たぱぞうの米国株投資

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バックテストに基づくシミュレーションをどこまで信じるか

バックテストに基づくシミュレーションは投資の前提とはなる

 バックテストとは、過去のデータでシミュレーションをして、将来的なリターンの予測をすることです。

 

 コロナ以前は比較的債券が好調だったために、債券部分の比重にレバレッジをかけた商品が相次いでリリースされました。その後の暴落で目立たなくなりましたが、本来今はいい時期でしょう。

 

 また、昨今で言うと米国株が大変好調なため、米国株特にハイテクに比重を置いた商品に人気があります。

 

 これも広い意味ではバックテストに基づいた予見ということになります。

 

 シーゲル先生の言われるところの投資方法、シーゲル流投資術などもある意味ではバックテストに基づく予見です。あらゆる金融商品の将来価値は、過去のリターンをもとに予測されることが多いです。

 

 そういう意味では、どのような商品も不確実性というのもがあるのが投資です。逆に、不確実性が全くない金融商品、資産というのはありません。

 

 最も手堅く見える現金でさえも、政治の方向性一つで変わります。また、多くの日本人が好む保険もそうです。一見戻ってくる数字は最初のシミュレーション通りですが、通貨の価値が変動するからですね。

 

 さて、今回は保険業界の方から債券と株式投資のアセットアロケーションを最適化した商品がある、かもしれないということでご質問を頂戴しています。

バックテストに基づく、リターンを最適化したとする商品があります

たぱぞうさま


 初めまして、保険代理店勤務の20代後半のものです。


 毎日ブログを拝見させて頂いており、出版された本も拝読させて頂きました。あまりの分かりやすさに、資産運用の教科書として同僚や友人にもプレゼントした程です。


 さて、たぱぞうさまは保険と運用は分けるべきとの発信をなさっております。普段お客様に変額保険や外貨保険をご案内している私も正直な所、同意見です。実際、自身の運用は夫婦で積み立てニーサ枠と確定拠出年金を使ったインデックス投資をベースに趣味程度に日本、米国の個別株にて運用を行なっております。

 

(※あくまで保険としてもつことで長期保有につながりやすいことや税制上のメリットなど保険特有のメリットもあると考えてます。)


そこで質問が二点ございます。


 一つ目は教育資金の運用法なのですが、出産後すぐに始めた場合、大学入学までに18年という期間になります。期間的に安全資産にて運用するにはもったいない気がしますが、株で運用するにはほぼほぼ大丈夫かとは思いますが30年以上の長期に比べるとやや確実性に欠ける微妙な期間のように思います。たぱぞうさまであればどんな提案をなさいますでしょうか?


 二つ目は、とある保険会社が変額有期保険を扱っています。その運用先の一つに世界バランスという某社が運用している特別勘定がございます。株式投資の魅力度に応じて株式ポートフォリオと金や債券などの資産分散ポートフォリオを入れ替えながら運用を行なっているとのことでレバレッジも1.5倍かけています。

 

 魅力度の判定法としては独自の計算式がありAIによって自動的にリバランスされているとのことです。過去シミュレーションではS&P500を平均年利3%以上超える試算になるとのことです。本当にうまく切り替えながら運用することが未来の相場でも可能であれば、最強の投資法のように感じます。そんなことは可能だと思われますでしょうか?


 以上、お忙しい中大変恐縮ですが、ご返事頂けると幸いです。

バックテストは数ある判断の1つの要素に過ぎないということ

 金融商品は顧客への訴求力をどのように持たせるかというのが勝負ですね。例えば以下のようなものがあります。

  • 手数料
  • リターン
  • 節税
  • サービス内容

 このようなものです。おっしゃる通り、保険に関しては、節税とその商品の内容に強みを持つものがありますね。極端な話、ETFに入院保険を払わせることは不可能なわけです。

 

 保険のリターンは単純なETFや投資信託に明らかに劣後します。これは、手数料面で太刀打ちできないからです。それを補うために、高付加価値のサービス内容にして、訴求力を持たせるわけですね。

 

 ただ単純にS&P500連動商品を組み込んでもそのような商品になりません。そのため、レバレッジを組み合わせたり、アクティブに売買することでリターンを高めるとする付加価値をつけるわけですね。

 

 しかし、常に、毎年うたい文句通りのリターンを示す商品はほとんどないといってよいでしょう。それは、それらの商品のほとんどは何らかのバックテストに依拠した設計になっており、ある時点のバックテスト通りに将来がパチッと描かれないからです。

バックテストに基づくシミュレーション商品

バックテストに基づくシミュレーション商品

 これは該当商品のリターンです。コロナショック時には、およそ20%減価しています。これに対して円建てのS&P500はおよそ30%減価しましたから、所定の目的は達成されたかに見えます。下げ幅が小さいのは債券を組み込んでいるからですね。ただし、昨今はそのためリターンが弱いですね。

 

 多分に漏れず、債券を多く組み込んだ商品はバランスファンドも含めてそのようなリターンになっています。債券安だからです。結局のところ、既存の商品を超えることは難しく、リリースされた瞬間に自らも成果が試される存在となるわけです。

 

 最後に、1つめのご質問ですがNISAのようなものを念頭に置くと、運用機関が長いならばリスクを取ってもよいでしょうね。10年だとやや不確実、15年、あるいは20年だとほとんど確実に元本を割れることはないといってよいでしょう。

 

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