買った不動産は売却価格と家賃を知っておくことが大事
不動産は流動性がペーパーアセットほど無く、売買の時間もかかります。そのため、売買にあたっては事前の準備が大事になります。
購入した資産はどこかのタイミングで売却して見直す時期が来ます。株式や投資信託などのペーパーアセットなら、購入してからの値上がり益や値下がり損が簡単に見えます。また、流動性が高いので決断から売却がスムーズです。
一方で、不動産の場合は損益がシンプルに見えません。購入時の単価だけでなく、取得にかかった費用や融資を使っているのであればその残債や売却時の手数料、そして税金などと考慮するべきことが多いからです。
場合によっては、ご自身の預貯金から費用を捻出して対応をしないといけなくなることもあります。
不動産売却時に自己資金が必要になるケース
不動産価格が上がり調子で、売りたい金額で売却できる際には困ることは少ないです。しかし、万が一想定よりも価格が低い価格、例えばローン残債より低い価格でしか売却できない場合には自己資金が必要になるなど、迷う要素が出てきます。
例えば、ローン残債が3,000万円で売却時の価格が2,700万円のような場合です。仲介さんを通して売りに出すと仲介手数料が3%の税込95.7万円(売買代金の3%+6万円に10%の消費税)が必要になります。
加えて、ローン残高を300万円分割り込んでいますので、仲介手数料と合わせると約395.7万円の自己資金が必要になります。
上昇相場でも、買うエリアと値段によってはこのようなことが起きます。全国一律で上昇しているわけではないからです。
仲介手数料を払わずに不動産売却できる方法もあるが
ちなみに不動産を売却する場合、仲介手数料を支払って売却することが一般的です。
一方で支払わずに売る方法もいくつかあります。
1つは不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。不動産会社に買い取ってもらえると、直接売買ができます。仲介を行う不動産会社が間に入らないため、仲介手数料を節約することができます。
ただし、直接物件を購入してもらう場合には一般的には仲介で販売するよりも安くなる傾向にありますね。そのため、仲介手数料を加味した比較になります。
例えば、今回のケースの場合は2,700万円で買い手がついていたものを仲介手数料無しで2,650万円で買い取ってもらえるのであれば売値は低いですが、仲介手数料の分がお得ですね。残債との差分の350万円だけの出費で済ませることができる、このような計算になります。
もう1つは個人間売買ですが、あまり一般的ではないのではここでは省きます。
いずれにしても、ローンの残債よりも割り込んだ価格になってしまうと自己資金での対応が必要になってきます。最低限知っておきたいポイントになりますね。
不動産売却時に残債が多いと、売るに売れないケースも
今は市況が良いのでローンを使って購入した物件を、自己資金を払ってまで売却するケースはそう多くはありません。しかし、マーケット次第ですからあらゆる可能性を想定しておく必要があります。景気が悪くなると、想定外のことがしばしば起きます。
例えば、減給や倒産、転職で毎月のローン返済が支払えなくなることもあり得ます。
今だとご自宅をペアローンの2人で借り入れをして満額まで借入されている方もいらっしゃいます。したがって、購入前の資金計画と買ってからの資金繰りに問題がないかは事前に気を付けておきたい点になりますね。
持続可能な資金計画かどうか、支出と収入をコンサバに見るのは大事です。
購入した不動産は家賃と売値とセットで常に確認する
投資用物件は当然ながら売買の主体は投資家になります。
今貸し出されている家賃、あるいは想定される家賃をシビアに計算することでしょう。加えて、投資の目的に応じて購入後何年程度保有をして売却するかも見据えて購入される方が多いでしょうね。
一方で、自宅物件を購入する場合は家族にとって最も住みよい自宅になるかが大事なポイントになりますね。つまり実需と投資用物件は目線が異なるのです。
とはいえ、自宅でも将来の備えの一環として投資家が持っているような視点を持っておくと安心できる材料になります。
具体的には、自宅を貸すとどの程度の家賃が得られるかであったり、売るといくらになるかであったりを定期的に確認しておくということです。
ローン返済や維持費よりも貸せる家賃の方が高い場合には、返済が厳しい状況でも貸し出しを行うことで即売却という状況からは脱せます。
そこまでネガティブでなくても、ローン残債や諸費用を引いても手残りが出るなら良いタイミングで売却という選択も取りえるということですね。収入増による買い替えなどはそうでしょう。
将来の選択肢を増やすためにも家賃や想定価格を認識しておくことが大事ということですね。そういう意味では、実は自宅も投資商品、アセットの1つです。買う時の目線は違っても、売るときには投資商品と変わらぬ目線が必要になるということです。
万が一、自宅を貸さないといけない時や、売却せざるを得なくなった際に、想定できる家賃や売却価格を把握できていると対応しやすいです。
家賃や価格を知る方法として、私はINVASE Pro(PR)というアプリを推しています。手軽にいつでも投資用や自宅の資産評価を知ることができるからです。運営元のCMOであるモゲ澤さんとはたびたびYouTubeでもコラボしていますね。
投資用はもちろんのこと、自宅であっても将来何が起こるかわかりません。常に売値や近隣相場など知っておくべきことは知っておく、そういう時代ですね。
不動産売却は事前の対策が特に重要
近年は総じて多くのアセットにおいて価格上昇が見られます。ペーパーアセットであればいつでも好きに売買ができますが、不動産においては簡単に売買できるものではありません。日頃より相場と照らし合わせた価格や、家賃を得るならいくらになりそうかを知っておくことが重要ですね。
これを知らずに不動産屋さんに行くのは、隙だらけでよくありません。
市況を元に今の価格がどうなっているのか、ローン残債と比較してどの程度含み益があるのかなどを知っておくのが最低限の備えになります。
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