米国株インデックスS&P500への投資と高配当株投資のジレンマ
S&P500への投資と高配当株投資で悩まれる方は多いですね。私はS&P500への投資をお勧めしています。しかし、いろいろなところで頂戴するご質問は、高配当投資に関わる質問のほうが多いですね。
高配当株、高配当ETFは、将来取り崩さなくても自動的に配当が入るというのが魅力なのですね。
しかし、気をつけなくてはいけないのは、日本株にしても米国株にしても、比較的シクリカルな銘柄が高配当株に多いというところです。もちろん、公益株などは違いますが、エネルギーなどは代表格といえるでしょう。
そういう意味では、バランスよく時価総額加重平均で企業群を束にしているS&P500などは中庸です。下落があっても納得させやすい株式指標の1つといってよいでしょう。
さて、今日はS&P500への積立投資の出口に関してご質問を頂戴しています。
S&P500積立投資を考えているが、どのように出口を取ればよいのか
はじめまして。Nと申します。
これから、投資を始めようと考えている20代です。今は、種銭を集めて米国ETFのS&P500あたりを考えております。今のところは、S&P500を1本で考えております。理由としましては、手元資金が少ないため、資金を集中させることと市場平均のリターンを得ていきたいからです。気になることがありメールした次第です。
気になることは、出口戦略のことです。仮定の話にはなりますが、S&P500で資産を築けたとします。今のS&P500の利回りは1-2%くらいなので、分配金はそこまで多くはないと思います。5千万円の場合は、年間50-100万円程度です。
そこで、年間「分配金<支出」となった場合、ETFを取り崩して行くことになると思います。その場合は、資産を取り崩す→株数が減る→分配金が減る・資産も減るという状態に陥るのでしょうか。また、極端かもしれませんがこの状態が続けば株数が0 =資産が0になる可能性が起こりうるでしょうか。
考え方が違う場合はご指摘下さい。
そう考えると、分配金の少なさが不安に残ります。S&P500ETF1本の資産形成は難しいのでしょうか。
S&P500ETF1本の出口戦略や他の投資をしていく場合の戦略などご意見をお聞きしたいです。お手数ではございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
S&P500の特性を考えると基準価格の上昇と増配が強みになる、が
おっしゃる通り、今の目線だと分配金が足りないのではないか、そのために取り崩していったら資産を毀損してしてしまうのではないか、こういう不安がありますね。
しかし、時間を十分とっていくならば、過度の心配は不要と考えます。最も歴史の長いETFであるSPYを例にとってみましょう。
20代ということで、今後30年投資を続けられるとしましょう。
1990年からのチャートで見れば取引値は40ドル台、分配金は四半期で0.3ドル前後です。
これが、2020年代になると少々のドローダウンがありつつも400ドルオーバー、分配金は1.5ドルです。さすがにこのレベルでの伸長は考えにくいですが、取引値も分配金も増えると考えてよいでしょう。
市場平均のリターンを得ていくには、市場全体が伸びていることが前提になります。これは私の私見になりますが、Euro圏と日本などを含む先進国は今後非常に厳しい時代を迎えます。いや、すでに迎えていますね。
S&P500への投資は現状ではベストの投資でしょう。もちろん、予期せぬ感染症であるcovid-19の影響はいまだ甚大ですが、それも加味しつつ投資をしていけばよいのですね。
運用だけで引退後の生活をカバーしようとせず、ある程度の勤労、年金などを加味すると無理のない生活が描けると思いますよ。これは、高配当株投資もある意味では同じです。もし、迷ったらお若いので半分半分で両方やってみてもいいでしょう。
私はS&P500一本をお勧めしますが、体験からしかわからないこともありますね。迷ったら半々、これも立派な投資術です。ご質問ありがとうございました。
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リターンだけで見ずに、自分の腹落ちするところに投資するのが大事ですね。そういう意味では、守り重視の人はバランスファンドというのは悪くない選択になる可能性があります。
同時に、リバランスなど無理しないアセットの管理も大事です。常にマーケットで出入りする必要はありません。
レバをかける必要はありませんが、ヘルスケアセクターというのは、いつの時代もバランスが良いですね。ハイテクとヘルスケアのリターンが高いのが昨今です。