米国グロース株投資への夢と現実
グロース株投資の魅力はそのリスクの高さです。上にも下にも大きく変動をします。マーケットが好調であれば大きく上振れします。しかし、IPOで何でも跳ね、SPACが流行るというのは明らかにバブルでしたね。
その巻き戻しが2022年と言えそうです。とはいえ、きちんとした収益構造を構築できている、あるいは構築できる可能性があるグロース株に関してはチャンスです。数年来の中でも割安と言えるでしょう。
さて、そうした中で投資の方向性に不安を覚えるという方からご質問を頂戴しています。
米国グロース株への投資は間違いだったのか。
たぱぞう様
こんにちは。いつもブログを拝見させていただいてます。社会人2年目の26歳男性、結婚を考えているパートナーがいます。
年収430万円で金融資産は900万円(内現金675万円、投信170万円、DC40万円、米国ETF15万円程度)です。生活防衛資金の260万円を残し、毎月少しずつ金融商品の割合を増やしている現状です。
加えて、毎日4,500円ずつドルを積み立てています。
私の投資歴は4年で、現在は以下のようなポートフォリオで投資を行なっています。
- e-MAXIS Slim 全世界 13,533円 (つみたてNISA)
- ニッセイ外国株式インデックスファンド 6,600円 (つみたてNISA)
- ニッセイTOPIXインデックスファンド 6,600円 (つみたてNISA)
- SBI•V•S&P500 6,600円 (つみたてNISA)
- e-MAXIS Slim 全世界 16,667円 (特定・一般)
- PayPay投信 NASDAQ100インデックス 10,000円 (特定・一般)
- 企業型確定拠出年金 全世界株式インデックス・ファンド 満額
- 米国ETF (先々月からVOO、VYM、HDVを毎月1株をドル建てで購入)
上記に加えてパートナーもつみたてNISA (e-MAXIS Slim 全世界)に満額投資を行なっています。
今後、投資を続けるにあたって以下の相談内容について、たぱぞう様のご意見をいただけると幸いです。
【相談内容】
- 米国グロース株連動のインデックスファンドに偏重しすぎている気がするのですが、VT等のETFを購入し、全世界株式寄りにリバランスするべきでしょうか。それとも若さを盾にある程度リスクを取り続けるべきでしょうか。
- 結婚後、投資と貯蓄に回せるお金はパートナーと合わせて15万円程度になる予定ですが、投資と貯蓄の割合はそれぞれどのくらいにするべきでしょうか。周囲の同年代カップルで投資を行っている人が少なく、相談相手がいないのでとても不安です。
以上となります。
特に出口戦略も考えないまま淡々とドルコスト平均法を信じて積み立てを行なってきたのですが、昨今の世界情勢とライフスタイルの変化に直面し、頭を抱えている現状です。
是非、たぱぞう様のご意見をいただけると嬉しいです。長文乱文失礼いたしました。
米国株への投資はそれでも続く、グロース株への投資は比率としては悪くない
そのお年で1000万円近くの金融資産をお持ちなのは素晴らしいです。パートナーさんも含めて極めて堅実な将来設計をされていますね。ご結婚直後から15万円の積み立てが可能ということですから、定年65歳時代を迎えても人生の選択として「自分定年」を設定できる可能性がありますね。
もっとも、質問者さんが定年を意識するころには、世間の定年は70歳になっている可能性もありますね。
私は40歳過ぎでFIREをしました。今の定年は65歳です。勤続年数は20年に満たないですから、さらに倍の時間を働く可能性があったということですね。これを長く働けてうれしいと考える人もいれば、健康年齢の殆どを仕事に捧げることを恐ろしいと考える人もいます。
いずれにしても、仕事が嫌にならないマインドセットと選択できる金銭的な余裕を作っておくことが肝要です。
さて、いささか話がずれましたが、今一度全世界投資をしたいのか、全米投資をしたいのか、向き合って考えて見られるといいですね。
TOPIXからNasdaqまで投資対象が幅広く、迷いが見られますね。また、商品も多岐にわたり始めています。また、Nasdaqはほんの半年前まで広く支持されていた指数であり、その価値がたった半年で大きく変容したわけではありません。
変容したのは人の心です。この人の心というのは曲者で、しばしば間違えます。それがバブルを生み、あるいは暴落を生むのです。逆に言うと、そこにチャンスがあるわけです。
私は全米株投資を推していますが、キャンキャン大騒ぎするほどリターンに大きな違いはありません。理由は、全世界においてすでに6割も米国投資に充てられているからです。
バックテストを今一度見直し、そのうえで将来像を描いてみると良いですよ。適度な節約をし、価値観の共有できるパートナーを見つけられた時点で資産運用上の成功は殆ど手中に収めたと言ってよいのです。そういう意味では、グロース株へ偏重した投資というわけではないと拝見しました。
ただ、Nasdaqへの投資が不安ならば、全米などに置き換えてもよいでしょう。リスク許容度はマーケットに合わせてだんだんと心地よく調整していけばよいのですね。
自分を信じ、パートナーを信じ、よくよく話し合って投資対象を吟味されるとよいですね。応援していますよ。
関連記事です。
インデックス投資もやり方考え方様々というお話です。
会社という体で投資を拡大する、ある意味では究極系と言えるでしょう。
不動産投資での借り入れ金利は投資の成否を決める要素の1つですね。