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築30年の相続戸建て、売るべきか貸すべきか?家族4人の最適解とは

実家の戸建てを相続し、迷うケースが増えている

 昨今、実家や祖父母の戸建てを相続し、ご相談いただくことが増えています。高齢化社会と言われるだけあり、かつての株式ポートフォリオの相談よりも多いかもしれません。

 

 私自身、義理の実家の祖父母の家を相続放棄した経験があります。財産になる家と放棄したほうがいい家、いろいろありますが、目線を事前に持っておいたほうがいいのは株式投資も変わらないですね。

 

 さて、今日は築30年の相続戸建てに関してご相談を頂いています。

築30年の相続戸建て、売るべきか貸すべきか?家族4人の最適解とは

はじめまして。
いつもブログを拝読し、勉強させていただいております。

 

この度、親が住んでいた木造の戸建て住宅を相続する事になりました。

 

築30年程経っているものの、最近まで住んでいたので、随時エアコン等の設備の買い替えや、不具合箇所のリフォームをしており、しばらくは人が住める状態になります。

 

近隣の相場感から、売却をすると(土地代のみで)1,500〜1,700万円程で売れそうでして、貸すと家賃が12万円/月で貸し出せそうです。
(近隣で同じぐらいの築年数の家が12〜14万円で貸し出されております。)

 

ただ、当然ですが建物の老朽化が進みますし、貸した場合の経費や管理の手間もあり、売却すべきか貸すべきかを悩んでるおります。ちなみにまだ人口が増えているエリアのため、今後急激な地価下落はなさそうです。


家族の状況

  • 夫婦(共に45歳で共働き)と小学生2人の4人世帯
  • 持ち家ローン残り25年、残債約2,000万円(金利全期間固定)
  • 世帯年収1,000万円ほど
  • 車2台所有(ローンは無し)

資産
夫婦合わせて

  • 預金200万円
  • 個別株(日本・アメリカ・ETF) 800万円
    →年間配当が税引き前で28万円
  • 投資信託400万円
  • 外貨建て積立型保険(ドル・ユーロで支払い中)600万円
  • 学資保険(支払い済み)700万円
  • 純金積立100万円

 夫婦共に中小企業で働いており、妻の会社は退職金無し、私の会社も60歳まで働いても300万円程と少ないため、iDeCoの資産が現在200万円程となります。

 

相続する戸建て住宅の扱いにつきまして、アドバイスをいただけますと幸いです。

よろしくお願い致します。

不動産賃貸業に片足を突っ込む覚悟が問われるが、売却が無難

 結論から申し上げますと、売却が無難でしょうね。以下、整理しつつ回答していきます。

 

1.物件としては手入れがされていてよい状態

 物件の概要と賃貸収益の見込み今回相続される戸建ては、築30年ながら直近まで居住されていたとのこと。エアコンや設備の更新、部分的なリフォームもされており、しばらくは住める状態ということですね。

築30年の相続戸建て、売るべきか貸すべきか?家族4人の最適解とは

築30年の相続戸建て、売るべきか貸すべきか?家族4人の最適解とは

 近隣相場では、売却すれば土地値で1,500〜1,700万円ほど。もし賃貸に出せば月額12万円(年144万円)の家賃収入が見込めるとのことです。表面利回りで見れば、実に9%台。好立地リフォーム済み戸建てとして考えるとまるまる手に入ったのは僥倖ですね。

 

2. 売却のメリット

 

 一方で売却の最大の魅力は、資産の即時現金化です。築30年の木造住宅であれば、住める状態とはいえ、5年後・10年後には大規模修繕の可能性が高まってきます。

 

現金化することで、例えば:

  • 教育費の積立
  • 投資資産の追加
  • 住宅ローンの繰上返済

など、ご家庭全体のキャッシュフローを安定化させる手段にもなります。何より、シンプルに金融資産だけで生活を考えることができるのが一番のメリットですね。

 

3. 賃貸運用のメリットとリスク

 一方で、賃貸としてのポテンシャルも無視できません。ざっくり計算してみると、以下ぐらいでしょうか。

 

年間家賃収入:144万円
想定経費(管理・修繕・保険・税金など):▲50万円前後か
手残り収入:約90〜95万円/年

 

 このように立地を考慮すると優良なキャッシュフローです。特に、土地が広く駅距離も悪くなければ、今後も一定の需要が見込まれるかもしれません。

ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 入退去時の修繕費が突発的にかかる
  • 長期空室リスク
  • 将来的な建物設備の劣化による修繕費
  • 管理の手間と心理的負担(特にご夫婦ともフルタイム勤務の場合)

 これらを総合的に見て、「不動産賃貸業に片足を突っ込む覚悟」があるかどうかが判断の分かれ目になります。さらに維持拡大したいと思えるかどうか、ですね。

 

4. 家計全体から見た最適解

 ご家族の資産状況を拝見すると、資産形成は着実に進んでおり、iDeCoやETFなどの積立・配当も良好です。ただし、現預金がやや薄く、住宅ローンもまだ25年残っている状況です。

 

 お子様の教育費が本格的にかかってくる時期でもあり、「手元資金の厚み」を作っておくことはリスク管理として意識されてよいでしょう。

 

 そうした観点からすると、今このタイミングで売却し、流動資産を増やす判断は合理的です。賃貸業は若干の不確実さを含みますが、現金化は確実性が高いです。

 

5. もし賃貸に出すなら「出口戦略」を持つ

 それでも「不動産の運用を一度経験してみたい」「長期的に収入源として活用したい」というお気持ちがある場合は、10年以内を目処に貸し出し、状況に応じて売却を検討するといった形での運用もありでしょう。

 

 また、管理はご自身で行わず、管理会社への委託を前提にしておくことで、ご家庭への負担も抑えられます。

 

 現時点では、売却して流動性のある現金を確保する選択がもっとも堅実でリスクが少ないと思われます。ただし、賃貸業に魅力を覚えるならば、失敗の少ない良い教材になる可能性があります。何事もやってみないと、向き不向きが分からないのも事実です。

 

 あとはメールした通りです。ちなみに売却であれば、友人が業者なのでお力添えできる可能性があります。全国扱っていますので、興味があればお声かけください。

 

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