ハイテクグロースの次に来る?かもしれないFAANG2.0とは
ハイテクグロースが休憩中の今、違った銘柄でパフォーマンスを上げたいと思う人もいるでしょう。そんな中、次世代の?FANNGとも言われる「FAANG2.0」なる銘柄群があります。
地合いを受けて、まずまず好調なパフォーマンスを示しており、注目を浴びています。また、FAANG2.0関連銘柄のパフォーマンスが好調ということであれば、投資の対象にしたいと考える人が少なくないと思います。
早速、見ていきましょう。
FAANG2.0のパフォーマンスとチャート
しかし、FAANG2.0を唱えたバンクオブアメリカのクィンラン氏とサンフィリッポ氏は具体的銘柄に言及していません。とはいえ、ヒントはあります。
投資情報サービス業を運営するBloombergは2022年4月27日にFAANG2.0インデックスを発表しました。
このインデックスを構成する銘柄がいわゆるFAANG2.0銘柄と言えそうです。その名の通り、クィンラン氏とサンフィリッポ氏が唱えた5分野に該当する株式で構成されています。
米国株以外も含まれます。インデックスは、2015年3月30日にさかのぼって算出されています。試しにS&P500連動ETFのVOOと1年リターンを比較してみました。
コロナショック以降は青のVOOが優位に推移しましたが、2月下旬以降はオレンジのFAANG2.0がやや優位です。
出典:Bloomberg
構成銘柄の一部はレポートで公表されています。
FAANG2.0のセクター別のウェイト
まずはセクター別のウェイトです。セクター分類はBICSというBloomberg独自のものです。バンガードのセクターETFに用いられているGICSとは少し異なりますが、参考になるでしょう。
Energy、Industrials、Materialsで全体の90%を占めます。
出典:Bloomberg
FAANG2.0のインデックス構成銘柄上位はこうなっている
インデックス構成上位10銘柄はこちらのとおりです。10銘柄で全体の40%以上のウェイトを占めます。
出典:Bloomberg
1位:ディア―【DE】
農機具などを製造販売するメーカーです。
2位:エクソンモービル【XOM】
よく知られた米国最大手のエネルギー会社です。原油と天然ガスの探鉱と生産のほか、石油製品の製造、原油・天然ガス・石油製品の輸送などのエネルギー関連事業を手掛けています。
3位:寧徳時代新能源科技【CATL】
CATLは中国の電気自動車用電池メーカーです。深セン証券取引所に上場しています。
4位:レイセオンテクノロジーズ【RTX】
米国の防衛・航空宇宙関連機器メーカーです。
5位:シェブロン【CVX】
石油、化学、発電事業を世界的に展開する米国の大手エネルギー会社です。
6位:ニュートリエン【NTR】
カナダの大手肥料メーカーです。カナダの企業ですがニューヨーク証券取引所に上場しています。
7位:グレンコア
スイスに本社を置く鉱山開発及び商品取引を行う多国籍企業です。
ロンドン証券取引所に上場しています。
8位:フリーポート・マクモラン【FCX】
銅、金などの探鉱、開発、採掘を行う天然資源会社です。
9位:ニューモント【NEM】
金や銅を採掘している会社です。
10位:ロイヤル・ダッチ・シェル【SHEL】
オランダに本拠地を置くオランダとイギリスの石油持株会社です。現在は世界各地で様々なエネルギー事業を営んでいます。ニューヨーク証券取引所に上場しています。
残念ながらFAANG2.0連動ETFはまだない
FAANG2.0インデックスが好調ならば、このインデックスに投資したいと思う方がいらっしゃると思いますが、残念ながらインデックスが組成されたのが2022年の4月ですから、このインデックスに連動するETFはまだありません。
今後組成する運用会社が出てくるかもしれませんが、日本で取引できるようになるまでにはしばし時間がかかるのではないでしょうか。
ミニFAANG2.0ポートフォリオ
というわけでやや強引ですが、前回に引き続きFAANG2.0投資を日本でトライするためのポートフォリオを示しておきます。
ETFと個別株を使います。
FはFuelsなので、バンガードのエネルギーセクターETF、Vanguard Energy Index Fund【VDE】を使います。
一つ目のA、Aerospace and defenseだけはオンライン証券3社で取引できるETFがないので、FAANG2.0インデックスでも採用されているレイセオンテクノロジーズ【RTX】を用います。
二つ目のA、Agricultureはヴァンエック アグリビジネスETF【MOO】を使います。
NのNuclear and renewablesは、ヴァンエック ウラニウム+ニュークリアエナジーETF【NLR】を使います。純資産と出来高が小さいのが難点ではあります。
GのGold, metals,mineralsは、金ETFを使います。
経費率が低いSPDR Gold MiniShares【GLDM】にしましょう。これらを用いてFAANG2.0投資をサテライトでやってみるもよし。あるいはETFの構成銘柄を確認して、こういう銘柄がFAANG2.0銘柄なのかと確認するもよし。
コアにはしにくいトレンドならではというところを感じますが、知識を広げるきっかけにはなりそうです。
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グロースはかなりこなれました。
優れたインデックスや、エッジの効いたインデックスを見て個別株投資につなげるという発想はありますね。
バックテストはバックテストです。FIREなど人と違うことをするならば、そこからさらに一歩進めて考える必要があります。