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ディアジオ【DEO】は英国の世界有数飲料メーカー

ディアジオ【DEO】の事業内容と歴史

 世界有数の売り上げを誇る、飲料メーカーです。日本でもおなじみです。傘下ブランドのスミノフ・ジョニーウォーカー・ギネスビール、などは日本のコンビニでも見ることのできるメジャーブランドです。

 

 酒類メーカーとしては、世界一の規模を誇ります。ギネス社とグランドメトロポリタン社が1997年に合併してできた会社です。2位以下の同業ライバル会社を列挙します。 

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2位ペルノ・リカール(フランス)

※ワインに強み。ワイン世界一。業界2位

 

3位ビーム・サントリー(日本)

※ビームはアメリカ。サントリーが買収した。業界3位

 

4位バカルディ・マルティーニ(バミューダ)

※バカルディはキューバ、マルティーニはイタリアにルーツを持つ。業界4位

 

 などがあります。ディアジオもそうであるように、合併を経験した会社が多いです。同じ酒類メーカーでもビールほど寡占化が進んでおらず、地場メーカーが強いことが業界の特徴としてあげられます。

 

 そのため、地場の中小のブランドがまだまだ残されている業界です。今後も合併を繰り返しつつ、再編、集約されていくと思われます。つまり、ブランドの取り込みですね。

 

 業界トップのディアジオは世界の180を超える国々で事業展開しています。2015年にブラジルの投資会社3Gキャピタルバートナーズがディアジオを買収を検討するという報道があり、株価は一時急騰しました。しかし、その後具体化することなく沈静化しています。

 

 3Gキャピタルはホルヘ・パウロ・レマン氏が率いる投資グループです。氏はブラジルの長者番付1位、世界でも30位以内の有数の投資家です。近年ではバーガーキングの買収で知られますが、バフェット氏のバークシャーハサウェイとも親密です。クラフトハインツでは3Gキャピタルとバークシャーが仲良く大株主ですね。

 

 2017年にあった、クラフトハインツによるユニリーバの買収話はこの両投資グループからの提案で動いたといわれています。

 

 いずれにせよ、売り上げも増加傾向にあり、安定的かつ高い営業利益率を誇ります。確かなブランドをいくつも保有するので、企業としての魅力は極めて高いといってよいでしょう。

ディアジオ【DEO】の配当とチャート

ディアジオの株価推移

ディアジオの株価推移

2006年8月株価61ドル  配当1.43ドル

2016年8月株価102ドル 配当1.84ドル

2017年8月株価132ドル 配当2.03ドル

2018年1月株価138ドル 配当2.13ドル

 

 2014年から数年もたつきましたが、きれいに売り上げと相関しましたね。その後、レンジを抜けて上昇しました。その結果、4年ぶりに最高値を更新しました。2016年末の100ドル近辺の時に買えた人はホクホクでしょう。

 

 配当の伸び、業態の安定感から人気ある株式のうちの1つです。ブランドに固定ファンがいることが強みになっています。業界の再編に期待しつつ、持っていれば高い確率で今後も安定配当を得られる銘柄と考えます。

ディアジオ【DEO】の基本データ

 

 続いて基礎データを見てみましょう。 

 ちなみに英国株ですので、配当に源泉徴収税はかかりません。2期配当ですが、8月のほうが多く配当金を出しています。業績に目を向けつつ、下がる局面があれば買いを検討したいと思っています。

ディアジオ【DEO】の配当性向

ディアジオ【DEO】の配当と配当性向

ディアジオ【DEO】の配当と配当性向

 美しい右肩上がりの配当を示しています。また、扱う商品の安定した業績に反映された配当性向もそこそこに抑えられています。配当は伸びつつも、配当性向は抑えられるという理想的な経年変化と言ってよいでしょう。

 

 そういう意味では、中小地場メーカーの積極的な買収戦略というのは、今のところ功を奏している、それが反映されていると言えそうです。

ディアジオ【DEO】のBPSとEPS

ディアジオのEPSとBPS

ディアジオのEPSとBPS

 一株当たりのBPS/EPSもおおむね右肩上がりです。

 

 EPSに関してはこの10年で2.35£から4.22£まで上昇しており、その上昇幅は1.8倍にもなります。この伸びは企業規模を考えると優れた数字と言えるでしょう。自社株は増加はしていませんが、米国企業ほどに買い入れに熱心ではありません。この10年での自社株買いはほとんどあまりありません。

 

 ヨーロッパ企業は高配当である代わりに、自社株買いをあまりしないという傾向にありますね。ここは米国企業と大きく変わるところです。

ディアジオ【DEO】の売り上げと利益

ディアジオ【DEO】の売り上げと利益

ディアジオ【DEO】の売り上げと利益

  ディアジオの売り上げと利益です。営業利益率は安定的で、25%から30%の枠内で推移しています。扱う商品の常習性、ブランド力に依拠した、強い利益体質であることがうかがえます。

 

 売り上げには多少の変動があるものの、営業利益と純利益は安定的です。2017年6月の決算が素晴らしく、窓を開けて株価は上昇しました。

 

 この10年での売り上げの伸びはおよそ1.5倍にもなっています。以前の停滞懸念を決算で払しょくした形になりましたが、継続性は引き続いて注目されてよいでしょう。

ディアジオのキャッシュフロー

ディアジオのキャッシュフロー

ディアジオのキャッシュフロー

 業界の中でもこれだけ安定的にキャッシュフローを増やしているのは稀と言ってよいでしょう。買収へ向けた資金も豊富ですから、引き続いての買収戦略が可能なことを示しています。

 

 この10年でのフリーキャッシュフローは2倍、営業CFも同様の伸びを示しています。ここでもやはり2017年決算での伸びが目立ちます。

 

 強いブランドと広い販路を持っていることが強みで、新興国など人口増加地域でのシェア拡大が期待されるところです。

 

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