たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

ゼロサムゲーム・マイナスサムゲーム・プラスサムゲームとは

ゼロサムゲーム、参加者の期待値がゼロになるゲーム

 ゼロサム(zero-sum)とは、平たく言うと参加者全員の掛け金の足し算が常にゼロになることを言います。 これはゲーム理論と言って、応用数学の1つです。ゼロサムゲームはある意味では公平なギャンブルです。

 

 なぜなら、明確に勝ち負けがあり、負けにも限りがある場合がほとんどだからです。ただし、レバレッジを効かせるとゼロサムゲームの範疇を超えてくることになります。

 

 ゼロサムゲームをする場合には、無理せず最悪を想定して、負ける可能性も踏まえて参加するというのが健全でしょう。

ゼロサムゲームの単純な例

 例えば、友達同士でやるマージャンやポーカーゲームがゼロサムゲームです。プラスマイナスゼロ、つまり総和がゼロになるからです。

 

 例えば、Aさんが1万円勝ち、Bさんが3万円勝ち、Cさんが4万円負ける。全部足すと0円になります。Cさんの1人負けです。こういうゲームのことをゼロサムゲームと言います。

 

 FXもゼロサムです。厳密にはFX会社の手数料があるので、微妙にマイナスサムになりますが、ほとんどゼロサムと言って良いでしょう。儲かる人がいれば、どこかで同じだけ損をする人がいるということです。

 

 ただし、レバレッジはゼロサムゲームとは言え勝ち負けの幅も大きくなりますから注意が必要です。私はFXのような政治的かつ恣意的な要素の強いゲームには、今は参加していません。

マイナスサムゲーム、複数回参加すれば必ず損するゲーム

 参加者のほとんどが負けるのがマイナスサムゲームです。参加者が必ずマイナスになるという、結果を知っていれば誰もが参加しないゲームです。公平さをよそおっていますが、公平ではありません。胴元が必ず儲かるからです。

 

 結果が分かるならば参加者はほとんどいないはずです。しかし、二つの理由から参加者が後を絶ちません。代表的なマイナスサムゲーム、還元率の低い宝くじを例にとってみましょう。

マイナスサムゲームは「いつでも、どこでも、誰でも」買いやすいゲーム

 マイナスサムゲームの代表格である宝くじは、誰でも100円から購入することができます。しかも購入できる場所は街中のあちこちにあります。駅前であったり、ショッピングモールであったり・・・。特別な知識が全くいらないのも魅力です。

 

 気軽に誰でも、思いついたときに参加できるところに売り場があります。日本だけでなく、海外でもあちこちで見られます。海外では個人販売でところかまわず出店し、歩合になっている場合もあります。

 

 つまり、「いつでも、どこでも、誰でも」気軽に買えるというのはそういうことです。

マイナスサムゲームは簡単に夢を見られる

 「宝くじは買わなきゃ当たらない」というあおり文句があります。1億円とか3億円とか言われて夢見ない人はいません。当たったらどうしよう、何を買おうかな、という夢を見た人は大勢いるのではないでしょうか。取らぬ狸の皮算用というのはとっても楽しい夢なのです。

 

 宝くじ、これは本当によくできたシステムです。実は46.5%しか購入者に還元されません。すさまじい儲けのシステムです。還元率がこのように100%に満たないもの。これがマイナスサムゲームです。

 

 1000億円の宝くじを募集したとします。465億円が当選者の取り分です。全てのくじを購入しても465億円しか返ってこないのです。残額535億円がまるまる胴元の儲けです。印刷代や人件費を差し引いても高収益であることは間違いありません。

 中毒性の高いパチンコ、競馬、競艇もマイナスサムゲーム

 他のマイナスサムゲームは、競馬、競艇、パチンコなどがあります。

 

 ちなみに競馬・競艇は75%の還元率です。パチンコは70%から90%と言われています。これは店によります。

 

普通の街中に賭場場があちこちある国はほとんどない

普通の街中に賭場場があちこちある国はほとんどない

 競馬や宝くじで身を崩す人は少ないです。パチンコでは中毒になる人がたくさんいます。それは、気軽に毎日行けて、その場で結果が出るからです。脳内麻薬という言葉がありますが、うってつけの環境と言って良いでしょう。

 

 還元率こそ「マシ」ではありますが、マイナスサムゲームのギャンブルであることに変わりはありません。それに対して競馬や宝くじは毎日ありません。そして、どこでも買えるわけではありません。

 

 同じような賭場にカジノがありますが、気軽に行けないように国民が生活する地域からは隔離されています。日本はそういう意味ではギャンブルには非常に寛容な国と言えます。

 

 カジノでマイナンバー管理をし、行き過ぎないように規制をかけるという発想があります。どこでも誰でも気軽にやれる。そうした賭場に規制をかけないと、国民をギャンブル中毒から守ることにはなりません。

 

 マイナスサムゲームに参加し続ける限り、多くの人は勝負に負けます。そのため、当然ですが資産は増えません。

プラスサムゲーム、誰もが儲かる夢のようなゲーム

 プラスサムゲーム、誰もが利益の果実を手にできる。こんな夢のようなゲームがあるのでしょうか。私はこれが米国株投資、あるいは全世界投資だと思っています。ただし、条件があります。

プラスサムゲームであるには長期であること

 20年、30年という長いスパンで捉えなくてはいけません。短期ではどうしても値動きに左右されるからです。しかし、長期ならば必ず利益が得られると確信しています。米国には世界中の富と人材が集まり、人口も増えています。つまり、成長し続けます。世界市場もそうですね。

 

 株式市場全体が成長し続ければ、参加者全員が利益を得るというプラスサムゲームになります。

プラスサムゲームであるには、良質のETFや投資信託であること

 個別株はその会社の利益に左右されるので「必ず」ということは言えません。しかし、個別株の集合体であったり、市場平均であったり、個別の問題を希薄化してくれるETFならば成長の果実を必ず得ることができると考えます。

 

 ETFの欠点は、集合体であるがゆえに値動きが鈍重で、ある程度まとまった資金がないと儲けが実感されないことです。人生にインパクトを与えるぐらいの儲けを得ようと思うとなかなか難しいところがあります。しかし、確実性は群を抜いています。

ゼロサムゲーム・マイナスサムゲーム・プラスサムゲームのまとめ

 米国株投資はいろいろなギャンブルや投資に比べたらはるかに確信が持てます。なぜかといえば、今後数十年にわたりプラスサムゲームである可能性が高いからです。ただし、国際情勢が変わるなど環境によって状況は変わります。

 

 そのため、機を見るに敏である必要はあります。

 

 株式投資は投資すべき市場を正しく選ぶのが第一歩です。2つめに投資すべき時期を正しく選ぶことです。これは非常に難しいです。投資すべき時期が分かればとても効率的に資金を増やせます。3つ目に投資すべき対象を正しく選ぶことです。2,3が難しいです。その能力を持った人は一握りの人に限られます。

 

  1. 投資すべき市場
  2. 投資すべき時期
  3. 投資すべき対象

 

 1が一番簡単で、だれもが正しく選ぶことができます。ズバリ、投資信託やETFが当てはまるわけですね。このブログでは今後も「誰もが利益を得られる方法」について考えていきます。

 

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