たぱぞうの米国株投資

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50歳から始める!老後のお金の不安がなくなる本

50歳から始める!老後のお金の不安が無くなる本

 「50歳から始める!老後のお金の不安が無くなる本」をご紹介します。著者は竹川美奈子氏です。

 

 本書は、以下のようなポイントを丁寧に解説しています。

「老後のお金の不安をなくす」ポイント

  • 老後に必要なお金は1人ひとり違う。自分の状況を知ることが大事。
  • 公的年金は長生きに備える最強の保険。選択次第でふやせる。
  • 自分の会社の退職給付制度をしっかり把握する。
  • 年に一度、決算をして家計を「見える化」する。
  • つみたてNISA、iDeCoをフル活用して老後資金をふやす。
  • 退職一時金、企業年金の受け取り方で、税金、社会保険料が大きく変わる。
  • 公的年金を繰下げ、私的年金を「中継ぎ」として活用する。
  • 公式を使って、リタイア後の毎年の引き出し可能額を決める。

 見てお判りいただけると思いますが、株本や相場本というよりは、年金や非課税制度を活用した上での資産運用本となっています。つみたてNISAやiDeCoといった有名な制度だけでなく、小規模企業共済など個人事業者向けの制度なども取り上げられています。

 

 お金を増やす、守るための仕組みをこの1冊でカバーしているということになりますね。「50歳から始める」というタイトルの通り、特に退職後の生活をイメージできるようになる書籍です。

老後のお金の不安を無くす

 老後のお金の不安が昨今叫ばれています。年金不安は時々話題になっていたものの、一部の好きな人が話題にする程度でした。

 

 少なくとも10年、あるいは20年前にここまで騒がれることは無かったのですが、やはり時代なのでしょう。「老後不安」や「老後破産」という言葉を随分目にするようになりました。

 

 不安ならば貯蓄なり運用なりすればよいのですが、50代限定となると、やや退職までの時間が短いですね。

 

 時代の流れとして、資産運用で老後に備えるという空気が以前は薄かったですね。収入があれば、それだけ消費に回す、貯蓄は少々、そういう家庭も少なくありませんでした。ましてや投資をしている家庭となると、ほとんどありませんでしたね。

 

 正直、資産運用で老後の生活を安定させるには、50代というのはなかなか難しい年齢です。10年20年以上見通して投資をするのは比較的簡単ですが、50代だと少々時間が短いのですね。

 

 しかし、ぶれずにコツコツと投資をするということに関しては、やはりやったほうがよいのは事実です。本書であるように、つみたてNISAや類似した方法がもっともシンプルなやり方ということになるのでしょう。

積立期間の長さで資産運用成績が変わるというシンプルな結果

 全世界株を対象に10年積み立てた場合と、15年積み立てた場合のリターンのグラフがありました。これが大変興味深いので、さわりだけご紹介します。それぞれ、1974年からと、1984年からのデータになっています。

 

  • 10年積み立てた場合

 2008年と2011年に取り崩したときにマイナスになっている。

 

  • 15年積み立てた場合

 2008年と2011年に取り崩したときに「やはり」マイナスになる。

 

 2008年は言わずと知れたリーマンショック直後ですね。

 2011年はギリシャショックなど南欧の信用不安があった時です。

 

 取り崩しの年にリセッションがあると、著しく投資効率が落ちるという例になっています。これが20年を超えると、マイナス運用になる年はゼロということになります。

 

 シーゲル先生も言われるように、つみたて投資の目安は20年となります。やはり長い年限を取った運用というのは難易度が下がりますね。若い時から投資に取り組むことの大事さというのは、こういうところにあります。

 

 個人的には30年ぐらい見ておいたほうが良いのではないかと感じています。一部の地域を除いて、世界経済の鈍化が見込まれるからです。 

 

 使える制度が満載の本になっています。

50歳から始める!  老後のお金の不安がなくなる本

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関連記事です。

  定年退職後の生活を不労所得で補っていくという記事です。ある程度の資産を若いうちから作っておき、それを取り崩したり、はたまた配当・分配金収入を得て生活レベルを保つというのが1つの理想ではあります。

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