FIREするか、まだ働くか。答えがあるようでない、永遠の課題
FIREするか、まだ働くか。永遠の課題ですね。だいたい、皆さんよく計算されていますから、相談される時点で十分可能な方が多いです。しかし、仕事を辞めるのは気力が必要です。
誰もが大きく生活を変えるときには勇気がいります。私もそうでした。職場で耐えがたい嫌なことがあれば別ですが、勤続年数が長いとだいたいのことは我慢できてしまいます。それを乗り越えるのは最終的に「えいやっ!」という気力と勇気なのかもしれません。
さて、今日はFIREに関するご相談です。
FIREするか、まだ働くか。心と体を壊した私のリアルな悩み
まずは、たぱぞう様に感謝を申し上げたく連絡させて頂きました。
いつも貴ブログ、Xを拝見しております。
過去に大病(現在は完治)を1回、別途心を病んで休職したことが1回あり、その休職中にたぱぞう様のブログに出会いました。休職中も傷病手当金はありましたが、毎月減っていく預貯金、将来やお金に対する漠然とした不安の中、たぱぞう様のブログがきっかけで米国ETFへの投資を始めました。
その後、つみたてNISAも始まり、アメリカ市場の好況もあり、現在の資産を作ることが出来ました。お金への不安が減っていく中でメンタルも回復して、仕事にも復帰することが出来て、たぱぞう様には本当に感謝してもしきれない思いです。
さて今回はFIRE及び法人設立と不動産投資について、ご意見を伺いたくご質問させていただきます。
・家族構成と年収
- 私(50代前半):年収1300万円(額面)
- 妻(50代前半):年収450万円(額面)
- 子2人(私立中学生、小学校高学年)
- 不動産賃貸収入:250万円(年間)
・資産(家族合算)
- 普通預金:2400万円
- 投資信託(S&P500、楽天VTI):6,000万円 ※うち4,400万円は各種NISA
- 株式(国内個別株):2,300万円
- 米国ETF(VTI):1,700万円
- 確定拠出年金(外国株式インデックス、楽天全米):1,800万円
・不動産
- 準都心区マンション(築20年、賃貸中で残債0。売却時の査定額、約8,000万円。賃貸収入は上記のとおり)
- 都内郊外ファミリーマンション(築5年、自宅。残債約3,500万円、売却時の査定額7,000万円)
・その他
自身は大手上場子会社勤務、あと数年で役職定年。役職定年後は8割程度の収入に
新NISAは夫婦満額360万円×2人×2年を投資済(S&P500)、可能なら残り3年で枠を埋めたいと思っています。
持ち家ローンは10年の住宅ローン控除が終わった段階で繰り上げるか否か検討。
・質問
1.体も心も壊した経験から、人様のように長生き出来る自信もなく、50代でのFIREを検討したいと思っております。資産はそれなりに出来たものの、私立中の子供の学費や住宅ローンなど年間1,000万円程度の支出があり、なかなか踏み切れません。65歳まで働かないことでの年金減額の不安もあり、2億円程度まで金融資産を増やしてから、FIREを検討すべきか逡巡しています。
2.退職後も年間1,000万円程度の収入を得たく、在職中に現状の与信枠を生かして不動産投資を進めたいが、昨今の物件価格上昇、金利上昇局面で躊躇しています。いくつか話も聞きましたが、ワンルームマンションも築古戸建てもリスクの方を大きく感じており、ある程度広さのある区分マンション、もしくはアパートで検討したいと思っています。金融資産も配当重視の株式にポジションを移行させることも検討してます。
3.上記不動産投資とセットで資産管理法人を設立したいと考えております。現状は副業規定にかかるため、法人設立は行っていません。妻は副業可能なため妻名義にすることは可能です。
FIREのタイミング、不動産投資(区分マンションor中古アパート)、法人設立についてアドバイスをいただければ幸いです。
FIRE、不動産投資、そして法人設立
心と体を壊されたということ、大変なご苦労をされましたね。
過去のご病気とご休職というご経験を乗り越えられたこと、そしてその中でブログやXが少しでもお役に立てたとのこと、大変うれしく思います。
さて、今回ご相談いただいた内容は、FIRE、不動産投資、そして法人設立と、多くの方が関心を持たれるテーマです。
順に考えを記してみます。ご参考になれば幸いです。
① FIREのタイミングについて
現在の金融資産:
投資信託・ETF・株式計:約1.2億円
確定拠出年金:1,800万円(60歳以降引き出し可)
普通預金:2,400万円
不動産:実質1億5,000万円の評価(自宅+賃貸)
不動産賃料収入:年間250万円
ざっくり3億を超える資産ということで、年齢的にも余裕のFIREに見えます。しかし、お子様の教育費と住宅ローンを含めて年間支出が1,000万円とのことで、一般的なFIREより少し高めの生活コストです。いわゆるFat Fireに該当しますね。
ご存じの通りFIREには「支出の最適化」と「収入の分散化」が欠かせません。進学先で大きく支出が変わる教育費のピークを超えるまでは、完全リタイアよりは「サイドFIRE」を視野に入れても良いでしょう。
しかし、奥様が継続して働かれるならば、十分サイドFIREに相当しますね。取り崩しを含めれば、目標の1000万はクリアできます。
もちろん、ご本人が役職定年後も「緩やかに働く」ことが可能ならば、それもありでしょう。しかし、無理をされないことです。すでに、お金より健康のほうが大事な年齢です。私ならばその資産額であればFIREを選択します。
早期退職による公的年金の減額をカバーするには、取り崩しや不動産収入が大きな拠り所となるでしょう。これは、私自身もそうです。早期に退職すると元々あてにならない年金がさらにあてにならなくなります。
ただ、年金額も大きくないですから、それを理由として年数を犠牲にする意味は年々薄れています。
② 不動産投資について
FIREを見据えた不動産投資は、「資産の保全」と「安定収入の確保」がキーワードです。お考えのとおり、今は物件価格が上昇しており、利回りが出づらい局面です。とはいえ、私の友人らはこのような状況でも物件を少しずつ増やしています。
区分マンションは利回りが低いですが、いろいろと活用法があります。一棟ものは同じく利回りが下がっていますが、買えなくはありません。利回りは区分マンションより良いです。与信がおありですから、可能性は十分にあります。
が、下手を踏めないご年齢ですから、無理をする必要はありません。ペーパーに置き換えても分厚い資産額です。
③ 法人設立について
FIREと不動産投資を組み合わせる際、法人活用は有効です。私もそうしています。
社保の面からもそういえます。ただ、奥様が勤続されるならば第三号という手もあるでしょう。
やはり、出てくる物件次第ということになります。
まず、「働かなくていい状態」を目指すのではなく、「働くことを選べる状態」を目指すとよいかもしれません。今のご資産規模と堅実な運用方針からすれば、「FIRE+法人による資産防衛」という形で、リスクを抑えつつ資産を守るフェーズに移行していくことは十分可能です。

いずれにしても、人生二度なしです。ご属性も高いですから、それを生かしつつ、下手を踏まない確実性が必要になります。
詳細はこちらはメールした通りです。いつでもご相談ください。
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