米国株のESG銘柄 ETF 【SUSA】のシンプル分析と基本情報
環境、社会、コーポレート・ガバナンスを意味するESGが投資の世界で存在感を大きくしつつあることを当ブログでもすでにご紹介しています。
流行りものにも見えますが、当ブログでもご紹介した通りESGはすでに少なくとも15年程度の歴史があります。近年はESGを謳う金融商品が増えてきました。
その一つであるティッカー【SUSA】は正式名称をiShares MSCI USA ESG Select ETFといい、ブラックロックが運用しています。
原指数はMSCI USA Extended ESG Select Indexです。
このインデックスのユニバースは米国の大型、中型株で構成されるMSCI USA Indexで、ESGの観点でたばこと銃関連企業は除外されて組成されます。
インデックス構成銘柄は四半期に一度見直されます。インデックスの累積リターンは、2019年以降MSCI USAを少しアウトパフォームしています。近年ESGに着目する投資家が増えてきている結果が反映されているでしょうか。
【SUSA】は2005年1月24日に設定されました。ESGの原則ともいわれるPRI(Principles for Responsible Investment)が国連で唱えられたのが2005年ですから、時期を同じくしており、歴史あるESG ETFだといえます。
経費率は0.25%で、マーケットはNYSEです。
SUSAとS&P500の比較チャート
5年チャートをS&P500と比較してみました。赤が【SUSA】、水色がS&P500です。
コロナショック以降のパフォーマンスはS&P500より良好です。
SUSAの構成銘柄を見てみる
S&P500より良好なパフォーマンスを出しているのは、組み入れ銘柄に理由がありそうです。182銘柄で運用されているETFですが、エヌビディアやテスラといったコロナショック以降に非常に高パフォーマンス銘柄のウエイトが高いですね。
出典: ブラックロック website
見慣れない銘柄としては8位の【JCI】と9位の【MMC】でしょうか。
【JCI】は“ジョンソン・コントロールズ”で、主に商業ビル・工業施設を対象に冷暖房空調設備、ビル管理システム、セキュリティーシステムの設計、製造、販売、設置を行っている企業です。
【MMC】は”マーシュ・アンド・マクレナン”で、米国の保険関連を扱う持株会社です。どちらもS&P500採用企業です。
ブラックロックが運用するETFにブラックロックのウエイトが高くなっていますが、インデックスはMSCIが組成していますので、利益相反というわけでもないでしょう。
【SUSA】の分配金履歴
【SUSA】の分配金履歴です。直近の分配利回りは年換算で約1%です。高分配を追及しているETFではありませんので、こんなものでしょうか。
出典: ブラックロック website
【SUSA】の活用方法は・・・?
このETFとの付き合い方を2つ想定してみました。
一つは、ESG投資を米国株でやりたいけれど、銘柄選択はお任せしたいと考えている場合です。もう一つはESG投資を個別銘柄でやりたいと考えている場合です。
ESGは非財務情報ですから、文字情報が判断材料となります。仮にS&P500をユニバースにしたとしてもその文字情報は膨大ですので、ESGという観点で銘柄選別をするためには手間と英語力を必要とします。
その点、インデックスプロバイダーが一定の基準でESGを選別してくれているETFは個人投資家には手間を省くという意味で都合がいいと考えます。
また、ETF構成銘柄はブラックロックのウェブサイトですべて公開されていますから、個別株でESG投資をしたい場合は、その構成銘柄はそれなりのふるいにかけられた状態ですので、選別のスタートがやりやすくなると考えます。
【SUSA】はSBI証券、楽天証券、マネックス証券等が取り扱っています。国内ネット証券での取り扱いがあるのはうれしいですね。また、パフォーマンスは決して悪くないので、サテライトとして検討するのも悪くないでしょうね。
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私はインカム部分はハードアセットに委ねるところが大きいですね。株式のキャピタルは爆発的で、このバランスは今のところ心地よいものです。
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