たぱぞうの米国株投資

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50歳でFIREした後のマイクロ法人をどう考えるか

50歳でFIREという現実的な目標をどう考えるか

 50歳でFIREを目指すという人は少なくありません。実は私も早期退職制度を利用しての50歳での退職を考えていました。結局、人生二度なしの思いを断ちがたく、40代前半でFIREをしましたね。

 

 いずれにしても、自分の所属する組織の早期退職制度を調べておくとよいでしょう。組織によってはもっと若い年齢で退職金の積み増しなどをしているケースがあります。逆に55歳からというケースもありますね。

 

 一般的には、子育てを終えた後、さらに60歳、70歳と年を重ねていくと出費が少なくなります。出歩く回数も減り、お付き合いも精選されてくるからでしょうか。そのため、思ったよりも出費が抑えられたというケースもあります。

 

 さて、今回は奥様が50歳になるころにFIREを企図しているという方からのご質問を紹介します。

妻が50歳になるタイミングでFIREを企図しています

たぱぞう様

 いつも有益な情報を発信いただき、本当にありがとうございます。ブログ・YouTube共に必ずチェックさせていただいております。


 たぱぞう様の情報発信、また「DIE WITH ZERO」等の書籍から、当然定年まで働くものと考えていた自分の価値観は180度変わり、自分達夫婦の健康・気力があるうちに、やり残したことが無いと思える人生を過ごしたいと強く思うようになりました。

 

 また、それがやり方によっては可能であるという事実をブログ・SNS等の発信で腹落ちできていることは、たぱぞう様、また今の時代に生まれてきた賜物と思っております。


 いつもブログを拝見するだけで満足しておりましたが、円安、株安と不安なマーケットが続く中、この情勢に左右されることなく自分たちの夢の実現に向けて邁進していくために、今の自分たちの現状をご相談させていただき、そのベクトルが間違っていないか、もしアドバイスをいただけるなら積極的に現在の計画を見直していこうと思いご連絡させていただきました。

 

 長文になってしまい大変恐縮ですが、自分たちの現状とご相談内容について以下に記載させていただきます。

■現在の資産

○資産 合計2億8,000万円

・不動産 9,000万×2室(2室とも70㎡)=1億8,000万円

・株式  9,600万円(米国4,300万円、日本株4,550万円、投資信託750万円)

・現金  400万円

○負債 合計8,400万円
・住宅ローン 残債5,900万円

(返済19万円/月、返済完了2052年12月、当初20年固定金利0.85%)

・不動産担保ローン 残債2,500万円

(返済16万円/月、返済完了2037年11月、変動金利1.35%)

■収入 毎月の手取り収入:111万円、年間の手取り収入:1,632万円

○給与 74万円/月

 手取り 私:53万円/月 妻:21万円/月 ※その他にボーナスとして年300万円(手取り額)

○家賃収入 25万円/月

 所有している2室のマンションのうち1室を賃貸に出しており、管理会社の経費を引いた受取額は25万円/月です。

○株式からの配当金 12万円/月平均 (税引き後)

※その他に株主優待で年60万円分くらいの優待品をいただいています

■支出 88万円/月平均、1,056万円/年

○毎月の基礎支出 28万円/月
○ローン返済   35万円/月
○マンション費用 8万円/月(管理費・修繕積立・固定資産税等)
○子供の塾等   7万円/月
○その他     10万円/月(税金・保険・旅行・大型家電等)

■毎年の投資額 600万円/年~700万円/年

・積み立てNISA(夫婦)、ジュニアNISA(二人分)、ideco(私のみ)での投資
 主にS&P500連動の投資信託で運用。年総額約250万円。
・クレジット払い(ポイント付与されるもの)での投資信託
 SBI、Monex、楽天証券にて、NISA投資分を抜いて年総額約220万円
・米国ETF(QQQとVGT)への投資
 毎月、QQQ2株、VGT2株を外貨で投資。年総額約168万円(1$=140円計算)
・毎年の収入-支出の差分が出た場合の追加投資
 日本国内の優待株(総利回り5%以上を基準)に投資。年0~100万円程度

相談させていただきたいことは2点です。

①    53歳(私)、50歳(妻)でのセミリタイアについて

 現在44歳(私)、41歳(妻)の夫婦で子供が二人(11歳、6歳)いますが、妻が50歳になるタイミングでのセミリタイアを考えています。


 先日の記事にもありましたが健康年齢(男性は72歳)を強く意識しています。65歳定年まで働くと健康年齢までの残りが7年しかなく、これでは働くために生まれてきたようなものではないかと考えるようになりました。

