たぱぞうの米国株投資

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首都圏で資産を築く!王道の不動産投資

他の不動産投資関連本とちょっと毛色の違う本

 米国株ブロガーのたぱぞうです。

 

 今回は、不動産本ということで「首都圏で資産を築く!王道の不動産投資」を紹介します。2億のレバレッジを効かせ、一棟アパートを都内に購入した友人から借りた本ということになります。

 

 私は不動産投資に関しては特段の知識を持ち合わせていませんので、「餅は餅屋」ということで友人の推薦図書を中心に目を通すことにしています。私の投資の柱はいうまでもなく長年親しんできた株式、さらに米国株です。

 

 ただ、知識というのはお互いに何らかの相関がありますから、不動産を始めとする投資案件に一通り触れておきたいと思っています。そのため、最近では不動産関連の情報にも目を通すようにしています。

 

 著者の村上俊介氏は不動産投資塾などを主宰されている方ですね。

株式会社コン・パス コーポレートサイト

 村上俊介氏の投資塾はそれなりに値段もはるようで150万円という噂もあります。その金額が妥当かどうかはともかく、新たなジャンルの投資を始めるならばやはりそれなりのお金を払って情報を得るのは必要経費かもしれませんね。

 

 なぜならば、株以外の投資はどうしても集中投資にならざるを得ず、より慎重で的確な判断が必要になるからです。また、流動性も株に比べると低く、「ダメだったから売ろう」ということさえもままならないケースがあります。

 

 そして何よりも、同じ物件は2つとないですから、再現性が低いということです。つまり、サイトを巡回して銘柄分析をして、真似をする、こういう投資法が利かないのです。そういう意味ではより玄人好みな投資ジャンルです。

 

 そうした特性から、不動産投資は単なる投資の枠を超えた、事業という意味合いが強いと言ってよいでしょう。

 

 そしてこの本は、いわゆる不動産成功本などと違い、成功体験の紹介よりも事業としての不動産投資について語っている本です。

首都圏で資産を築く! 王道の不動産投資

首都圏で資産を築く! 王道の不動産投資

 

 セミプロ投資家だけが生き残る時代

 不動産投資業界は今、二極化していると言います。うまくいっている人とそうでない人です。多くの人は、うまく行っていない、なかなか現金が増えないということです。不動産業界は販売業者、仲介業者、銀行、そして私たち投資家がいます。

 

 三者三様に利益を求めるわけですから、知識と経験のないままに参入してもそのままプロに利益を持っていかれてしまいます。

 

 「不動産業者は投資家の利益のために動くことはない」という言葉が本書にありますが、それはその通りだと思いました。そのためには、買う前に十分な下調べが必要だということです。

 

 買った後の運営もさることながら、買値がその後の資金繰りを決めると言って良いでしょう。

 

 購入後100%収入が下がり続けるのが不動産であり、年数とともに家賃は下がり、修繕費などの経費は増える。空室リスクも上がる。それに対して減価償却の効果が切れたときに税金が上がる。

 

 また、元利均等で借りると利息は経費になるので利益を抑えられますが、資産として扱われる元金の割合が増えますので、数字上の利益があがり、これも税金が上昇する理由の一つになります。

 

 こうしたことから、焦ることなく、利回り、借入を含めた損益ラインの見極めが必要であることが分かります。

バランスシートを意識する

 本書ではバランスシートの大切さについて述べてあります。固定資産税評価額以上の借り入れをしないということです。実勢価格が下がっても、評価額は動きが少ないために、純資産をプラスにしやすいということです。

 

 おおむね都心部では評価額以上の実勢価格が出て、地方では評価額に近似した実勢価格になると言います。そのため、銀行からすると地方の物件のほうが融資をしやすいわけですが、売るに売れない物件をつかむ可能性も増します。

 

 この固定資産税評価額を超える部分に関しては現金を入れて、バランスシートを借り入れ可能な状況にしておくのがスタートラインだと言います。

 

 そのうえで、個人だと5年以内の売却、短期譲渡所得で39%の税金、長期譲渡所得で20%の税金ですから5年に1回程度の売買を勧めています。

事業戦略は「財務3表」で考える

 財務3表とは、以下の通りです。

  • 収支計算書(CF)
  • 損益計算書(P/L)
  • 資産残高表(B/S)

「収支計算書」

 現金の出入りを表します。売却金額から、仕入れ・経費・税金を引いたものです。つまり、手元資金を知ることができます。これがマイナスになると、資金を持ち出している状態になります。

「損益計算書」

 家賃収益から経費や減価償却を計算し、税金の見通しを立てます。損益を出して、税金を決めるということです。

「資産残高表」

 資産と負債を見ます。資産とは、負債+純資産です。元金を返済していくと負債が減り、減価償却を計上すると不動産資産の簿価が減るということになります。これらを反映させて資産残高を見ていくということです。

 

 もちろん、純資産が多いほうが銀行から借り入れがしやすくなります。この負債をどのようにコントロールして減らしていくのかということが経営上大事になります。

 

 ただし、簿価と実勢価格は違いますので、思いもよらない下落があると、一気に負債の割合が増えます。

 

 本書では具体例を挙げて、財務3表を使った不動産投資について詳述しています。

 

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 不動産投資が決して生易しいものではないことを感じさせてくれる良書です。基本的に日本は人口減に転じています。どの場所で、どのような物件を買うべきなのか、改めて考えさせられます。著者である野澤千絵氏は都市工学の教授です。

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