たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

セミリタイアを実現するために、一括投資をすぐにしたい。

セミリタイアを実現するために、一括投資をすぐにしたい。

 昨今、セミリタイアを実現したい、という意見が多く聞かれます。実際に「セミリタイア」は近年、検索ワードとして急上昇しています。

セミリタイアを実現したいという気持ちの表れ

セミリタイアを実現したいという気持ちの表れ

 Google検索を見ても分かるように、セミリタイアを実現したいという気持ちが、検索のボリュームとなって表れています。このグラフから分かるのは2つです。

  • 好景気の時にセミリタイアが意識される
  • 特に近年の盛り上がりが顕著

 ということです。簡単に説明を加えましょう。

好景気の時にセミリタイアが意識される

 景気が良いと、資産運用などで資産が増えるだけでなく、給与も増えます。そのため、将来像が描きやすくなり、セミリタイアが意識されます。

 

 しかし、ひとたび不景気が起きれば、安定したサラリーが大変ありがたく感じられます。そのため、セミリタイア願望もしぼむのでしょう。私も含めて、今セミリタイアしている人たちでも、再びフルタイムで復職する可能性はゼロではないということです。

 

 生活を1つに決めることなく、しなやかに時代に応じて生き抜くというのが大事ですね。企業の経済活動が極めて流動的になっていますから、そのような柔軟性というのは精神的にもゆとりを生むことになります。

特に近年はセミリタイアの盛り上がりが顕著

 特に近年はセミリタイアの盛り上がりが顕著ですね。先に述べた経済的な事情のみならず、Youtubeやnote、blogといった個人の媒体で多少の生計を立てられるようになったのも一因でしょう。

 

 インターネットが無く、店舗型の商売しかなかったころは、良い立地さえ押さえておけばある程度の商売が成り立ちました。その後、法律改正により大規模店舗が隆盛となり、個人商店は成り立ちにくくなりました。

 

 今は、ネットのおかげで一時期に比べると個人が商売をやりやすくなっていますね。時代は循環するのです。

 

 それともう一つ大きな理由があります。それは、多くの組織において、庶務が増えすぎて仕事がつまらなくなっていることがあります。コンプライアンスは大事ですが、これに付随する庶務が多すぎ、何のために誰のために仕事をしているのか分からなくなる時は無いでしょうか。

 

 これは、じわりじわりと人のやる気を削いでいきますね。一方、セミリタイアや個人商店というのは、この庶務を極限まで減らせます。あるいは、外注できます。そのため、「やりたいこと」に寄り添った生活を実現させることができる、人もいます。しかし、多くは無いですね。厳しい世界であることは間違いありません。

 

 いずれにしても、今の状況が自分に合っていない、生活を変えたいという願望はかつてないほどに高まっているのかもしれませんね。それを叶える土壌はあるということです。

 

 さて、話はいつものように少しずれましたが、セミリタイアをしたいという方からご質問を頂戴しています。

セミリタイアを目指す際の、一括投資の是非について

「アラサー独身女性が40代でセミリタイアを目指す際の、一括投資の是非について」

 

 はじめまして。銀座でホステスをしている、33歳の独身女性です。といってもホステスとしてはまだ数年のキャリアしかなく、ふだんは子ども向けの英会話講師をしております。昼も夜も働いており、なかなかハードな毎日です。

 

 そんな中でも、いつも楽しくたぱぞうさんのブログを拝読しております。たぱぞうさんのブログは、エビデンスと人生観がバランス良くミックスされており、小説のようにスルスルと入ってきて非常に面白いです。

 

 今回は「分散投資か一括投資か」について、どうしてもご意見をお伺いしたく、メールをさせていただきました。過去記事を見ても、自分と全く同じ状況のご相談は見受けられませんでしたので、こうして筆を執った次第です。

 

現在の資産状況は次のとおりです。

  • 普通預金2500万円
  • 定期預金1000万円(生前贈与であり、手を付けづらい)
  • ネット証券にて650万円を、下記3つの銘柄に分けて保有中
  1. 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
  2. SBI-SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
  3. 楽天-楽天・全米株式インデックス・ファンド

※(1)~(3)の内訳はあまり考えず、この半年間で何度か、気が向いたときに買い増して合計約650万円という次第です。

 

 投資を始めて、まだ半年です。

 

 今後5年は、ホステスと英会話講師で年収900~1000万円を維持する計画で、毎月40~50万円は投資に回せます。その後は40代を前にセミリタイアし、実家(地方の持ち家、ローン完済)に戻って、昼の仕事だけで年収200万円を維持していきたいと考えております。

 

 結婚願望はなく、子どもをもちたいという望みもありません。節約が趣味なので、年間200万円もあれば田舎の固定資産税と、地方の生活必需品である軽自動車の維持費も払いながら暮らせます。

 

 両親ともに50代で現役共働き、祖父母もまだ元気で、数千万円は贈与も見込めるようです。ただしそれらを当てにするのではなく、自分で好きな仕事をしてセミリタイア生活を充実させたいのです。

 

 そこで冒頭の「分散投資か一括投資か」ですが・・・

 

 現在すぐに動かせる普通預金2000万円を、今から1年間のうちに投資信託へ変えてしまいたい。

 

 もちろん分散投資が理にかなっているのは分かるのですが、体力、気力ともに消耗が激しいホステスという仕事柄、今後5年でセミリタイアを目指したいのです(苦笑)。

 

 「40代までに元手を6000万円くらいまで増やして、田舎に引っ込みたい」というのが本音です。

 

 このような場合でも、やはり一括投資は非合理的でしょうか。長文になってしまいました。お忙しいところ恐れ入りますが、ぜひたぱぞうさんのご意見を賜りたいです。

たぱぞうさんのファン、Nより 

セミリタイアへのクリティカルパスとは

 ペーパーアセットのみでのセミリタイア作戦を考えてみましょう。セミリタイア、ということですから完全に引退するわけではなく、多少の仕事をするものとします。理想は「負担の少ない」社保付きの仕事ですね。国保はそれなりに重いですね。

 

  • 月に50万=年間600万円投資可能
  • 現在、預金2500万+定期1000万+投信650万=合計4150万
  • 目標額まで1850万円

 

 非常にシンプルですが、あと3年頑張れば、運用しなくてもおおよそ6000万に到達しますね。そのころ36歳です。あまり冒険をする必要はないですね。あと5年働けば7000万円を超えます。

 

 単純に6000万を年間200万円取り崩すと30年しか持ちません。しかし、なんらかの投資、なんらかの仕事をすることで種銭を守りつつ、持続可能なセミリタイア生活にすることは可能ですね。

 

 ずばり、、無理することはないですね。右肩上がりならば、一括投資のほうが効率が良いのですが、投資で問題になるのは実は人の心です。自分の心ですね。

 

 投資慣れしていないと、例えば資産が半分になるというリスクになかなか耐えられないと思います。投資というのはそういうリスクもありますね。直近のコロナでも相場の底で売却された方がいました。恐怖心が理性に先立つのですね。負のリスクに直面するとはそういうことですね。

 

 今の投資のペースを続けつつ、「自分はもっとリスクを取っても大丈夫」と思うならば、ドカンと入れても良いでしょう。しかし、2020年、コロナショック以後の相場は少々できすぎです。

 

 そういうタイミングで一括投資というのはなかなかおススメしにくいのです。

 

 相場を読もうとせず、淡々と積み上げていけば達成できる水準まで資産があります。今できることを続けていくことですね。ともにがんばりましょうね。

 

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