たぱぞうの米国株投資

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証券担保ローンを使ってレバレッジ投資をすることは可能か

証券担保ローンとは

 証券担保ローンという仕組みがあります。自分の持っている証券を担保として、お金を借りるという仕組みですね。銀行口座にお金を入れて、それを担保にハードアセットに投資をするということもありますが、仕組みとしては似ています。

 

 ただし、証券の場合はその独特かつ激しい値動きがありますね。そのため、なかなか使途を選ぶのも事実です。さて、今日は証券担保ローンを活用して、レバレッジ投資ができないか、ということでご質問を頂戴しています。

証券担保ローンを使ってレバレッジ投資を実現することは現実的か

たぱぞう様

 いつもブログ楽しみに拝見させて頂いております。当方現在37歳男性会社員、妻(36歳)と子供(0歳)一人の三人家族です。妻は現在子育てもあり専業主婦をしております。数年前から少額ながら家族でつみたてNISA、iDeCoを利用して資産形成を始めました。

 

 さて、今回の質問ですがある証券担保ローンについてになります。Twitter上で以下の主旨のつぶやきをされている方がいました。

  • アメリカの富豪は資産の大部分が株で、利確して現金にすると税金が発生するので、金が必要になったら株を担保に借金をする。
  • 例えば株を担保にローンを組む場合、ローンの金利は1%程度なのに売らずに済んだ株は平均7%位で増えていくので節税と同時に資産も増やせる。

 日本でも野村の証券担保ローンなどがあり投資信託も担保にできる物もあるそうです。

 

 そこで、お聞きしたいのですが、仮に投資で老後の備えに十分な資産を構築できたとして、取り崩す際にFIREの方々が提唱する4%ルールで投資信託を現金化するのでは無く、上記の方法を日本でも利用する事でキャッシュを得つつローンの金利と株の平均リターンの差だけ得するというのは合理的な資産の取り崩し方法になりえると考えても良いのでしょうか?

 

 上記案について、ご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。以上よろしくお願いします。

証券担保ローンは金利が高く、期間が短いことが多い

 この野村さんの担保ローンは大変面白く、活用されている方もいらっしゃいますね。貸し付け元は野村信託銀行さんになります。野村さん以外にも証券担保ローンに取り組んでいる金融機関はあります。

 

 しかし、期間が短かったり、金利が高かったり、なかなか使い方に工夫が必要です。実際には、運転資金のような活用方法ぐらいでしょうか。 SBIさんも日証金証券担保ローン(コムストックローン・SBI証券)という名称で取り組んでいますね。

証券担保ローンの1例

証券担保ローンの1例

 様々な条件を勘案すると、野村さんの証券担保ローンは非常に使い勝手が良いです。金利が1.5%で特に使途が定められず、期間も決まっていないからです。

 

 野村さんの証券担保ローンは形としては、銀行からの借り入れです。したがってCICにもしっかり載る借入金になります。担保に入れる金融商品によっても掛け目が変わりますね。

  • 国内外上場株、リート、ETFなど 50%
  • 円建て社債、外国債券など 60%
  • 国債、地方債、公社債 70%

 だいたいこのような掛け目です。ただしこれは現状では個人が対象で、法人口座では融資できないということですね。法人が証券を担保として、不動産や太陽光を買うことはできません。また、上限額が決まっており、1億円以下です。

 

 しかし、個人限定とはいえ使途が特に定められていないのは大きな魅力ですね。特に、売買をそんなにしないインデックス投資家さんには魅力に映る方もいるでしょう。

 

 おっしゃるように、このような商品は中級以上の投資家さんにとっては、想像が膨らむ楽しい商品提案になりますね。レバレッジを効かせて、更なる投資に回すというのはできなくはありません。

 

 一方で気を付けなくてはいけないのは、掛け目です。相場が不調になれば、逆のレバレッジが効きます。つまり、追証のような形で、追加で資金を担保に入れる必要があります。

 

 この時に追加資金がなければ、野村さんが担保有価証券を売却し、売却代金を債務の返済に充当することになります。いわば、安い底値で売却されてしまう懸念もありますね。

 

 もともと、株式、さらに外国株となると、大変値動きの激しいものです。株式の変動リスクと為替リスクの両方を負うからですね。基本的には上限1億円という数字の通り、掛け目が入っても余裕のある、本当の富裕層向けの商品に仕上がっているのかなと思いますね。

 

 もし法人口座も可能であれば、資金を移したい投資家さんは大勢いられるのではないでしょうか。IPOもそうですが、大手の証券会社さんはこのような富裕層向けのサービスが充実しているケースがあります。一概に手数料だけでネット証券が良いというわけではないのはこうした事情があります。

 

 リスクリターンをどう考え、ポートフォリオを設計していくのかというのは永遠の課題でもあります。ご質問ありがとうございました。

 

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