たぱぞうの米国株投資

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投資と投機の違いを理解することから資産形成はスタートする

投資と投機の違いを理解することから資産形成はスタートする

 投資と投機は違いますね。この2つの違いを理解しておくことは大事です。

 投資は資本・資産を増やすために資金を投じることを指します。

 投機は短中期での価格変動で利益を得ようと資金移動させることを指します。

 

 投資が良く、投機は悪いという文脈で語られがちです。しかし、それはちょっと違いますね。要は性質が違うということに過ぎません。さて、今日はこの投資と投機についてのお話となります。

なぜ長期投資が投資とされ、投機などは否定されることが多いのか

たぱぞう様 

いつも非常に有益な情報をありがとうございます。
アラフォー既婚男性です。2点質問がございます。

 

 ①毎月分配金型投資信託が問題視され不人気商品になったのに対し、なぜ米国高配当投資がこれほどまで人気が高まっているのでしょうか?複利効果を放棄して配当をもらいながら、キャピタルゲインにも期待したいという点で性質は似ていると思います。

 

 かくいうわたしも最近から一部ポートフォリオを移行し、VYM定期買付をスタートした身ではあるのですが、このまま続けて行っていいものか実際半信半疑ではあります。

 

 かつてグローバルソブリンが世間で持て囃され5兆ほど資金を集めたのち、その後人気凋落していくのを私自身当時販売員をしながら目の当たりにしていたので、もしかしたら米国ETFもなにかのきっかけで同じような道をたどっていくのでは、などということも考えます。

 

 ②FXによる運用が投資ではなく投機とよばれ、資産運用の選択肢としてあまり挙げられないのはなぜでしょうか。

 

 資産運用に長期という要素が非常に重要なことは自分でも理解しているのですが、長期運用一辺倒を推奨するような投資推奨記事に疑問を感じています。

 

 総資産の半分をFXで運用し約10年経ち短期運用手法として有用だと感じていますが、サラリーマン投資家目線で税制面の優遇は乏しく収集できる情報も株式や投信にくらべ圧倒的に少なく阻害感を感じながら孤独な運用をしています。

 

 FX=博打との世間的イメージも影響しているのでしょうか。投資手法としてもっと世間に浸透してもよいのではと感じます。

 

ぜひ たぱぞう様のご意見をうかがえたらと思います。

誰もが儲かる投資と人を選ぶ投機、それぞれ見極めるということ。

 毎月分配型投資信託と米国ETF投資は根本的に大きく性質が異なります。投資信託は元本を削って分配金を出すことが仕組み上できます。そのため、毎月分配型投信は元本を削って分配金を出し、名目上の利回りを上げているケースが多いです。

投資と投機の違いを理解することから資産形成は始まる

投資と投機の違いを理解することから資産形成は始まる

 これは問題があります。元本が徐々に減っていくので投資効率が落ちるということです。もし毎月分配金が欲しいならば、手元資金の何%かをきちんとした投資信託に投資をして、手元資金の何%かを取り崩し専用の現金としておいておけばよいのです。


 配当控除を狙いに行くという発想もありますが、あえて毎月分配型投信で配当控除を狙う意味はこれまた全く無いと言ってよいでしょう。他に純粋に配当や分配金を出す国内金融商品があるからです。

 

 たまに「老後の収入確保のニーズに応えた商品、それが毎月分配型投信である。一律に批判するのは無意味である」というような主張を見ます。そうした主張は根本を理解していないか、なにか利害が絡んでいるかのどちらかということになります。


 これに対してETFの分配金は仕組み上、利益からしか出せません。つまり、元本を削ることが認められていません。そのため上記のようなおかしなことが起きないのです。

 

 また、米国株は日本株と違い右肩上がりで価値が上昇していきます。シンプルに言うと、殆ど毎年EPSが向上し、配当金額も増えています。これは一部の企業だけではなくS&P500指数など指数全体でそのようになっています。

 

 インデックスの基本は価値が上昇する指数に投資をすることです。


 世界を見回してもこのような国、指数は多くありません。逆に特殊なのです。今のところ、米国株投資が株式投資において最もハードルが低く、簡単なのはこのような背景があります。拙著やブログで表現してきた内容に言い換えると、成長性があり、法整備がされているということになります。


 また、FXはどうして投機と表現されるかということですが、これは長期で価値が上昇しないからです。通貨は減価するのが基本で、投資は将来的に価値が上昇するものに資金を投じるのが基本となります。

 

 そのため、FXは通貨の上下動に合わせた、短中期の資金移動に適した投機先となります。その時々でオーバーシュートした値付け間違い、アービトラージを狙った投機ということです。これは記事の冒頭に記した言葉の意味そのものになります。


 ただし、誤解があるのは事実です。投機がいけないわけではありません。要は自分に合った資産形成ができれば良いのです。


 FXのうねり取りが得意な人はそれで資産を増やせばよいのです。FXを始めとする投機を目の敵にするのは違うということです。ただ、株式投資ほどFXが広く支持されないのは以下のような特殊事情もあります。


 まず、アフィリエイト目的の広告が多すぎることです。純粋なFX投資家は多くなく、殆どがどこかの会社と結びついています。その方が投機で儲けているのか、それとも広告で儲けているのかを見抜く目が無いといけません。それができないと、いつまでたっても意味のない資金移動を続けることになります。


 2つ目は単純にうねり取りが難しいことによります。価値が上昇し続けるアセットに投資をするのは簡単です。なぜならば、放っておけば儲かるからです。価値が減るもので儲けを出すのは簡単ではありません。放っておけば損するからです。FXの世界は誰もが儲かるわけではないので、常に新規参入者を迎え入れる必要がある世界になります。


 ちなみに、太陽光投資や不動産投資も基本的に多くは減価するものに投資することになります。建物や設備は経年劣化で償却されるからです。ただし、これらは融資があったり、リノベ再生があったり、そういった他の要素で価値が可変します。また、アービトラージ、つまり歪みも大きいです。そこに妙味があるのですね。


 質問者さんはFXを10年なさって成果を出されているならば、センスがあるのです。それはそれで継続なさったらよいですね。投資や投機は平等です。理屈以上に数字が大事だからです。

 

 残念なことに理屈では全く正しいことを言っていても、それほど資産形成が進まないケースもあります。正しい投資・投機とは何か。数字なのです。


 数字で評価される世界、こんなにシンプルな世界はないのですね。これほど平等な世界は同様に数字、つまり点数だけで評価される受験勉強ぐらいではないでしょうか。逆に言うと、だから楽しいともいえます。

 

 ご質問ありがとうございました。

 

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