レバレッジをかけて不動産投資をするときの注意点と対策
資産運用で一定の資産を築くには投資元本の大きさは重要です。例えば同じ年率10%であっても投資元本が1万円と100万円では受け取れるリターンは100倍異なります。
ペーパーアセットとして株式投資をする場合はレバレッジというと信用取引などがあります。実物投資の不動産投資であれば融資を活用してレバレッジをかけることができます。投資効率の面だけ捉えると融資の活用は有効な方法ですが注意点もあります。
株式投資の信用取引であればざっくり入金している資金の3.3倍までレバレッジを掛けることができます。そのため、もし100万円しか入金していなかったとしても3.3倍の330万円まで投資金額を広げて運用することができます。
株式の場合は入金額の3.3倍とご自身の上限額がわかりやすいです。一方で不動産投資の場合はどうでしょうか。こちらは実は借り入れをする金融機関によっても上限額が変わるなどわかりにくい側面があります。
不動産投資で借入上限額を知り、物件の規模を絞る
不動産投資のことをご存じの方は2017年、18年のスルガショックを鮮明に覚えていることと思います。詳細は割愛しますが、本来借り入れすべきでない物件や、借り入れできない属性の方が、金額めいいっぱいレバレッジを掛けて不動産投資をしたことが事件の原因の一つです。
やはり大きくなりすぎる借り入れはリスクが高まります。物件を見る目がまだ十分でない場合、たちまち経営が立ち行かなくなります。
金融機関も物件そのものの価値だけでなく、属性に融資をするという側面が強いです。言い換えると投資家の能力に融資するというよりはすでにある社会人としての稼ぐ力に融資をするということですね。いわゆるアパマンローンなどは典型です。そのため、特に初心者投資家さんの場合は源泉徴収票や勤務先次第で融資額が決まってきます。
不動産投資の場合、A銀行だと年収の15倍が上限、B銀行だと年収の10倍が上限、といったように年収ベースで上限額が異なります。
それだけなら良いですが、そもそも15倍まで借り入れすることがその方にとって良いのかどうかは別、ということです。
全ての物件で負けない物件を買うことが大事ですが、ダメな物件を掴まされるリスクもあるわけです。表面上の数字だけでは判断できないリスクがあるのも事実です。そのため、不動産などのハードアセット事業は、十分な余力をもって取り組むのが理想です。
決して一か八かギリギリの資金繰りで一発逆転を狙うようなものではないということですね。余裕資金で行うという意味では、株式投資などと似た面があります。生活防衛資金はいつでもどこでも大事ということです。
株式投資と同様に、不確実な要素がありますから気を付けたいことです。たとえば、土地から新築であれば、予想外に建材費が上昇した、建築屋さんが飛んで途中で工事が止まってしまった、このようなトラブルですね。
想像したくない悪夢ですが、実際に聞く話ではあります。
レバレッジ、借入をうまく使うことでCCRの最大化が可能
不動産投資の場合のCCRを考えてみましょう。CCRとは投下した資本で年間の手残りを割り戻すものです。
例えば、2,000万円で不動産投資を始めたとします。年間賃料が100万円でローン返済や諸経費を差し引いて手残りが10万円だとします。投下資本が100万円なら10%です。一方で物件価格や諸費用まで借り入れをするオーバーローンやフルローンであればCCRは無限大になります。なぜなら資本を入れていないからです。
こうなると非常に資本効率が良いですが、昨今の情勢だと1,2割の手金を入れるのが普通ですね。
不動産投資の場合このような運用を行える可能性があります。
繰り返しになりますが、借り入れはリスクもあります。そのため、借入を過度にすることを推奨しているわけではありません。それは過去のスルガショックなどの事案を鑑みると明白なことです。
とはいえ、ご自身の借入上限額を認識し、うまく資産運用できると効率的に資産拡大に寄与することができます。
興味ある方はまずはご自身の借入上限額を把握し、それをもとに負えるリスクを確認されると良いでしょう。
借入上限額、レバレッジは実は簡単に調べられる
不動産投資において借入上限額を調べることは難しく考えられがちです。なぜなら金融機関によって基準が異なるため、ご自身で確認していく必要があるからです。そのため、金融機関にご自身で伺って借入上限額を調べるには少々ハードルがあるでしょう。
一方で借入上限額を簡単に診断してくれるサービスもあります。例えばインベース(PR)であればWebで簡単に確認できます。それだけでなく、すでに買いたい物件が決まっていて融資の相談をしたい方も利用できます。
まず、融資の上限を知り、エリアと金額でフィルターをかけ、第一歩を踏み出す、というのが現実的ですね。
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文中にあったCCRについてです。
住宅ローンも上限を知ると動きやすいですね。
不動産収入を老後の年金代わりにする人も少なくないですね。