庫管理でも合理的ですし、衛生面でも優れている面があります。
米国企業につきものともいえるM&Aをシンタス【CTAS】も行っています。近年では、FY2017に競合である市場シェア4位のG&K Services(以下:G&K)を買収しました。
G&Kの買収により17万人の新規顧客が加わり、結果としてシンタス【CTAS】には規模の経済が働いています。買収当時シンタス【CTAS】は160億ドルの北米ユニフォームレンタル市場の25%のシェアを占め、G&K買収によって市場シェアが30%を超えました。
応急処置・安全・防火サービス部門でもFY2015にZEE Medical Incを買収して事業規模を拡大させています。
シンタス【CTAS】の株価チャートと配当
コロナショック時には-50%程度まで大きく売り込まれましたが、5年で見ると約3倍になっています。
直近は350ドル前後でボックス圏といったところでしょうか。30年以上にわたる増配銘柄です。
FY2020までは年1回配当でしたが、FY2021から四半期配当銘柄になりました。
自社株買いも毎年のように実施しており、発行済株式数が減少しています。配当も含めて積極的に株主還元を実施している企業です。
シンタス【CTAS】の基礎データ
- 本社:アメリカ オハイオ州シンシナティ
- ティッカー:CTAS
- NASDAQ上場
- 決算期:5月31日
シンタス【CTAS】の売上高と利益
FY2018から売上高が大きく成長しているのは、前述したG&Kの買収効果でしょう。
シンタス【CTAS】のBPSとEPS
BPSの成長が著しいです。特にFY2018からは買収効果が現れた結果と考えられます。
EPSもFY2018に前年比で大きく成長して、その後は緩やかな成長を見せています。
シンタス【CTAS】のキャッシュフロー
FY2016まではフリーCFに落ち着きがありませんでしたが、FY2017からは好調に推移しています。
シンタス【CTAS】のトピック
シンタス【CTAS】の売り上げ構成で高い割合を占めるのは前述したように制服関連事業です。この事業は制服を着用する人が増えれば業績にプラス寄与しますし、逆もまたしかりというわかりやすい特徴があります。新型コロナウィルスは働く人を含めてステイホームを必要とした結果、この事業にネガティブに寄与していると想定されます。
また、今後はロボットや無人店舗の普及が進むと考えられます。これは制服を着用する人が減ることを意味しますので、シンタス【CTAS】の制服関連事業にはネガティブなファクターです。
株価がボックス圏で推移しているのはこのような事業環境を投資家が懸念しているからかもしれません。
一方、他事業は規模こそ制服関連事業の足元にも及ばないものの、成長分野のように見えます。さらなる株価の上昇のために、その成長分野から何か新しい材料が欲しいところです。
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