たぱぞうの米国株投資

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株式ならば米国株。その他の投資は模索中。

 米国株集中投資と各国株式・債券の概要

 米国に集中投資をするのが良いのかどうかということに関してご質問をいただきましたので、以前書いた内容にプラスして少々触れておきたいと思います。

 

 まず、株式・債券に限った分散先としてはこのようなものがあります。

  1. 日本株式
  2. 先進国株式
  3. 新興国株式
  4. 日本債券
  5. 先進国債券
  6. 新興国債券

 単純にこのような分類になります。この6つを全て網羅したものがバランスファンドということになります。バランスファンドは手間を惜しむ場合は有効です。しかし、手間を外注しているともいえるので、比較的高い信託報酬であることを知っておきたいです。

 

 それぞれざっくりとした特徴に触れておきます。

1「日本株式」

 以前は高すぎるボラティリティと、成長性に対する疑義、株主保護の観点の欠落から投資対象としては腕に自信のあるプロ向きと言えるものでした。しかし、成長性の低さを織り込みつつあること、日銀の巨額なETF買い入れから安定性が出てきています。

 

 しかし、東京電力や東芝、タカタの例を見るまでもなく、有名・有力企業であっても株主が最終的に大きな痛手を負う可能性は依然として残されています。そういう意味では先進国株の中でも比較的ハイリスクであると言えるでしょう。

 

2「先進国株式」

 米国株以外の先進国株は、成長性は高くありません。そのため、インデックスよりもむしろ、個別株の比較的高い利回りが魅力ということになります。ロイヤルダッチシェルやネスレ、ディアジオ、アンハイザーブッシュインベブのような国際的な強みある企業に投資ができます。

 

 英国株や豪国株の場合は外国源泉徴収税がかからないという利点もあります。日本からは買いにくく、米国市場のADRを通して買うのが一般的です。ただし、日本株式と同様に先進国株は世界経済が危機に陥った場合、リーマンショックやギリシアショック、チャイナショックの例を見る限り、米国株のインデックスよりも値下がり幅が大きいです。

 

3「新興国株式」

 比較的高いと思われる成長性が魅力です。ただし、いくつか注意が必要です。まず、新興国株式インデックスと言いつつも成熟国化している韓国株式などを組み込んでいる場合があることです。

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 つまり、新興国といっても人口ボーナスを終えつつあり、成長性の旨味が薄れている国があるということです。

 

 通貨の価値が安定せず、政情や法律も先進国に比べるとリスクがある中で新興国投資をする旨味はズバリ成長性です。そのウリである成長性が鈍ってくる国が含まれているケースがあるのです。

 

 また、個別株の場合はその国の通貨の弱さ、インフレにも注意が必要です。例えば、ベトナムやインドネシアは高い成長率を誇りますが、同時に5~8%にも及ぶインフレがありました。これからもさほど変わらないでしょう。

 

 そうすると、そのインフレ率を上回るリターンが無いと、実質目減りということになります。特にベトナム株は過去に長い停滞期がありましたので、その頃に投資をしていた人はインフレ分も含めて大きく資産を毀損させたことになります。

 

4~6 「各国債券」 債券は株式ほどのリターンは期待できませんが、安定性と利回りが魅力です。生債券を直接買う方法もありますが、ETFを通して買うというさらにリスクを分散させた形もあります。

 

 先進国債券は利回りが低いぶん、リスクも低いと見られています。投資資金が大きくなれば、このようなディフェンシブな商品に投資をし、スケールメリットを生かすという手もあります。

 

 ただし、日本債券は利回りが低すぎ、個人投資家の規模ではほとんど意味がありません。預金よりはマシというところです。また、新興国債券は利回りは高いものの、その国の通貨リスクを始めとする安定性の低さを意識することになります。

 

 したがって、先進国債券が最も手を出しやすいということになります。具体的には米国ETFであるBNDやAGGが買いやすいでしょう。株式投資の補助的な役割として使うには妙味があるのがこの債券です。

 

 これらのことを踏まえて、ご質問を紹介します。

米国株集中投資の意味とは?

 いつもブログ楽しみに読まさせて頂いております。かずと申します。
 とっても勉強になり、心より感謝申し上げます。

 

 さて、本日は質問をさせて頂きたくご連絡させて頂きました。分散投資(米株・日本株・新興国株)についてですが、たぱぞうさんのブログを読んで、米国株のみの投資で十分なのではないかと考えております。


 一方で、山崎元さんの書籍やインデックス投資家の方々のブログを拝見していると、リスク・リターンを平準化させる(リターンの減少以上にリスクの減少幅が大きい)為には日本株式や新興国株式にも分散投資すべしと米国株以外の金融商品への分散投資が薦められておりました(たしか、米株:日本㈱:新興国株=4:4:2とかでした)。

 

 たぱぞうさんは米国株のみの資産運用で十分だとおっしゃられており、私も賛成の立場ですが、米株以外に分散投資しない理由を自信を持ってできないのも私自身の実情でございます(リターンは下がるが、リスクもそれ以上に下がるのだから、米株以外にも分散投資すべきなんじゃないの?との自問に対して、自信を持った解を持ち合わせておりません)。

 

 今一度、たぱぞうさんの米国株一辺倒投資のお考え方をご説明頂けませんでしょうか?何卒宜しくお願い申し上げます。

米国株以外の金融商品への分散投資

 ご質問ありがとうございます。現在私が投資しているのは米国株と欧州株少々です。債券はウェルスナビを通して若干のAGGを持っているだけです。

 

 株式と債券に関する限り、米国株の優位性は揺るがないと思っています。とくにリターンにおいてはそうでしょう。リスクにおいては先進国債券も強みがありますが、私個人としては債券投資というのは行っていません。

 

 これは株式・債券に関する限り、米国株が最も安定的な成長をするはず、という考えに基づいてのことです。株式に関するリスクは前述の通り、先進国株・日本株のほうが高いです。

 

 昨今は世界株式という意味では似たような値動きをするので、最も成長が見込めて、最も安定的な米国株を選好していれば良いのではないかということです。

 

 例えば日本株が下落しても米国株が下落しないことはあります。しかし、米国株が下落して日本株が下落しないことはほとんどありません。これは他国との関係においてもそうです。

 

 ただ、個人的には株式・債券以外の投資、例えば広い意味での不動産なども視野に入れてよいかと思い始めています。市場の影響を受けないような安定的な投資先があるならば、それも投資先に加えておきたいということです。

 

 真の意味での分散投資というのは、株式・債券にこだわりすぎないことでしょう。これに関しては、何らかの確信が具体的数字をもって上がってきたらご紹介したいと考えています。

 

 投資先のさらなる分散を考え始めている理由は、リーマンショック以後の景気拡大が少々長すぎると感じていること、米国株PERが20倍を超える状況で以前のように積極投資がしにくくなってきていることがあげられます。

 

 ただし、これは2014年ごろから感じていたことです。もし2014年で投資をやめていれば、機会損失をしていたことになります。そのため、キャッシュに対する投資金額を決めて機械的に買い増しをするというのは理にかなっていると実感しています。

 

 当面は10%から20%のキャッシュポジションを保ちつつ、米国株追加投資、さらなる投資先の選定を続けていくということですね。環境や条件をみて、その場で適した投資をする柔軟性を持ち合わせていたいと思っています。

 

 とはいえ、米国株が私の投資の一番の柱であることは間違いのないところです。

 

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