不動産を持つなら予め出口戦略を考えておく
不動産購入において収益を目的とする人は多いでしょう。相続のように資産を小さくする目的ならばともかく、資産を大きくするならば当然ですね。良い投資ができたかどうかを分けるのは最後に売却したときとなります。
仮に不動産投資をしていて毎月のキャッシュフローが潤沢だとしましょう。
年数を経て、売却時までに300万円の手残りがあったとしても、売却時に400万円損したら収支としてはマイナスになりますね。管理などの手間の分、おやおやこの投資はなんだったのか、ということになります。
不動産における出口戦略はどのように考えるか
投資の世界でおなじみの出口戦略(exit strategy)という言葉は、もともとは軍事用語です。
人命や物資などの損失をできるだけ抑えて撤退するための作戦で、ベトナム戦争のときにアメリカで使用されたのが始まりといわれていますね。転じて、金融政策や経営においても、損失を最小限に抑える施策という意味で用いられるようになりました。
不動産においては、投資を終了した物件をどう処分するかを出口といい、なるべく利益を出して終了するための方法を出口戦略というわけです。最も理想とされるのは、長期的に安定した家賃収入を得て、最終的には購入時よりも高く物件を売却することです。
よく言われる「持って良し、売って良し」ですね。
となると、一般的には毎月の収益が一定ありつつも、出口部分できちんとマイナスにならない物件を買っていくことが大事になりますね。
一般的には、というのは例えば相続税対策や都心部のキャピタル狙いの投資などは必ずしも保有期間のリターンは重視されないからですね。とはいえ、話が入り組むのでこの話は別の機会にしましょう。
出口を見据えた運用とは
不動産投資を検討するなら、物件選びから大事になります。
当たり前ですが、まず空室リスクの少ない物件があげられますね。空室リスクを避けるには、人口が多いエリアで物件を選ぶことです。駅近など利便性の高い物件は人気があり、安定的な需要が見込めるでしょう。
例えば、人口が集中している東京23区内にある物件などはそうです。官公庁や上場企業の本社などが集まる都心部では、安定した資産価値が保てるとされていますね。ただし、地方の工場、大学などは気を付けたほうがいいでしょう。撤退されるとガラリと景色が変わります。
都心以外でも、大規模な再開発や新駅の開業が予定されているエリアは、将来的に価値が上がる可能性があるとされます。都区部ならば昨今の品川界隈、地方ならば熊本のTSMCの進出などは好例です。
とはいえ、地方は先に述べたような恒久性の観点では都内に及びません。利回り、資産性というのは永遠の課題でもあります。
ともあれ、不動産の出口においては、空室リスクを抑えつつも資産価値が維持されるような物件を選んでおくことが大事ですね。また出口で損をしにくくするためには売るときの物件価格の下落を抑えることにありますので、購入時の価格もせめて相場くらいで購入していきたいですね。
高値掴みをすると、出口で苦労します。相場感のない大型投資ほど危険なのは、株も不動産も全く同じです。これらのアセットは値付けの方法が多々ありますから、自分なりの尺度をもって相場に臨むことが大事です。
売却をいつにするか
売却を出口にする場合は、なるべく高く売ることを目標にしたいものですね。
もし購入時よりも低い値段しかつかない、かつどうしても売却しなければならない場合は、できるだけ損失を少なくする方法を考えなくてはなりません。
売却時期を見極めるには満足のいく価格で売れること、5年超の保有期間による税負担が減っていること、不動産投資であれば減価償却のタイミングが終わっていることなどが上げられます。
いずれにしても、前提としては満足のいく価格であり、ローンを借入している場合は諸々の諸費用、税金を考慮したうえでローンの残高より高くなっていることが前提になるでしょうね。特に自らの住まい、実需はそのあたりは寛容になれますね。
住むということはだいたいにおいて出費ですが、逆に利益が出るケースが少なくありません。シンプルに得した気分になりますね。
タイミングは人それぞれではありますが、出口戦略を考えるには毎日ではなくとも、定期的にご自身の持っている物件の価格は認識しておくとよいでしょう。
わざわざ不動産会社さんにお願いして毎月査定をしてもらうわけにもいかないので、AI査定を行っているINVASE Pro(PR)というアプリであれば都内にある自宅や投資用マンションの資産評価を簡単に確認できます。出口を取るにも戦略を考えつつ、価格を認識しておくことは大事ですね。
不動産投資は買うときに売ることを考えて行う
不動産投資の出口戦略、つまりどのような物件をいつまで持つのか。目的によってそれは異なります。
住居であっても金額が大きいですから、投資の要素はついて回ります。どのような物件種別であっても購入するときから売却するときを見据えて検討しておきたいですね。
ちなみに、余計なお世話ではありますが、土地の価値のない場所に資産背景のわりに大きな建物を建てるのはリスクが大きいです。建物は年々減価するのが基本だからです。
例えば地方における分不相応な注文住宅などはよくよく考慮されると良いでしょう。大理石の高級キッチン、壁面パネル、無垢の高級材、これらは全て減価します。ある意味では結婚式のオプションと似ています。金銭感覚がマヒして決めがちですから、気を付けたいですね。
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