【CWEB】中国インターネット関連企業2倍レバレッジETFとは
【CWEB】とは、Direxion Investments社が運用する中国のインターネット関連企業株式で構成された指数の2倍レバレッジETF です。
英語の正式名称をDirexion Daily CSI China Internet Index Bull 2X Shares といいます。2016年11月2日に設定された比較的新しいETFですね。マーケットはNYSEです。【CWEB】はChina WEBと覚えやすいです。
ベースとなるインデックスはChina Securities Index Co., LTDが算出している CSIオーバーシーズ・チャイナ・インターネット指数(H11137)です。
このインデックスは、中国を拠点とする上場企業であることが条件です。指数スポンサーであるChina Securities Index Co., Ltd.(「CSI」)が定義するインターネット・セクターおよびインターネット関連セクターを主たる事業とする企業で構成されています。
中国を拠点とする企業とは、次の基準のうち、1つ以上を満たす企業を指します。
- 企業が中国本土で設立されている
- 企業の本社が中国本土に所在する
- 収入の50%以上を、中国本土で生産または販売された商品、または中国本土で実施されたサービスから得ている
インデックスの構成は以下の通りです。テンセント、アリババといった中国の代表的なIT企業の名前が見えます。上位10銘柄で全体の約6割のウエイトを占めています。
出所: Direxion Investments website
【CWEB】の経費率と分配金はこうなっている
ベースとなるインデックスであるCSIオーバーシーズ・チャイナ・インターネット指数をざっくり理解したところで【CWEB】を見ていきます。
経費率は1.32%です。かなり高いという印象です。
分配金は約2年前に1度だけ少し出ています。レバレッジETFはキャピタルゲインを追求するものです。したがって、分配が少なくても不思議ではありません。
出所: Direxion Investments website
【CWEB】の取引値チャートとKWEBとの比較
同じインデックスを用い、レバレッジがかかっていないKraneShares CSI China Internet ETF【KWEB】とパフォーマンスを比較してみます。ちなみに【KWEB】は日本の大手オンライン証券では取引できません。
緑:KWEB
青:CWEB
出所: US版Yahoo Finance
【CWEB】の2020年春のコロナショック以降の上昇には目を見張るものがあります。しかし、足元はむしろ2倍レバレッジETFの短所が現れています。
中国株は2021年の夏以降軟調ですが、その影響を受けています。【CWEB】は【KWEB】に大きくビハインドしており、足元は5年前より安い水準にあります。
運用は【KWEB】を用いつつ、派生商品等で2倍レバレッジを追求しています。
【CWEB】は非常に尖ったレバレッジETFという評価になる
【CWEB】は日本の大手オンライン証券で取り扱いがあります。
日本で、レバレッジなしの【KWEB】は取引できないのに【CWEB】が取引できるのは何とも興味深い現象です。【KWEB】の方が純資産は大きいです。日本人にはレバレッジ好きが多いのかもしれませんね。
注:左がCWEB、右がKWEB
出所:bloomberg.co.jp
インターネット関連企業を投資対象にしているのは、現在の投資環境を鑑みると悪くないですね。しかし、米国企業の同業と比べると、中国関連株には政府が今後何らかの形で関与してくる可能性を否定できない点で、不確実性があります。
また、経費率が高い点も気になります。無理に保有する必要はないでしょう。
中国株ETFに投資したいのであれば、セクターの範囲は広いですが、【CXSE】WisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Fundの方がインデックス構成として洗練されているよう見えますね。
この、CWEBの尖り感をどう評価するかで投資判断が変わってきそうです。
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バリューグロースの割安割高議論は永遠の課題の一つですね。
こちらもおやんちゃなNasdaq100、ブル3倍です。
こちらはヘルスケアセクターのレバレッジETF、レバ系にしては安定した推移、静かな人気がありますね。