たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

銀行預金が死に金になっている日本

銀行預金が死に金になっている現状をどう見るか

 銀行の金利はすでに長期にわたって低金利です。10年ぐらい前はそれでもネット銀行で1%、ないしはキャンペーンで1.3%といった金利が付いたことがありました。しかし、昨今では1%台は全く見なくなって久しいです。

 

 借りる側、固定の住宅ローン金利でさえ1%台に乗りません。空前の借り手有利な状況が起きていると言ってよいでしょう。それが昨今の不動産市場の活況であり、サラリーマン大家さんがたくさん生まれた理由の1つです。ただし、融資は各段に厳しくなりましたね。

 

 先進国や日本国内にいると気づきにくいですが、開発途上国を含めると世界的にはインフレの国のほうが多いです。基軸通貨であるドルは平均して年2%程度のインフレになっており、持っているだけでは円の現金は減価するような状況になっています。

 

 ドル円レートがボックス相場にある日本円もその影響は少なくありません。世界での1人当たりGDPや年収が下がり続けているのはそういうことです。円の価値そのものが減価しているのです。

 

 これは日本に限ったことではなく、EURO圏もそうです。先進国はどこも成熟ゆえの低成長、低金利に直面していると言って良いでしょう。

 

 このような環境にあって、銀行にお金を預けておくのはリスキーな状況になりつつあります。私たちよりも上の世代は、銀行に預けておけば利回りが良かったので資産が増えていく状況でした。ゆうちょがその代表例ですね。

 

 しかし、今は違います。少なくとも年率2%を超える程度の資産運用をしないと、世界的には知らず知らずのうちに価値が減っていってしまう、そういう状況になっているということです。

 

 今回は、ディフェンシブな資産運用についてご質問を頂いています。

銀行預金の1億円を生きたお金にしたい

たぱぞう様。

 初めてメールさせていただきます。現在50歳で、医療系の専門職をやっている者です。お金のことを考えずに仕事に没頭してきた結果、現在1億の貯金があります。

 

 近い将来インフレや円安が起こる可能性が高く、このまま銀行に貯金していたら資産が目減りするということを知りました。

 

 色々調べるうちにたぱぞう様のブログにたどり着き、明快かつ納得いく記事の数々に感銘を受け、むさぼるようにほぼすべての記事を読みました。

 

 今回ご意見をうかがいたいのは、今後の投資方針についてです。もう50歳なので、投資で資産を大きく増やそうとは思っておらず、円安やインフレに対する防衛目的の投資をしようと思っています。

 

私が考えたプランは二つです。

  1. BNDだけに投資して、元本割れがなく配当が見込める投資を行う。
  2. たぱぞう様の記事にあったように、VTI35%・VYM35%・BND30%の比率で投資し、ある程度の資産増も目指す。

たぱぞう様が私の立場であれば、どちらのプランを採用されますでしょうか。

 

 また投資を開始するのであれば、5年~10年に分割して少しずつ投資するべきか、円高や株安のタイミングを待って一気に投資するべきかについてもご意見いただければありがたいです。

 

 こんな質問をしていいものかと迷ったのですが、周囲に信頼できる意見がもらえそうな人がいないため、ここで思い切って質問させていただいた次第です。もしさしつかえなければ、ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

銀行預金に1億円というのは選択としては無い

 銀行預金に純粋な資産運用目的として1億円を寝かせておくということは私ならばしないでしょう。強いてするとするならば、不動産など事業で融資をお願いしたいときに、口座にドーンと入れておくというのはありかもしれません。1つのエビデンスにはなります。

 

 しかし、質問者様は現物投資をするわけではないですから、それはちょっと用途としては違うでしょう。

 

 質問者様は100%BNDでも良いと考えられているので、増やすよりは守るを重点に置いた投資をされたいということですね。そういう意味では、債券投資というのは非常に理にかなっています。

 

 ちなみに、債券投資は短期債券になるほど利回りは低くなりますが安全で、長期債券になるほど利回りは高くなりますが、リスクは上がります。カンタンに言うと、近い未来より遠い未来のほうが読みにくいからです。

 

 BNDは確かにベータ値という値動きを示す数値も低いですが、短期債券中心のETFであるVanguard Short-Term Bond ETF 【BSV】のほうがよりディフェンシブです。年利回りは1%弱程度ですので、目安の2%には届きませんが一定の人気があります。経費率は高くなりますが、これぐらいの金利ならば、外貨建てのMMFなども視野に入ります。

 

 ただ、ドルでの投資は為替の影響を受けますので、どうしても円で資産を意識してしまう方には大きな値動きに感じられることでしょう。ここが1つの心理的ハードルになります。

米国株投資は為替が気になる人にはストレスフルになる

 米国株投資は世界的に見れば安定的で、投資の王道と言ってよい方法です。しかし、短期ではドル円為替相場の影響が資産に影響します。私のように「ドルはドルで持っていたい」という人には問題ありません。

 

 ですから、前提としては「短期の為替動向に左右されない資産管理」という視点が必要になります。それならば、BNDを始めとする債券投資は非常に安定的に映ると思います。

 

 外国投資がリスキーであるという人の主張は、この為替変動を考慮に入れるからです。逆に、為替は長期では円安方向であるという前提ならば、最高の強みということになります。私は後者に立った見方をしています。

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 もし、私が50歳で米国株投資でディフェンシブなポートフォリオを作るならば、

  • VYM 3割
  • VTI 1割
  • BND 6割(もしくは2割をBSV)

 という形で債券を半分以上入れます。ただ、100%はあまりにもリターンが心もとないかと思います。そういう意味では2番の3割投資でも良いかもしれませんが、50歳でディフェンシブというお考えからするとちょっと株式の割合が多いかと思いました。

 

  

 5年から10年に分けて投資するという考え方は素晴らしいです。私は3年から5年かけて投資をするということを最近言っていますが、10年かけたほうがより安全なのは間違いありません。

 

 特に債券は利上げ局面では値下がり傾向にありますから、急ぐ必要は全くありません。投資は忍耐、ゆっくり理想のポートフォリオを作っていけばよいですね。いずれにしても、投資の重要性が増しつつある時代を私たちは生きています。

 

 今の時代に即した資産運用術を身に着けておきたいですね。

 ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

 記事中の債券ETFであるBNDですね。長短中期の米国債をトッピングし、リターンと安全性のバランスという意味において優れています。

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  日本円でも米国株インデックスへの購入が簡単にできるようになりました。現金と円建て投資信託の組み合わせというのもアリですね。こちらのほうが税務などははるかに簡単です。

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  リーマンショックを知っていると、どうしてもディフェンシブに資産運用を考えたくなりますね。私もそうです。

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