ペイチェックス【PAYX】とはどのような企業か
ペイチェックス【PAYX】は給与・会計・人事の外注化の流れに乗って成長を続けている企業です。給与計算、人事管理ソフトの「Paychex Flex」は業界においてブランド力があり、強みがあります。
総務関係のアウトソース企業としてはオートマティック・データ・プロセッシング【ADP】が有名です。ADP雇用統計を出している企業ですね。そのADPが比較的大きな企業を顧客とするのに対し、ペイチェックスは中小企業向けを得意としています。
業務内容は細かいところでは人材派遣や個人向けの確定拠出年金サービスなども請け負っており、まさに総務の総外注というところです。この給与計算系の企業は一度導入すると乗り換えが非常に手間であり、時間もコストもかかります。
そのため、一度導入されれば長い期間にわたって使われることが多く、それが独特の強みになっています。また、60万社を超える導入実績も安心感となっており、順調に顧客を伸ばしています。
また、デンマークの同業者であるLessorを買収するなど、M&Aにも積極的です。いずれにせよ、米国内はもちろん世界的にも競合は多くなく、参入障壁が高い業界と言えます。
ペイチェックス【PAYX】の基礎データ
それでは、ペイチェックス【PAYX】の基礎データを見てみましょう。
ペイチェックス【PAYX】の配当と配当性向
配当に関しての考え方はADPと違うところです。割と高配当で、3%以上の配当利回りを維持しています。反面、配当性向はおおむね8割といったところで高めです。業績の向上に伴い配当額もよく伸びています。
ペイチェックス【PAYX】のBPSとEPS
BPS一株資本もEPS一株利益も安定して伸びています。特にEPSはこの10年で2倍に近くになっています。この伸び率は今のところ鈍化する兆しも無く、好調です。リセッション時にも全く業績面で影響がなかったのは特筆されてよいでしょう。
ペイチェックス【PAYX】の売り上げと利益
売上は華々しくは無いですが、この10年でおよそ1.7倍にまで成長しています。注目されるのが高い営業利益率で、ペイチェックスのビジネスモデルが高収益体質であることを裏付けています。売上の伸びと高い営業利益がペイチェックスの最大の魅力と言ってよいでしょう。
ペイチェックス【PAYX】のキャッシュフロー
フリーCFが年々拡大しているのが確認できます。また、投資CFが少なく、フリーCFを確保しやすい業態であることを示しています。個人的には非常に「好み」の銘柄です。
ペイチェックス【PAYX】の株価
あえて30年近くのチャートを取ってみました。ソースはYahoo!です。他のナスダック銘柄と同様にITバブル時に急伸しており、長らく低迷が続きました。業績が株価に追い付いてからは好調ですね。10年チャートでは見えない過去チャートということです。
現在の株価はやや割高な印象を受けますが、業績が良い企業というのは常にそうですね。
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オートマチック・データ・プロセッシング【ADP】も優れた企業です。ADPとペイチェックスはうまい具合に棲み分けをしている印象です。ADPも唯一無二の強みを持ち、競争力は極めて高いですね。
知名度は決して高くありませんが、ペイチェックスはS&P500採用企業です。日本のネット証券会社でも買うことができます。銘柄数ではマネックス証券が圧倒的に多くの銘柄を日系証券会社では扱っています。
米国株の買いかたとして何万円単位で買うのが理想なのかということです。ただ、株が上がれば十分元を取れますので、1株とか極端な単位でなければ気にしすぎることはないかなと思います。