海外資産運用が常識となる時代を生きるということ
海外投資が盛んな時代を迎えています。ほんの数年前までは、為替リスクの大きい海外投資を忌避する向きもありました。債券投資はその一つですね。曰く、数パーセントの債券のリターンは為替リスクに比べると小さすぎるため、海外債は持たないという発想です。
小難しく考えられがちな海外投資の基礎基本が、YouTuberさんなどによって広く人口に膾炙したのも大きな理由でしょう。
また、NISAによる円建て海外投資の環境整備も無視できないところです。さて、今回は円建て海外投資ということでご質問を紹介します。
海外資産運用をするにあたって、直接ドルで投資をしたほうが良いのか
たぱぞう様
メールにて失礼いたします.43歳でサラリーマンで、ブログを拝見し、投資信託を今年の2月よりデビューした初心者投資家です。
家族構成
- 私:40代
- 妻:40代
- 子供:15、12歳
投資(妻2人合わせて)
- 積立NISAとして eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- SBI・バンガード・S&P500
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
- 余剰資金:2000万(生活防衛費:1000万は別に確保)
リタイアの時期によりますが、今後、最低17年は運用する予定です。
上記を選択した理由としては
- リタイア後の資金確保のため
- 様々なブログで、SP500やVTIなどであれば投資信託とETFには大きな差は出ないとされている
たぱぞうさんの記事で、「世界の均質化は今後も避けられないところで、日本円のみで資産形成していく時代は徐々に終焉していくのではないかと予想します。ハイパーインフレに備えるというよりも、世界的な感覚でドル資産、株式資産、そういったもので分散を図っていくというのは理にかなっていると思いますよ。」と書かれていました。
そこで質問ですが、メジャーなVTI、VOOなどを指標とした投資信託だとしても、ドル資産への分散を考えますと、配当金を目的としなくても投資信託ではなく、あえてドル資産を確保する意味合いでもETFを購入した方が良いのでしょうか?ETFであれば、株式+ドル資産になると考えても良いですか?
それとも、税金の手間を考えますと株式:投資信託のまま運用し、余剰資金を定期的に住信SBI銀行などで外貨預金し、ドル資産を確保する方針が良いでしょうか?
投資信託とETFの比較記事をいくつか読んでいますが、コスト面や確定申告、税金面での比較はあるのですが、ドル資産をいかに確保するかという視点でのお考えを教えていただければと思います。
お時間ありましたらお返事いただければ幸いです。
拝読いただきありがとうございました。
ドルで海外資産運用をする必要があるアセットは限られます。
今行っている投資信託への投資、これらもドル資産の保有になります。
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- SBI・バンガード・S&P500
- iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
これらはすべて、海外株です。円で評価額を出すため、あまり為替を意識しませんが海外資産ということになります。現状、あえてドルで直接投資をする必要があるアセットは以下になります。
- セクターETF
- 個別株
- 海外不動産
これらは、円では購入できず、基本的にはドルで直接購入する必要があるものです。セクターETFというのは、VGTなどのいわば業種別ETFのことですね。個別株を本格的にやろうと思えば、ネット証券に口座を開き、ドルで売買するとよいでしょう。しかし、昨今ではスマホであまりドルを意識せずに購入できるサービスもあります。
最後に海外不動産です。4年償却スキームは閉まってしまいましたが、長期だとキャピタルとインカム両方に強いということで未だに一部に人気がありますね。
まとめると、一般的なS&P500やNasdaq100などへの投資ならばすでに日本円で投資できる環境が整っているということです。
今取り組まれている投資を続けつつ、自分がどのような投資に発展させていくのかというところですね。ご質問ありがとうございました。
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