ひふみ投信・ニッポン中小型株ファンド・ジェイリバイブというアクティブ投資信託
ひふみ投信・日本中小型株ファンド・ジェイリバイブというアクティブ投資信託は株価が好調な時には特に注目を集め、リターンも驚異的でした。
ひふみ投信は藤野英人氏、ニッポン中小型株ファンドは苦瓜達郎氏というカリスマファンドマネージャーが運営しています。そのカリスマ性がそのまま安心感につながり、大きく買われてきました。
その後、ジャスダックやマザーズが大きく崩れ、パフォーマンスを落としています。
「人の行く裏に道あり花の山」ということで、パフォーマンスの落ち着いている今こそ改めて取り上げてみたいと思います。
ひふみ投信・ニッポン中小型株ファンド・ジェイリバイブのパフォーマンス比較
それでは、この3つのファンドの最近のパフォーマンスを比較してみましょう。
6か月チャートでは中小型株の特徴が顕著に確認できる
これは6か月チャートですね。
青:ニッポン中小型株ファンド
赤:ひふみ投信
緑:ジェイリバイブ
参考指標としてJASDAQと日経平均をそれぞれ入れています。この3つのファンドは中小型株に強みを持ちます。そのため、きれいにJASDAQと相関しているということがわかります。
日経平均に劣後する半年でしたが、日経平均は大型株の指数なので弱気相場では幾分マイルドな値動きをするということが確認できますね。ファンドによっては30%近い下げを示しており、完全に弱気相場に入ったことを示しています。
2年チャートでは相場環境の変化がきれいに見取れる
2年チャートで見ると、2018年2月からきれいにチャートが崩れているのがわかります。2017年は調整が全くない稀有な年でしたが、2018年からはダラダラと下げ続ける相場になっていますね。この対比が非常にきれいです。潮目が変わったことがはっきりわかります。
年央にかけて株高を演じた米国市場と対照的な形になっています。しかし、米国市場も2018年末に調整入りしています。
5年チャートで顕著なジェイリバイブのパフォーマンス
最後に5年チャートです。緑のジェイリバイブのパフォーマンスが非常に良いですね。ただし、上昇も下降も他のファンドよりも大きくなる、つまり大変ボラタイルな傾向を示すことは知っておいたほうが良いですね。
6か月チャートで最も下げているのがジェイリバイブですから、小型株がより多い、そういうファンドであるということですね。
また、ニッポン中小型株ファンドは日経平均、JASDAQといった指数に負けてしまっています。相場の強いときにはオフェンシブに上昇をとらえることができましたが、相場の弱いときには課題がありそうですね。
これは非常に示唆に富んでいます。カリスマファンドと言えど、指数に勝つのはなかなか難しいということの1つの証左だからです。また、強気相場ならば指数以上に上昇する可能性を秘めた投資方法を持っているファンドとも言え、相場環境を見極めた投資が必要になりそうです。
3ファンドの評価とまとめ
米国におけるヘッジファンドもそうですが、カリスマファンドマネージャーのいる投資信託というのは多分に属人的です。逆に言うと、そのファンドマネージャーの考えを理解しておくことが必須といえます。
相場環境によってパフォーマンスは大きくぶれますが、ファンドの方針が大きく変わったわけでもありません。ここではJASDAQを参考指標として引用しましたが、期間によってはマザーズはもっと大きな変動がありました。
中小型株にフォーカスした投資信託である以上、マザーズ指数やJASDAQ指数とのある程度の相関は避けられません。その特性を踏まえて買っていくというのが大事ですね。
中小型株の上昇が魅力ならば買いでしょうし、もっとマイルドな動きを求めるならば大型株指数連動の商品ということになります。どちらが優れているというよりは、設計思想の違いであり、投資方針の違いということになりますね。
成果が出ているから買う、テレビで紹介されたから買う、というスタンスだと過熱した時に買い、売らなくてよいときに売るということになりかねません。ファンドによっては人気がありすぎて買えないという時期もありましたから、今思えばやはり異常だったのでしょうね。
まさに「人の行く裏に道あり花の山」ですね。
- ファンドの考え・設計思想を理解した上で投資をする。
- JASDAQやマザーズとの相関性を知っておく。
- 大手メディアに取り上げられている時は過熱感が無いか割り引いて考える。
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今の相場環境は厳しいですね。思いがよく伝わる、個人的には良い投資信託だと思っています。ただ、テレビの影響や、上昇を信じて飛びついて買ったような場合は手放したくなるタイミングかもしれませんね。
長期積立投資では海外株を組み込むというのは投資の大前提だと考えます。海外の成長を取りこみつつ、外貨を獲得していくというのが1つの理想の投資です。人口が劇的に減少していく中での経済活動は簡単ではありません。
つみたてNISA元年は非常に厳しい結果になりましたね。しかし、出口で不調よりは良いでしょう。淡々と積み立てていくだけですね。