ウェル・マネージド・カンパニー”へ投資するETF【KRMA】
ティッカー【KRMA】は米国Global X社が運用するETFです。正式名称を”Global X Conscious Company ETF”、日本語では「グローバルX ESG経営企業 ETF」といいます。
5つの利害関係者(顧客、サプライヤー、株式・債券保有者、地域社会、従業員)に対し良好な成果を上げていることが1つの条件です。
その上で、持続可能で責任のあるやり方で財務パフォーマンス及び良好なESG特性を示すような企業を”ウェル・マネージド・カンパニー”と呼びます。
KRMAは、その企業で構成される” Concinnity Conscious Companies Index”に連動した運用をしています。つまりいわゆるESG関連ETFです。
” Concinnity Conscious Companies Index”はConcinnity Advisors, LPが構築した戦略で採用銘柄候補を選びます。
さらに、定量的には時価総額が20億ドル、30営業日の平均売買代金が4億ドルという数量的基準をクリアした銘柄で構成されます。
また10月に銘柄入れ替えを行い、1,4,7月にリバランスされます。リバランス時に時価総額15億ドル未満、30営業日の平均売買代金が3億ドル未満の銘柄は除外されます。
2016年7月11日に設定されました。マーケットはNASDAQで、経費率は0.43%です。
KRMAのチャート
S&P500、既に当ブログで紹介済のESG関連ETFである【SUSA】と比較してみました。
コロナショック前は【KRMA】の方が高パフォーマンスでしたが、コロナショック後は【SUSA】がよりアウトパフォームしています。【SUSA】はエヌビディアとテスラのウエイトが高いですから、この2銘柄の恩恵を受けていそうです。
KRMAの分配金
年に2回分配しています。直近の分配利回りは約1%です。分配にフォーカスしたETFではないですから、特に違和感はありません。
KRMAのセクター構成
情報技術、ヘルスケア、一般消費財で約56%を占めています。S&P500と比較するとヘルスケアのウエイトがやや高いです。
KRMAの組み入れ銘柄
181銘柄で構成されています。上位10位は以下の通りです。上位5銘柄は見慣れたものが占めていますが、6位以下は耳慣れないものもあるように思いますので少しふれておきます。
【ON】 オン・セミコンダクター
その名の通り米国アリゾナ州に本社がある半導体メーカーです。
自動車、通信、コンピューティング、民生、産業、LED照明、医療、軍事、航空宇宙、電動アプリケーションなど広範な分野に製品を提供しています。
北米、欧州、アジア太平洋地域の主要市場で事業を展開しています。
【ANET】アリスタ・ネットワークス
米国カリフォルニア州に本社があるネットワーク機器メーカーです。
全世界の約50カ国にて、クラウドサービスプロバイダーや大規模インターネット企業向けにイーサネットスイッチや、クラウドネットワークプラットフォーム、エクステンシブル・オペレーティング・システム(EOS)およびネットワークアプリケーションを提供しています。
【VRTX】バーテックス・ファーマシューティカルズ
米国コネチカット州に本社があるバイオ医薬品企業です。主要医薬品にはC型肝炎ウイルス治療薬「INCIVEK」と、嚢胞性線維症治療薬「KALYDECO」の2種類があります。
自己免疫疾患やインフルエンザ治療用の医薬品の開発にも従事しています。S&P500採用企業です。
【ON】と【ANET】はS&P500に採用されていませんが、このETFにおけるウエイトは高いです。広いユニバースを用い、かなり独自のリサーチにもとづいてインデックスを作っている印象を受けます。
ESG関連ETFとしてより魅力的なのはKRMAか、SUSAか
ESG関連ETFとして【SUSA】iShares MSCI USA ESG Select ETF をすでにご紹介しています。こちらの方が経費率も低いですし、純資産も多いです。より無難なものを望むなら【SUSA】でしょう。
一方【KRMA】は【SUSA】と比較すると原指数の構成銘柄がややとがっている印象を受けます。IT系ハイテクのウエイトが小さい方がいいならば【KRMA】の方がむいているように思います。
KRMAはSBI証券、楽天証券、マネックス証券等が取り扱っています。
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【SUSA】は米国株のESG銘柄ETFです。
資産運用の効率化に海外投資は避けられません。
永続的な発展か、一過性のトレンドか、その見極めも大事ですね。