オフショア生命保険とは何か
以前ほどではないですが、オフショア生命保険は依然として人気があります。オフショアとは平たく言うと、海外のことを指します。
オフショア生命保険と関連して、海外の金融機関は日本の金融機関と違い、株式や保険、債券などを担保としてそれなりに見てくれることもあります。これらの商品を融資を引いて購入するというスキームもありますね。
香港やシンガポールにはそういった商品の斡旋、仲介をするIFAがたくさんおり、日本人も相当数買っています。たぱぞうも実は検討したことがあったのですが、やめました。
- 渡航して口座を作る時間が無い
- 香港やシンガポールで働く金融機関関係者がいい顔をしない
- IFAや紹介者へのキックバックが見えない
- 税制が見えにくい
- トラブル解決の道筋が見えない
- 現地の仲介者への依存が大きい
- 現地の政治的な情勢を無視できない
こんなところですね。税制が見えにくいというのは、商品がファンドとして扱われる、つまり分離課税の2割なのか、それとも生命保険として見られ、出口が所得扱いになるのか見えないということですね。税理士さんによっても見方が二分されます。
また、IFAなどの紹介者に依存する構図になり、簡単に解約できないのもデメリットですね。よって、結論としては弊ブログでは「オフショア生命保険はおすすめできない」ということになります。
もちろんやりたい人はやればいいですね。ただ、同時に弊ブログには「やめたいけどなかなかやめられない」という意見もいくつか寄せられています。それは、上記のような依存関係になっているからですね。
FPよりオフショア生命保険を勧められております
たぱぞう様
初めまして、こんばんは。
勉強不足で失礼があるかもしれませんがよろしくお願いします。
- 44歳既婚(年収2400万円)
- 家族 妻(専業主婦 数年後には看護師に復帰予定) 子(5歳)
- 住宅ローン(残り30年 3400万円ほど)
- 小規模企業共済(6年前より満額)
- iDeco 2.3万円/月(1年前~)
- 現預金2000万円ほど
- 20歳の時に加入した60歳まで払い込みの積立型生保(年10万程度)
- 法人名義で加入してるプルデンシャル生命の半損タイプの積立型生保(保障額3億円)
零細企業の法人代表者です。10年前に起業して、なんとかやってきました。現在それなりの年収を頂いてはおりますが、このまま馬車馬のように働くことに限界を感じております。
あと数年は頑張れますが、5年くらいでペースを落として年1000万ほどの役員報酬におとして60歳でなんとかハッピーリタイヤできる方法はないかと模索中です。法人名義の生命保険は退職金として積み立てており60歳まで積立続ければ1億8000万円程度積立られますが、すこしペースを落として減額しストレスを軽減できればと思ってます。
働くことに限界を感じていますのでなんとか不労所得を得られないかと調べていたとことろにこちらにたどり着きました。現在、FPより海外生命保険を勧められておりますが勉強不足で何から手を付けるべきか迷っております。
こちらで質問をする次元にまで至っておらず誠に抽象的で申し訳ありませんが、ご意見を頂けたらと思っております。よろしくお願いいたします。
香港、シンガポール在住の金融機関関係者のオフショア関連話として
一般的な資産運用のお話はひとまず他の記事に譲るとして、今日ここで焦点化したいのがオフショア生命保険ですね。
ズバリ、オフショア生命保険のメリットは圧倒的な保険の内容、それから日本水準では想像もつかないような高利回りにあります。低利の日本国債を多く抱えてパフォーマンスが苦しくなっている日本の生命保険会社と大きく違います。
そのため、私も非常に興味を持っていた時期がありました。香港やシンガポールが舞台になることが多いので、在住の金融機関関係者に話をたくさん聞きました。
もちろん、単独ではなく、複数の関係者に聞いた話ですね。また、彼らは一様に外資系の金融機関関係者です。興味を持ったら、複数の識者に確認するというのがどのジャンルでも大事ですね。
まず、オフショア生命保険のベースとなっているのがS&P500などの有名米系指数であることが多いのですが、これに関してはソースがはっきりしているのでリターンも見えやすいですね。それをそのリターンを大きく超えるような生命保険というのは、現地の金利、インフレ加味しても、ちょっと仕組みからして分からないねという話です。
もちろん、こういった有名指数ではなく、アクティブな自社組成の商品もあります。こちらもより高利回りになっています。
いずれにせよ、そもそも生命保険は保険商品である以上、インデックスファンドよりも高コスト、高手数料になるということですね。ですから、組み入れている指数から大きく超過するようなメリットがある商品は、ちょっと割り引いていろいろ考えたほうが良いでしょう。
それから、現地のIFAの一部が大変おやんちゃであるということも懸念していましたね。保険は基本的には仲介ビジネスですから、そういうことです。ある関係者は「私も富裕層相手の仕事で、IFAはよく知っているつもりです。しかし・・・」というお話でしたね。
一部には、「オフショアは日本の金融当局が補足できない財産になるので、それだけでもメリットがある」という、これまたおやんちゃな意見があります。しかし、今は2009年の合意によって生まれた、OECDの協定である【CRS】や【FATCA】により日本人の口座は個人・法人問わず補足されており、確定申告の対象になりますね。
「ケイマン、ラブアンはもうだめだ、次はプエルトリコだ」というような系統のお話になってきます。結局閉じるのです。
また、トラブルの時にはすべて少なくとも英語、IFA頼みではなく自分で解決することになります。法で守られた日本における投資とはちょっと違うということは知っておいていいでしょう。
そういうことで、投資初心者さん向けの記事を心がけている弊ブログでは、オフショア商品は積極的におススメしていません。この辺りを乗り越えるメリットがある、利回りがあるというならば踏み出す一歩ということになるのでしょうね。
投資は自己責任というのがズバリ当てはまるジャンルになります。
海外投資と言えども、日本の証券会社などを通して行う投資に関しては日本の法律で守られているので、難易度はかなり下がりますね。利回りとリスクのバランスになってきます。
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