たぱぞうの米国株投資

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自宅マンションを売るべきか貸すべきか?FIREと海外赴任の交差点で考える

海外赴任で証券口座を継続できない

 グローバルな時代にもかかわらず、海外赴任をすると国内口座での投資継続に障害が生じますね。これは勤労者にとっては大きな問題です。

 

 今回は、海外赴任を控える方からのご質問を頂戴しています。

自宅マンションを売るべきか貸すべきか?FIREと海外赴任

初めまして、たぱぞうさん

 

いつもブログ、YouTubeなど拝見し、勉強させていただいています。
この度、海外赴任が決まり自宅、資産形成を見直そうと思い、質問させて頂きました。
長文となりますが、ご確認いただければ幸いです。

 

家族構成 3人
私 41歳 会社員 年収1200万円
妻 37歳 専業主婦
娘 4歳

 

自宅マンション
築4年 県庁所在地中心駅から徒歩5分
新築5000万円で購入
残債3500万円 金利1.1%

 

金融資産
現金950万円
株3700万円
(内訳 投資信託1500万円 日本個別株1540万円 海外株660万円)
iDeCo 23000円/月 妻分
旧NISA、新NISA枠は私、妻分ともに毎年使い切っています。
勤務先持株会 評価額980万円
確定拠出年金 評価額1200万円

 

投資用不動産
区分マンション1部屋
借入 2250万円 
返済額 68000円/月
家賃収入 71000円/月
こちらはキャピタル狙いで、しばらくは放置予定です。

 

状況

 2年前まで管理職につき、仕事にやりがいを感じながら年収の高さ、親からの援助もあり、順調に資産形成を行えておりました。しかし、上司のパワハラに精神がもたず、異動を願い出ました。


 その際に、このまま定年まで勤めるのが想像できず、10年後にいつでも退職できるよう、資産形成を考えなおしていました。


 その後、海外赴任のチャンスが巡ってきたので、心機一転チャレンジすることにしました。赴任期間は2.3年です。

 

相談2点


・自宅マンションについて


 売却か貸し出しか迷っています。仲介業者によると、6000万円ほどで売却が見込めます。残債、仲介手数料を除いても2000万円が入ると、FIREに近づくため売却に気持ちが傾いています。


 一方、妻は気に入っており、赴任期間も2年なので貸し出しで良いのでは、と言っております。貸し出すと2.3万円/月のプラスです。


 赴任終了後に今の勤務地に戻るかもわかりません。思い入れはお金に変えられないとは思いますが、たぱぞうさんならどう考えられますか?

 

•海外赴任時の投資


 赴任中は日本の証券口座では投資はできないので、他に良い投資先はないかと考えております。


 リスクはありますが、利回りの高い商品もあるので変動保険を検討しています。NISA枠も直に使いきるので、受取時の一時所得の特別控除をうまく使えば、とセールストークを受けています。


こちらも良い投資先などアドバイス頂けますと幸いです。

FIREと海外赴任の交差点で考える

温かな言葉をありがとうございます。

 

 海外赴任が決まったとのこと、おめでとうございます。新たな挑戦の門出に際して、資産形成のご相談をいただけたこと、嬉しく思います。以下、頂いた内容に沿って、回答します。

FIREと海外赴任の交差点で考える

FIREと海外赴任の交差点で考える

【1. 自宅マンションについて】

 自宅は築浅で立地も非常に良く、売却でも貸し出しでも選択肢として成立している優良物件と拝察します。

 

 売却の場合、残債を差し引いて2000万円のキャッシュを得られる点は、FIREを目指すうえで大きな一歩になりますね。現時点でおよそ7000万と既にしっかりとした金融資産をお持ちですが、流動性を高めて次の投資や生活の自由度を上げる、というのは一つの合理的判断です。

 

 一方で、2.3万円/月のキャッシュフローが出ること、奥様が物件に愛着をお持ちであることを考えると、「気持ち」という無形資産もまた大事です。赴任後に今の勤務地へ戻る可能性があるなら、定期借家で貸し出しという「保留」の選択も理にかなっています。

 

私なら、以下のように考えると思います。

  • 今後、国内定住予定がなければ 売却寄り
  • 今の勤務地に戻る可能性が高ければ 貸し出し寄り
  • 奥様の意思を尊重したい場合は 期間限定で貸し出し、その間に今後の方針を再検討

 なお、貸し出す場合は「住宅ローン→賃貸利用」の扱いになるため、金融機関への報告や金利見直し等にご注意くださいね。

 

【2. 海外赴任時の投資について】

 おっしゃる通り、海外非居住者になると多くの国内証券会社では新規投資が制限されます。これに伴い、「海外対応の証券口座」「外貨建て商品」「保険商品」などが選択肢に入ってきます。

 

ただし、変額保険(変動保険)は手数料が高く、仕組みも複雑なことが多いため、本当にその商品が他の投資手段と比較して優れているかを冷静に判断したいところです。

 

 「一時所得控除が使えるからお得」というのも、長期で見るとパフォーマンスや途中解約時のリスクを超えるかは疑問です。

 

 代替案としては、Interactive BrokersやFirstradeなど、海外赴任者でも使える海外証券口座を開設し、ETFや個別株を継続的に購入する。

 

赴任期間中はキャッシュポジションを高め、帰国後にNISAなどで再投資する。

 

などの選択がありますね。これ以外にも現実的な良い方法がありますが、それはメールした通りです。

 

 金融資産7000万、マンション売却益あり、と考えるとFIREは確かに現実味を帯びますね。心のリスクヘッジになりますから、駐在先でも投資に励み、選択肢を増やすと良いですね。

 

 パワハラを凌ぎ、海外という新天地での勤務、素晴らしいことですね。無理せず、持続可能な仕事術を応援しています。共に頑張りましょうね。

 

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