 

 できれば50代早々にリタイアし、体が健康で精神的にも気力が残っているうちに、未だ見ぬ様々な世界を訪れ、国内外問わずその土地の文化・食に触れることを夢見ています。
 
 昨今は4%ルールにて金融資産の取り崩しを前提にSP500連動の投資信託への投資を進めて参りましたが、年明けからの軟調な相場の中、本当に取り崩していくことができるのか不安になってきました。

 

 やはり配当という形で自動的に払い出される株式・ETFを持っている方が精神衛生上有利かなと思い、投資信託への投資の一部をVYM等に切り替えていこうかと思案中です。
 
 リタイア後の収入は、配当250万円+不動産250万円(家賃は漸減を見込む)の年500万円を目標に据え、53歳時点での金融資産のバランスは以下を考えております。

 

 ・ローン残債と現金をバランスさせる(約5,300万円)※金利が今のままならローンはそのまま維持し、上昇局面であれば繰り上げ返済も検討


 ・現在の株式を一部リバランスしVYMへ移行+積み立てを行う。(追加5,000万円程度)※VYMの配当を3%として税引き110万円程度の配当を積み増す。

 退職金(夫婦で約3,000万円想定)を考慮すると残り7,000万円くらいを9年かけて貯金・投資していくイメージです。


 子供たちの教育費が読み切れないため、このように上手くいくかは分かりませんが、自分たち夫婦の年収増も多少は見込めるため、何とかこの目標値に漕ぎつけたいと考えています。(ちなみに、教育費の不足が生じれば投資信託の一部売却で凌げると判断しています)


 たぱぞう様であれば私達のような状況化だった場合、どのような計画をされますでしょうか?是非ともアドバイスをいただければ幸いです。

 

②    セミリタイア後のマイクロ法人化等について

 上記のような計画が上手くいったとして、このような資産配分の場合、いわゆるマイクロ法人等の設立は諸々の観点から行った方がよいものでしょうか?設立する価値があるようでしたら今からしっかり勉強していきたいと考えております。

 

 不躾なご相談で大変恐縮ですが、この先自分たちの計画を強い意志でやりきっていくためにも、是非ともアドバイスをいただければ幸いです。


 何卒よろしくお願いいたします。

およそ10年後のFIREは十分可能、金融資産も積み上げたい

 残債の少ない不動産の存在が大きいですね。簿価か時価か文面からは分かりませんが、価格から推察するに都市部マンションですね。すばらしいことです。


 さて、ご質問ですが十分セミリタイアは可能です。資産が潤沢で共働き、なおかつお子さんも大きく、リタイア時には上のお子さんの学費は殆ど終えている状態です。4%取り崩しのことを気にされていますが、これは贅沢をしなければ心配には及ばないでしょう。うねりを不動産がカバーしてくれるからです。

50歳でFIREした後のマイクロ法人

50歳でFIREした後のマイクロ法人

 これからのおよそ10年は気力や体力の変容を受け入れる年月となるのでしょう。この気力体力の変容は実は投資姿勢にも影響します。つまり、いつまでも元本成長を気にしなくてよくなるということです。取り崩し、時間を有効に使うという方向に自然となるはずです。


 若く、未来があると取り崩し、元本減少が怖くなります。しかし、年相応に落ち着き、いろいろな意味でのエグジットが見えてくるとそのようなある種の欲が薄れるのではないかという推察を私はしています。前述したとおりです。

 

 私自身はまだそこまでの年齢に達していませんが、30代の自身との比較で「そうなるだろうな」という予感があります。


 もちろんVYMでも良いですが、私自身は将来の資金としてはS&P500やVTIを推していますし、自分もそうしています。理由はバランスがより良いからです。


 法人化は質問者さんの資産背景でしたらお勧めしたいところです。引退後も楽しく会社経営に趣味として取り組むことが可能でしょう。年々変わる制度へのキャッチアップは、よい学習にもなります。


 すでに不動産物件もお持ちですから、在職中に拡大を企図されてもよいかもしれませんね。潤沢なご資産と収入、残債の少なさはそれを後押ししてくれるはずですよ。

 

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