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【JEPI】はインカムとキャピタルを追求できるS&P500の派生ETF

【JEPI】はインカムとキャピタルを追求できる(?!)ETF

【JEPI】はJP Morgan Investment Management Inc.が運用するJPMorgan Equity Premium Income ETFという米国ETFです。2020年5月21日に設定されました。マーケットはNYSEです。


 設定されてから日が浅いですが、日本の証券会社でも取引できる商品です。

 

 【JEPI】の”Fund Story”では以下のように謳っています。


“JPMorgan Equity Premium Income ETF seeks to deliver monthly distributable income and equity market exposure with less volatility.”


(JPMorgan Equity Premium Income ETFは毎月分配金を出すことと、相対的に小さなボラティリティで株式市場のエキスポ―ジャーを追求する)

 

 つまり、キャピタルゲインとインカムの両方を追求することを目的としたETFです。


 資金の8割程度をS&P500採用銘柄を中心とした株式に投じ、残りの2割程度をEquity Link Note(以下;ELN)と呼ばれる仕組み債に投じています。


 ELNはS&P500のコール・オプションを売るデリバティブで、この部分に関してはNASDAQ100でカバードコールポジションを作っている【QYLD】とよく似ています。

 

 つまりELNでインカムを追求し、残りの株式投資部分でキャピタルゲインを追求しているETFが【JEPI】です。

 

 経費率は0.35%です。低くはないですが、比較的許容できる高くもない水準と評価してよいでしょう。

【JEPI】の構成銘柄、投資先

 上位10銘柄は以下の通りです。

JEPIの構成銘柄、投資先

JEPIの構成銘柄、投資先

出典: JP Morgan Investment Management Inc. website

 

 1位から5位までは、いわゆるELNです。全体で見るとELNが10銘柄あり、そのトータルウエイトは約16.3%です。


 6位以下は普通株式ですが、すべての銘柄を確認したところ88銘柄で、必ずしもS&P500採用銘柄をすべて保有しているわけではありません。

 

 低ボラティリティを謳っているためか、例えばテスラ【TSLA】は銘柄リストに存在していません。


 またS&P500においてウエイトが高いアップル【AAPL】は【JEPI】では0.5%程度です。保有銘柄やウエイトはS&P500採用銘柄のそれぞれのボラティリティを考慮した運用だと想像されますね。

 

 なお、一部REITもあります。S&P500にもREITが採用されていますので、これは不思議ではありません。

【JEPI】のチャートと分配金

JEPIのチャート

JEPIのチャート

出典: US版 Yahoo Finance

 設定されてから1年半程度ですので、レコードは少ないです。

  • 赤:S&P500
  • 青:【JEPI】
  • 緑:【QYLD】

 1年半をS&P500と比較すると、株式の割合とそのボラティリティを意図的に抑えている分だけ、【JEPI】のパフォーマンスが劣るのは当然です。


 カバードコール戦略オンリーの【QYLD】と比較して高パフォーマンスであるのは、株式部分が80%を占めるので、これも当然と言えば当然でしょうか。

 

 謳われている通り、【JEPI】は毎月分配です。過去1年の分配利回りは約7.1%です。

JEPIの分配金履歴

JEPIの分配金履歴

出典: JP Morgan Investment Management Inc. website

 分配金の原資は、株式の配当とオプションのプレミアムです。

 月によってその構成割合は異なりますが、総じてプレミアムの方が圧倒的に大きいです。

【JEPI】をどのように考え、投資していくか

 キャピタルゲインとインカムのいいとこどりをしようという意図は見えますし、現時点では結果はその通りになっていると言えるでしょう。


 ただし、株式部分は銘柄やウエイトがインデックス投資ではなく、かなりアクティブ投資と言えそうです。よって、ファンドマネージャーの腕次第で、キャピタルゲイン部分は変化しそうです。

 

 オプションプレミアム部分は、【QYLD】と同様で、原資産であるS&P500が上昇している限りは、プレミアムを得られるであろうと考えられる仕組みですから、その将来はS&P500次第ということになりそうです。

 

 キャピタルゲインはS&P500より抑えられがちになると考えられる仕組みですので、資産形成期であれば素直にS&P500連動商品でよいでしょう。

 

 定期的にインカムを欲しいというニーズであれば、資産の一部を【JEPI】で持つことも戦略としてはありかもしれませんね。

 

 【JEPI】はSBI証券楽天証券マネックス証券等が取り扱っています。

 

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